青井さかな

音楽が好きです。 他に対して趣味はありません。 好きなものだけを題材にした、そんなお話…

青井さかな

音楽が好きです。 他に対して趣味はありません。 好きなものだけを題材にした、そんなお話を書いています。

マガジン

  • いかれた僕のベイビー

    完結 恋を忘れたボーカリストと恋を知らない新人マネージャーのいかれたバンド×恋愛ストーリー

  • ヒア・カムズ・ザ・サン

    完結 【小説】ヒア・カムズ・ザ・サン#1〜29最終話 グレープフルーツムーンの続編なのでよろしければそちらから先にお読みください。

  • グレープフルーツムーン

    完結 【小説】グレープフルーツムーン#1〜14最終話 大学生バンドマンとレコード女子(?)のお話です。

  • 作中登場曲集

    小説「グレープフルーツムーン」「ヒア・カムズ・ザ・サン」に登場するバンド、アーティスト、アルバム、楽曲などをまとめてます。

最近の記事

はじまりのアレ

 こんにちは。  ちょっと唐突ですが、私が小説なんぞ書くきっかけになった例のラジオドラマ脚本二つ、載せます。  何の事かわからない方、こちらです↓↓↓  というのも少し前に細々やってるTwitterで「脚本今更でも読みたい人いるかな?」と言ったらなんといいねくれたフォロワーさん(めっちゃ少ない)いたので、この機会逃したら一生載せられない気がしたのでここで公開します。  なので興味無い方はどうぞ引き返してくださいね。  ほぼ、番組に送った当時の原文のままです。  一年以

    • あとがきはもういいや

       ちょっとだけお休みしてました。  案外はやく戻って来れました。  体は大丈夫です。  心は、万年弱いです…。  つぶやきで小説のあとがき的なもの書こうかなと言ってましたが、もうやめときます。  でも読んでいただいた方、一言でも感想などいただけると救われます。  それよりも体より心がちょっと落ちてた原因はいろいろあってその一つが、たまにSNSは別人格とかいうの耳にしますが、私の場合は、素性は明かす気はありませんが、人格はそこまで別人格という気はしてないんですけど、小説は

      • 『いかれた僕のベイビー』昨日で完結です。1話でも読んでくださった方ありがとうございます。あとがき的な物でも書こうと思っていましたが今心身共にあまり調子が良くないので落ち着いたらまた考えようかな。それまでちょっとお休みします💤

        • 【小説】いかれた僕のベイビー #46 最終話

           二年ぶりのフェスを思いっきり楽しもうと早めに会場入りしたので、まずは先にステージ登場する杉浦のバンドをアミちゃん、玉田、そして潮音ちゃんと一緒に観に行く。  前から思っていたけど、杉浦のバンドはギターボーカルの杉浦を中心に、リードギター、ベース、キーボード、ドラムと五人編成なので音のスケールも大きくジャンルも多彩でとにかく自由で、特にこういういろんなバンドが集まるフェスだと他のバンドとの違いを上手く活かしいつもかなり目立っている。  あんまりいい曲作ってオレを焦らすなってた

        はじまりのアレ

        • あとがきはもういいや

        • 『いかれた僕のベイビー』昨日で完結です。1話でも読んでくださった方ありがとうございます。あとがき的な物でも書こうと思っていましたが今心身共にあまり調子が良くないので落ち着いたらまた考えようかな。それまでちょっとお休みします💤

        • 【小説】いかれた僕のベイビー #46 最終話

        マガジン

        • いかれた僕のベイビー
          46本
        • ヒア・カムズ・ザ・サン
          29本
        • グレープフルーツムーン
          14本
        • 作中登場曲集
          6本

        記事

          【小説】いかれた僕のベイビー #45

           その後の話を、少しだけ……。  潮音ちゃんはオレと晴れて付き合い始めたことをさすがに周囲には隠しておきたかったようだけど、即バレた。  原因は、オレじゃない、はず。  オレはこれまでと変わりなくみんなの前でも普通に話しかけるしデートにもごはんにも誘うしみんなの反応も、“あーまたやってる”くらいだったけど、そんなオレに潮音ちゃんはまったく冷静に対処出来なくなった。  オレが側に近寄るだけで顔を真っ赤にして少し身体が触れただけで文字通り飛び上がる程驚いて、真面目に仕事の話をし

