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日々是短歌、ひりだす哉。 4/2(火) / 7



甥っ子に言った言葉に自己嫌悪
こんな大人に言われたとて哉

■自己解説
甥っ子のかれが高校二年を留年すると妹(かれの母親)から聞きました。
ぼくはLINEでかれの母(ぼくの妹)経由でぼくのことばを転送してもらいました。老婆心だったか、LINEを送ってすぐに自己嫌悪。

■「哉」の使い方あってるかな? 人生で初めて使いました。
哉(読み)カナ
「哉」の意味・読み・例文・類語
かな【哉】[終助]
[終助]《係助詞「か」の文末用法+終助詞「な」から》体言・活用語の連体形に付いて、感動詠嘆を表す。…だなあ。
「人の心は愚かなるもの―」〈徒然・八〉
「病雁の夜さむに落ちて旅寝―/芭蕉」〈猿蓑


今日の玄人の二首(はおなじ人物でおなじ歌集「纏わんがため」から)

総レース、房つき、花柄、ベルベット、ふれたら母に憎まれる、でも

野口あや子
「纏わんがため」(短歌研究令和3年1月号)

■ミニ解説(穂村弘さんのことば)
「触れたら母に憎まれる、でも」が恐ろしくて、まるで毒キノコに触れて手から叩き落とされる迫力がある。少女がレースや花柄やベルベットに憧れて、しかしそのとき立ち塞がるのが母の価値観だった。
ファッションのみならずすべての価値観において、幼い子供は親の支配権にある。家庭の外に出るのはある年齢以降だから、それまではベーシックなところでの相対化が子供にはできない。食事とかでも、実家の食卓にまったくのぼらないものがあったりして、大人になってからそれが意外にポピュラーな食べ物だったと知って驚いたり。

きらきらと耳たぶの下揺れている彈ママがくれたスワロフスキー

野口あや子
「纏わんがため」(短歌研究令和3年1月号)

■ミニ解説(僕個人の感想的な)
この歌も、少女の背伸びしたいあの頃の視点がかわいい。「彈ママ」のいいかたも独特で面白い。読みはわからない(おそらくダン?)けど。固有名詞だから読めなくてもいいかな。と思わせるところ(歌の世界観)がひき締まっている。

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