94円でクイズに答える。 (エッセイ)
昨日、家のポストを開けるとおじさんから手紙が届いていた。
文通相手のおじさんは、その時々で様々な厚さの手紙を送ってくれる。今回は薄い。
直ぐに読みたい気もしたけれど、午後は用事が詰まっていたので、落ち着いたらゆっくり読もうと一旦放置。noteで記事を読むのと違って、手紙は移動の合間にちょこっと読むとか、そういう慌ただしい読み方をしたくない。
そんなことを思っていたらすっかり忘れて、夜になってしまった。
封を開けると、中から便箋が2枚。
1枚は、もはや定番となった、おじさん自作の田沢湖の写真がでかでかと載った手製の便箋。もう1枚は真っ白なコピー用紙に、達筆な文字がずらり。
前回私からは夏のまとめとして、写真を1枚同封した。
おじさんは部屋の一角に『青豆コーナー』を作ってくれていて、そこに私が送った写真を飾ってくれている。その証拠写真を以前見せてくれた。おじさんの寝ているベッドのすぐ横だった。
おじさんは写真を気に入ってくれたようで感想をくれた。
おじさんからしたら私は40歳くらい歳下なので可愛く見えるらしい。ありがたい。
写真の感想の他には私へクイズが書かれていた。
そして添えられた楽譜。
私はピアノを弾けない。
しかし子供の頃、1番やりたかった習い事はピアノ。
私の親は子供の教育にお金をかけないスタンスだったのか、習い事は幼稚園の頃に自ら志願してプールに少し通ってクロールをマスターしたのみ。その後は何もやったことがない。
だけど、もう(だいぶ前から)大人なので。やりたいことは自分でやる。
7ヶ月前に思い切って電子ピアノを購入。少しずつ練習を始めた。
それを知っているおじさんは私に楽譜を送ってきたのだ。さらに…
手紙を読んで寝ようと思ったのに…。
仕方なく、電子ピアノのところへ行き、ヘッドホンをつけて楽譜と睨めっこ。
何となくこれかも?という曲に思い当たって一安心。
ちなみに「すぐに」という催促を1枚の便箋の中で2回している。
そしてわざわざ94円切手を2枚同封してくれていた。
おじさんは何故か94円切手を使う。
84円で送れるものにも94円切手を使う謎のこだわり。
最近、郵便局へ行った際、おじさんへのちょっとしたプレゼントとして94円切手を10枚買っておいた。
今回のクイズの回答と共にその切手を送る。おじさんがくれた切手と同じものをプレゼントするのだ。
謎の物々交換。
そして今回書くことはクイズの答えとちょっとした挨拶くらい。
すぐに、と言われてもポストに投函して届くまでに3日くらいかかる。この効率の悪さ、面白すぎる。
クイズの答えが合っていなかったらどうしよう。
再テストはあるのだろうか…
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