#2【瀬戸芸】鬼が島で出会った不思議でダークなアート
時は遡って1914年、女木島で巨大な洞窟が発見された。
その昔鬼が住んでいたとも伝えられていることから、別名「鬼が島」とも呼ばれている場所。
女木島
瀬戸内国際芸術祭1日目、お昼頃に男木島から女木島へフェリーで移動し、やって来ました。
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船から降りると、石垣のようなものがちらほら。
女木島の特徴のひとつで、冬の強風から家を守るための「オーテ」という石垣が、あちこちに作られているそう。
お腹がペコペコなのでさっそくカフェでランチをいただきます。
目の前にビーチが広がる最高のロケーションのカフェで、ゲストハウスにもなっているらしいので、次来るときにはここにも泊まってみたい。
女木島名店街 アートで日々の暮らしを考える
商店街でもデパートでもなく、“名店街”。聞いたことはないけどいい響き。
かつて民宿だった建物の中で、それぞれお店に見立てたアートに触れ合うことができる場所です。
建物の真ん中吹き抜けに堂々と伸びる木々とカラフルな机。
この上で自由に卓球もできるのが、遊び心たっぷりのこの建物らしい。
1.ランドリー
ドラムを覗くと、そこには洗濯中の服がディスプレイに映し出されてぐるぐる回っており、ついじっと見てしまう。
思い返してみると、実際のコインランドリーでも、窓がついているとついつい中を見てしまうし、ぐるぐる回っているだけでちょっと面白いのはなんでだろう?
2.鬼が島ピカピカセンター
名店街の一室、「鬼が島ピカピカセンター」では何でもかんでも光らせている。
なんとなく集めてしまいがちな、けれど捨てるには惜しいかわいい紙袋たちを、ライトのように吊るしてい様子は何とも言えない愛らしさ。
我が家にもこういう紙袋はいくつか眠っているけど、こういう使い道があるのね。
3.「リサイクルショップ複製遺跡」
名店街の最後にご紹介するのは「リサイクルショップ複製遺跡」。
島の内外から集まった品々を漆喰壁に埋め込み、展示販売をしているとのこと。
売れたものは壁から剥がされ、そこにあったという痕跡を残していく。
遺跡というと思いつくのは、何千年も前に誰か知らない人や物がそこに存在したというイメージ。
それは、膨大な時の流れを経ても存在していることにこそ意味があり、今でも「人類の生活や活動のあと」を見ることができるのが遺跡というものだからじゃないでしょうか。
たぶん、当時はどこにでもいるような人の何でもない物や場所だったんでしょう。
今ここで私たちが指輪を埋め込み、手に取ることも、いつか立派な遺跡の一つになるのかもと思わせてくれるようなアートでした。
海辺や植物、自然と共存するアート
青銅製のグランドピアノを船に見立てた作品。
海風にさらされて、錆びて朽ちていく様子さえも、時の流れを感じさせる美しさがあります。
一直線に並んだカモメたちが愛らしい。
風が吹くたび、キィキィと小さく音を立ています。
本物のカモメもここに並ぶのかな?
海辺のそばの家屋に展示されていた「ナビゲーションルーム」。
不思議なオルゴールの音と、雲・太陽などの天体や島などを模したパステルカラーの幾何学的な物体が配置されていて、窓の外には本物の海。
それぞれの物体が機械仕掛けで細やかに動く様子はずっと眺めていられる。
創造主の目線で世界を見下ろしているような、不思議な気分になってきます。
芸術祭の公式アカウントで動画がアップされていたのでぜひ見てみてください。
癒されますよ。
▶️ https://fb.watch/u5FvyCRxDy/
休校中の小学校の校庭にそびえる作品たち。
フィルムでパキッとかっこよく撮れました。
「偶像」「記号」「崇拝の対象」と言う意味を持つ、ラテン語の「イコン」(英語読みでアイコン)と掛けている気がする。
ダークな雰囲気たっぷりのアート
壁面も渋めですが、中に入ると真っ赤な壁の小さな劇場となっていて、少し不気味さを感じる場所。
フィルムで撮った写真もかなり影が入っているように、ほの暗い場所で少しそわそわしながら(早足で)鑑賞しました。
ラストの作品は、鬼にまつわる「こんぼうや」をご紹介。
鬼たちがこん棒を買いに来ている様を思い浮かべるとちょっと面白い、流石のアイデアです。
一歩家屋に足を踏み入れると、無骨な土壁が見えるかなり暗い部屋。
かすかなスポットライトに照らされて光るこん棒が、なんとも不気味な雰囲気を醸し出しています。
夜ここに来るのは絶対嫌だよな...という感じ。
旅の2日目、直島についてはまた今度。
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