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コントロール不能なことを目の当たりにしたときどうしたらいいか?

ここ数年わたしたちの身に降りかかっていることは、どれもこれもじぶん自身の力だけではコントロールできないことばかりです。

様々な理由から、コントロールできないことが起こると、ひとの気持ちは沈んでいきますし、不安や心配が起こります。

そういった不安や心配はなぜ起こるのか?そしてどう対処していったらいいのか?について考えていきたいと思います。

学習性無力感

なんどもなんども、コントロールできない状態に陥ると、動物は無力になります。電流が与えられているけれど、逃げられない状態が続くと、逃げることもしなくなるそうです。

コロナでまん防、外に出ることが制限されてしまう。外に出ると感染してしまうかも。感染すると周囲からバッシングされるかも。こういう状態はコントロールできません。

戦争も、いろいろなニュースを見て、胸を痛めることもあるかもしれませんが、この状況自体を自分自身の力だけでコントロールすることは難しいかもしれません。

またこの状況はいつまで続くんだろうかと考えると、不安な状態になります。ただし、この状況がいつまで続くのかはじぶんのちからではコントロールできません。

このようなコントロール不可能な事態が生じると、無力な状態となり、うつや不安が生じます。

不安のコントロール感

上記の理由から、不安やうつな状態が続くと、ひとはそういう状態から回復しようとして、不安やうつをコントロールしようとします。

不安やうつをコントロールしようとしてコントロールできた場合はOKなのですが、コントロールできなかった場合どうなるでしょうか?

先ほど申しあげたとおりですが、コントロールできないことは不安やうつにつながるので、余計に不安やうつが生じます。

「こんな不安な状態はいつまでも続く」「このままだと病気になるかも」「もう健康な自分には戻れないかも」など不安がコントロールできなくなると余計に不安やうつになってきます。

コントロールできるとできないはわけて考えよう


「コントロールの輪」というエクササイズがあります。このエクササイズでは、じぶんでコントロールできることは輪の中に、じぶんでコントロールできないことは輪の外に置くということをします。

コロナをなくする・・・これはみなさんのちからだけでできますか?

戦争をなくする・・・これはみなさんのちからだけでできますか?

マスクをつける・・・これはみなさんのちからだけでできますか?

平和を願う・・・これはみなさんのちからだけでできますか?

あるいは、不安をゼロにする。

これはみなさんがコントロールしようとしてできることでしょうか?

このように、まずじぶんがコントロールできることとできないことをわけることが、今現在の自分自身の不安やうつに対処するために役立ちます。

コントロールできることをする


じぶんじしんでコントロールできることとできないことをわけたら、今度はコントロールできる行動は積極的にしてみましょう。

不安や心配は、なにか前を向いて活動している時には生じにくいものです。

そして、なにかをしようとして、それができたという経験をしたなら、コントロールできる体験となります。

コントロールできることが増えていくことで、じぶんじしんのうつや不安も軽減していくことが多いです。

大きなことではなくても大丈夫です、小さいこと、日々できることを積み重ねていきましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございます!!!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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