          【小説】いかれた僕のベイビー #45

          【小説】いかれた僕のベイビー #44

           今、……それ言う? 「ほんと今更だね、この状態のオレにお預け食らわせて今度手加減無しで無茶苦茶に抱かれるのと今おとなしく抱かれるの、どっちがいい?」  せっかく優しくしてあげようと思ったのに、両腕を押さえ付けたまま手首にキスをし、そのまま強く吸って赤い痕を付ける。  以前、向井さんに付けられた両手首の縛られた痕はもうすっかり綺麗に消えていた。  もう片方の手首にもオレの印を刻み付けてから耳から首筋にかけて舌を滑らせる。 「もう一秒だって待てないよ」  唇で身体をなぞ

          【小説】いかれた僕のベイビー #44

          【小説】いかれた僕のベイビー #43

          「……あー、やばい、……嬉しすぎる」  感動に打ち震えるオレに対して潮音ちゃんは状況に頭が追いついていないのか放心状態だ。  ここぞとばかりに気になっていた事を問い掛ける。 「ねぇ、潮音ちゃん、いつからオレの事好きだった?」  こんな事、多分今のタイミングでしか教えてくれそうにない。 「それは……、何となく気になり始めたのは、今思えば、事務所で藤原さんと昭仁さんが話しているのを聞いてしまって、私の事を抱くつもりはないって、内容が内容なだけにずっと頭に残ってしまって、そ

          【小説】いかれた僕のベイビー #43

          【小説】いかれた僕のベイビー #42

          「コーヒー、もう一杯入れようか?」 「……いえ、大丈夫です」  もう一度潮音ちゃんをソファに座らせてさっきまでと同じようにテーブルを挟んで潮音ちゃんの正面に座る。  いつまでも逃げていられないけど、嫌だな。  正直、まだ聞きたくない。  オレの心が定まらない内に、潮音ちゃんはゆっくりと話し始めた。 「あの、……藤原さんの私に対するお気持ちは、本当だとして……」  ……ん? 「え、なに、まだ微妙に信じてもらえてないの……?」  それは、さすがに、……ちょっと傷付く。

          【小説】いかれた僕のベイビー #42

          【小説】いかれた僕のベイビー #41

          「めっちゃ出てたよ」 「……そうですか」 「あの一瞬で、それから多分スーパー行ってからもどうしようって悩みながらこのオムライス作ってくれたんだね、マジでありがとう」  自分の分はとっくに完食しているので潮音ちゃんの前にある残りのオムライスにスプーンを伸ばす。 「前もって言ってくれたら、もうちょっとマシなもの作れたのに」 「充分美味しいけど、前もって言ったら、また作ってくれるの?」  頬を赤く染め、オレの顔をチラッとだけ見てすぐに目を逸らす。 「……いいですよ、そ

          【小説】いかれた僕のベイビー #41

          【小説】いかれた僕のベイビー #40

           向井さんの部屋を訪れ二人で話をした日の翌日から、オレは自宅に籠って曲作りに没頭していた。  これまでは仕事の合間に無理矢理曲を作ってきたけど、実験的に楽曲制作のための期間をスケジュールに組んでもらいまずは五日間、ひたすら新曲を考えていた。  一日目、二日目は順調でこのやり方が自分には合っているかもなぁなんて、調子に乗っていたんだけど、今日三日目の夕方、問題が起きた。  まずは、食事。籠るためにあれこれ買っておいたは良いけどカップ麺すら面倒で食べる事を後回しにしていたら二日目

