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#3【瀬戸芸】直島で感じる現代アート 草間彌生と李禹煥が作る空間

大きな黄色と赤色のカボチャが目印で、
現代アートの聖地として注目を集めている直島にやって来た。

直島のアート

直島行きのフェリーは水玉模様。

草間彌生さんの水玉模様のカボチャにちなんで描かれたもので、直島に着く前からワクワクさせてくれる。

フェリー「なおしま」

直島と言えば、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトにしたベネッセハウス ミュージアム。

安藤忠雄の建築という贅沢な空間の中で、草間彌生李禹煥など代表的な現代アーティストの作品を見ることができる、アート好きにはたまらない場所です。

ヴァレーギャラリー

池や芝生の上にゴロゴロと大量に転がっているのはミラーボール

自然の中で、明らかに異質なミラーボールが転がっている不思議な光景。

ミラーボールがわらわらと集まっている生き物みたいにも見えてくる。

草間彌生「ナルシスの庭」1966/2022年

《ナルシスの庭》は1966年のヴェネツィア・ビエンナーレの会場の芝生に敷き詰め、世界的注目を集めた作品。

園路を進んだ各所にミラーボールが散りばめられ、山や空などの周囲の景観、そして鑑賞者やスタッフの方など「そこにいるひと」の姿を映し出す

おにわさんより

こんなにもたくさんぴかぴかのミラーボールが転がっていると、自然と覗き込みたくなってしまう。

そうなるように仕向けられたナルシズムってこと。。?

なんだか草間彌生に見透かされてしまったような気分です。

李禹煥美術館

お次は、国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン)の美術館へ。

ステンレス板とアーチ、2つの自然石からなる「無限門」

もの派」って一体何なの?
と思われる方も多いでしょう。

石や鉄がぽつんと置かれているだけに見えないこともない…

しなった鉄の棒が岩にもたれかかる

「もの派」とは、1968年~1970年中期に日本で行われたひとつの芸術のあり方のこと。

もの派の「もの」とは木、石、岩といった「自然素材」とか、紙、鉄材といった「未加工の素材」を指します。

彼らは「何かを創造するんじゃなく素材としての“もの”に注目しようぜ」と考えました。

イロハニアートより

李禹煥美術館の柱の広場は「」「金属」「直島の風景」が組み合わさり、様々な相互の関係を感じさせてくれます。

李禹煥美術館の入り口

コンクリート打ちっぱなしの無機質な壁は、自然の風景が絶妙なバランスで成り立っている。

もの派の李禹煥の作品と安藤忠雄の建築はすごく相性が良い。

李禹煥作品の見方は、みる人に委ねられます。空間に石と鉄板が置いてある作品を見て、「石と鉄板が仲良く話をしているように見える」と感じる人もいれば、「石は鉄板に背を向けて、そっぽを向いて遠くを見ている」と感じる人もいます。

Benesse Art Site Noshima 公式サイトより
「関係項-合図」

現代アートは自分を映し出す鏡

ここまでアート作品を見て、
あなたはどう感じましたか?

現代アートってよく分からないという人には、まずは「ただ感じてみるだけでもいい」と思っています。

作品の背景や解説を知っていきながら、こんな意図で作られたのかな?と考えてみたり、一緒に見に行った人と感じたことを話してみたりするといろんな発見があって面白いです。

そして、その次のステップとしておすすめしたいのは、感じた言葉から自分の内面を探ってみるということ。

あなたが感じたことや、
ある作品が心に残ったのはなぜでしょうか?

現代アート作品は鏡のようで、つまりは自分の内面に目を向けることになります。

どう感じるかは人それぞれ、そこに個性があり、同じ人だとしてもその時々の状況によっても変わるかもしれません。

次回は、直島の歩き方(後編)をお楽しみに。

👇直島後編はこちら


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あおいなつ
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