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読書録📚22世紀の民主主義

政治へのアンテナを立てるため読んでみました。
ABEMAでいつもぶっ飛んだことを言っている成田さんの本なら面白いに違いない…!と読み始めたら、なかなか過激な内容でハラハラしました笑

気になったところ↓

シルバー民主主義の本当の原因

シルバー民主主義の犯人は老人。

…本当に? 

とあるチームの実験。

まだ生まれていない未来世代の仮想的な代理人を設定し、未来の仮想代理人と現役世代や高齢者に次世代にまつわる政策を議論してもらった。

結果、政策選択が未来志向に変わった。

高齢者が多いからと言って、彼らが自分たちの世代のことしか考えてないとは限らない。

本文より

こども庁の設立が議論に上がった際、高市早苗議員が「こども庁を作るなら高齢者庁も作って欲しいという声もある」と真顔で発言。

シルバー民主主義を作り出すのは政治家。
政治家は、彼らの頭のなかにいる高齢者「イメージ」に忖度している。

政治家の目を、どうすれば高齢者を中心とした世論(に関する脳内イメージ)から長期的成果へ誘導できるか?

有権者を撹乱するSNS

インターネットとSNSにより、有権者の情報やコミュニケーションが撹乱され、民主主義の前提条件が劣化している。

→SNSが無料で利用できる慣習は崩れ、適度に閉じて課金・課税されるのが当たり前の風土へ変わっていくかもしれない。

ジャンクすぎない情報をゆっくり消化し、じっくりコミュニケーションする。
遅く健康なインターネットと有権者の脳内情報環境の整備につながるかもしれない。

老人から選挙権を取り上げよう。ではなく

ブラジルやバチカンなど、有権者に年齢上限を課す国はある。
日本では、憲法で年齢差別が禁止されており、そもそもそんなことをしたら炎上必死。

老人から取り上げるのではなく、
現役世代の投票に有形無形の報酬を加える。

たとえば
・ある世代だけが投票できる世代別選挙区
・投票者の平均余命で票の重みづけ
・未成年の子の親に代理投票権

老害の引退で解決。本当?

自民党支持率は、60代と20代で大差ないどころか、むしろ20代のほうが高い
若者たちが選挙に行ったところで、選挙結果は変わらない。
さらに、今の日本の20代は貧乏崖っぷち。
過半数が資産ゼロ、わずかな給料で自転車操業している状態なのに、日本の未来を考えろなんて無理
本当の問題はシルバー民主主義の撃退ではなく、真の未来の声を政治に導入すること。

マイノリティの声をノイズにしないために、政治家や政党ごとに投票するのではなく、不妊治療の保険適用化や年金支給年齢の変更、LGBT法制といった個別の論点ごとに投票する。

そして一人一票ではなく、「自分にとって大事な政策への投票に多くの票を投じられる」ようにする。

義務教育は正しい判断をするためのOSを提供してくれない

米英の有権者調査によると
高学歴になるほど党派的で独善的に、議論と反省によって意見を修正していく能力を失っていく傾向
学歴や知識が増すごとに自分は正しいと思い込む傾向になり、この頑固さが民主主義の基礎を脅かす。

民主主義からの逃走

選挙や民主主義を内側から変えようと闘争したところで、変えるために選挙に勝ち、政治を動かす必要がある。しかし、選挙の勝者は今の民主主義の既得権者である。
ミイラ取りがミイラに。

内側から変えようとするのではなく、民主主義を見捨てて外部へと逃げ出すのはどうか?

・マイノリティも、大挙して特定の自治体に押しかければ、その場所ではマジョリティに
・億万長者は、海上・海底・上空・メタバースに消える?

→タックスヘイブンとデモクラシーヘイブンに逃げ出す資産家たちは、民主主義に内在する問題を解決しない。

逃走ではなく構想する

この章が本書のクライマックスなので気になる方はぜひ。

感想

感想という感想を持てるほど意見はないのですが(政治の知識薄い人)、民主主義が当たり前という概念がひっくり返りました。
民主主義が強いほど、資本主義にとってはマイナスだったり、コロナ封じ込めも遅れるというデータもあったり、いいことだけではないんだなと気付き。

政治をひっくり返すには、まず当選してから。だから変えるのは難しいよね。
じゃなくて、一人ひとりが、じゃあどうしたらいいの?って考えることが大きなムーブメントを起こすきっかけになるのかもしれないなと思いました。

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