          【小説】いかれた僕のベイビー #40

          【小説】いかれた僕のベイビー #39

           潮音ちゃんもそう言っていた。本当に全部わかった上でずっと受け入れ続けていたのか。 「潮音が大人しくて人見知りで引っ込み思案な性格に育ったのは全部あいつの母親と俺のせいだよ、あいつの母親が甥の俺を可愛がって褒めちぎって、それに比べて自分の娘は駄目な子供だと言う。子供心におかしいと思いつつもそれで潮音が俺を尊敬の眼差しで見て俺を頼りにしてくれるのが、自分が必要とされている事が嬉しかった。ガキの頃はそんな子供のエゴで済んでたんだよ。……それが、中高生ともなれば、そうもいかなくな

          【小説】いかれた僕のベイビー #39

          【小説】いかれた僕のベイビー #38

           潮音ちゃんとオレの部屋で朝まで過ごしたあの日から三週間程経ったある日、オレは呼び出しを受けて指定の場所へ一人で向かった。  タクシーを降りて見上げた先に目的のマンションがある。  うちのマンションとは明らかに違う高級な造り、飛ぶ鳥を落とす勢いでシーンを席巻中とはいえ、メジャーデビューから一年でこんなにも違うのか。  今日オレを呼び出したのは、他でもない、向井さんだ。 「すごい良いとこ住んでるんですね」 「まだまだだよ、1LDKでたいして広くもないし駅からも遠いし、最近

          【小説】いかれた僕のベイビー #38

          【小説】いかれた僕のベイビー #37

           腕の中の彼女が動く気配で目を覚ます。  ベッドサイドに置いてあるデジタル時計を起き上がる事なく確認するとAM6:52を表示していた。 「……いつも早起きだなぁ、オフなんだからまだ寝てられるでしょ」 「私は休みでも何かとやる事が、そんな事より、起きたのならもういい加減離してください」 「んー、……やだ、もうちょっと」  抱き締める腕に力を込める。 「藤原さん!そもそもなんでまた、一緒に寝てるんですか?」 「……なんでって、また潮音ちゃんが寝ちゃったからに決まってる

          【小説】いかれた僕のベイビー #37

          【小説】いかれた僕のベイビー #36

          「はい。……幼い頃は、憧れのような感情はありましたが、異性として、特別な感情は一度も抱いた事はありません。……むしろ、そう思えた方が楽だったのかもしれませんが」 「それは、多分もっと辛かったと思うよ」  それに、そんなのオレが嫌だ。 「そうですかね、……どっちにしても、私にはやっぱり、人を好きになる気持ちや基準がいまいちよくわかりません」 「本当に一度も恋した事ないの?」 「はい、……ただ、高校生の時、一度だけ同級生の男の子に告白された経験はありまして……」  自

          【小説】いかれた僕のベイビー #36

          【小説】いかれた僕のベイビー #35

           潮音ちゃんが落ち着きを取り戻すまでオレはずっと彼女の背中を摩っていた。  そして二人でソファに少し間を開けて座ったまま潮音ちゃんは二度大きく息を吐き、ゆっくりと話し始めた。 「……私と昭仁さ、……向井さんとは母親同士が姉妹の従兄妹で、」 「……別に気にしなくていいよ、名前もいつも通りの呼び方で」 「……はい。……お互いの母親が珍しいくらい仲の良い姉妹で、私が生まれる前からずっと近所に住んでいるので、お互いひとりっ子の私と三歳年上の昭仁さんは兄妹のように育ちました。それ

          【小説】いかれた僕のベイビー #35

          【小説】いかれた僕のベイビー #34

          「………!!」  オレの叫び声にはっとして潮音ちゃんが急ブレーキを踏み車が急停止する。 「すみません!」 「大丈夫だから、落ち着いて」  深夜なので交通量も少なく、横断歩道を渡ろうとしていた歩行者もいなかったので事なきを得た。  それでも潮音ちゃんの震えは止まらない。 「運転代わるから」  幸い後続車もないのでそのまま潮音ちゃんに助手席に移動してもらい、運転席に座るとオレは何事もなかったかのように車を走らせた。  そしてオレのマンション近くのコインパーキングに車

          【小説】いかれた僕のベイビー #34