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いかれた僕のベイビー

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完結 恋を忘れたボーカリストと恋を知らない新人マネージャーのいかれたバンド×恋愛ストーリー
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#バンドマン

【小説】いかれた僕のベイビー #3

【小説】いかれた僕のベイビー #3

 機材の搬入も終えてのんびりする前に先に会場入りしている事務所の先輩バンドのもとへ挨拶に行く。
 昨年メジャーデビューしたそのバンドはオレの大好きなバンドで、事務所から契約の話が来た時に即決したのもこのバンドがいたからだ。
 特にギターの向井さんはオレの憧れの人で事務所に入ってからは飲みに連れて行って貰ったり、買ったは良いがあまり使わなかったエフェクター類を譲ってくれたり何かとかわいがってもらって

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【小説】いかれた僕のベイビー #2

【小説】いかれた僕のベイビー #2

 高校生の頃に所謂バンド活動を始めて、何度かのメンバーチェンジを経て大学生の頃、今のメンバーになった。
 オレと同い年でベースのアミちゃんと、一つ下のドラムの玉田。そしてオレ、藤原大成がボーカル&ギターのスリーピースバンドで、昨年今の事務所に縁あって所属させてもらいインディーズデビューを果たした。
 ありがたい事にそれからの活動は順調で、フルアルバムもリリースし、ライブも回を重ねるごとに集客も増え

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【小説】いかれた僕のベイビー #1

【小説】いかれた僕のベイビー #1

「……それでさぁ、ほんっと酷いんだよ、あたしの目の前であの人なんて言ったと思う?」

「…………」

「ねぇ、フジくん聞いてる?……あ、んっ…」

「………ん?あぁ、聞いてるよ、……なんて、言ったの?」

「会いに来てくれて嬉しかったよぉ、愛してるよぉ、だって、……つい数時間前にはあたしとセックスしてたくせに、きもっ。今日彼女来るとか、……はぁ……、聞いて、ないし……、んんっ……」

 そういうキ

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