6年前に小説家になろうで書く予定だった消された恋愛話を改稿して纏めております。【創作大賞2024初参加】
暗い部分も多いですが、人の感情揺れ動きとリアル重視。
ハッピーエンドです…
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#恋愛小説
【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城「第3話 戻らない記憶」
「マキ、何かいい事あったあ?」
店はまだ準備中。派手な同僚とは違い、私はメイクや服を整えるのに倍近い時間がかかる。
鏡に向かい口紅を引く私の顔は、彼女の指摘通り昨日とまったく違っていた。目元に幸せオーラがはっきり出ている。この歳になって初めて彼氏とお付き合いしたような感じだ。
あの後、忍と2回触れるだけのキスをしてから電話番号とLINE、メールアドレスを交換した。
何故か分から
【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第5話 忍sideー 事故
俺には、記憶が無い。
自分という存在を確認するものは普通運転免許証と、俺が目を覚ました時に綺麗な顔をぐしゃぐしゃに泣いて病院まで飛んできたガリ勉野郎の雨宮弘樹って野郎だけだ。
どうせなら、目覚めた時に綺麗な女の子に会いたかったけど、そんな夢みたいな事は言っていられない。
そう、俺は一度死んだようなモンだ。
医者の話によると、どうやら俺は家族に勘当されているらしく、この携帯にあった雨
【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第22話 忍sideー 襲撃
「ねえねえ、今度温泉旅行に行きたいよね」
「そうだな……」
「箱根くらいだったら行けるよね、日曜日はママさん達休み欲しがるから、平日なら休み合わせられるし」
「ああ……」
俺は澤村の話を聞きながら今日弘樹に怒鳴られた事を反芻していた。
あいつは普段全く怒らない癖に、俺と麻衣の話になると人が変わる。
今の俺に麻衣を守るチカラは無いし、あのシノブって奴が麻衣を守ってくれるのならばそれに任