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人生にゴールなんてない

「きちんとした生活」の大切さと、自分とどう向き合うのか。
村上春樹さんの著書から、
今日はやっと、本題の「ランと村上春樹」についてです。

規則正しい生活


たびたび触れている村上春樹さんのこちら

以前こちらでも触れました。

作家って発想勝負、創作が第一で生活は二の次。
そんなイメージがありますが、村上春樹さんはそうではありません。

とても規則正しい毎日です。

・起床( 5時前)
・朝食
・執筆(3~4時間)
・昼食
・昼寝(30分)
・ジョギング(1時間)
・講演準備や事務作業
・夕食
・音楽を聴いたりゆっくりする ※仕事はしない
・就寝(9時過ぎ)

以前は一日5箱を吸うヘビースモーカーだったのを、
ランを始めた後に、やめたそうです。

また、小説家になる前はジャズ喫茶を経営。
「ベッドに入るのは夜明け前ということも少なくなかった」生活でした。
それを、「一番集中力のある午前中」に小説を書くために、
朝型に変えます。
夜友人と飲みに行くなども、最小限だそうです。


自己内省としてのラン


生活の大切な要素として「ラン」があります。

僕は「今日は走りたくないなぁ」と思った時には、常に自分にこう問いかけるようにしている。
おまえはいちおう小説家として生活しており、好きな時間に自宅で一人で仕事ができるから、満員電車に揺られて朝夕の通勤をする必要もないし、退屈な会議に出る必要もない。
それは幸運なことだと思わないか?(思う。)
それに比べたら、近所を一時間走るくらい、なんでもないことじゃないか。

専業小説家としてスタートした33歳から走り始め、
73歳の今も走り続けている
ようです。

毎日ランを続けるのは並大抵ではありません。
しかし生活の一部にして、
日々このように自分に語り掛け、続けているんですね。

ランを続けてきたことを、このように振り返っています。

長距離を走り始めていなかったとしたら、ぼくの書いている作品は、
今あるものとは少なからず違ったものになっていたのではないかという気がする。
いずれにせよ、ここまで休みなく走り続けてきてよかったなと思う。
なぜなら、僕は自分が今書いている小説が、自分でも好きだからだ。
一人の不完全な人間として、限界を抱えた一人の作家として、
矛盾だらけのぱっとしない人生の道をたどりながら、
それでも未だにそういう気持ちを抱くことができるというのは、
やはり一つの達成ではないだろうか?

ここで感じるのは「自己肯定」「謙虚さ」です。

あれだけ高名な作家であるにもかかわらず、です。
それは、ランで日々自分の限界と向き合っているからでは?
そう思わせるくだりがあります。

誰かに故のない(と少なくとも僕には思える)非難を受けとき…
僕はいつも少しだけ長い距離を走ることにしている。
その分自分を肉体的に消耗させる。
そして自分が能力に限りがある、弱い人間だということを改めて認識する。
一番底の部分でフィジカルに認識する。
悔しい思いをしたらその分自分を磨けばいい


日々新陳代謝


いかに日々を「組み立てるか」
良いコンディションを維持できる「日々」の組み立て。

先日触れた村上祥子さんも、全く同様でした。
勉強になりますね。


人間の体は、日々新陳代謝を繰り返します。
だから、80年も90年も生きられるんですよね。

引き合いに出すのも変ですが、80年も90年も建築は通常もたない。
あれだけ頑丈なものでも、です。
少し傷ついても血が出る体で、80年も90年も生きられる。
これって凄いことですよね?

人はみんな不完全な存在です。
日々の連続の中で、どうにかしながら腐らせずに生きていく
自分が活性化できる方法を、生活に取り込みながら。


走り続けること


「走ること」についてこう締めくくっています。

入念に準備をしたフルマラソンの大会が、
思った結果にならなかった後の記述です。

体が僕に許す限り、たとえよぼよぼになっても、…僕はかまわずに走り続けることだろう
それが僕にとっての、そしてこの本にとっての、ひとつの結論になるのかもしれない。
…だって「ランナーになってくれませんか」と誰かに頼まれて、走り始めたわけではないのだ。誰かに「小説家になってください」と頼まれて小説を書き始めたわけではないのと同じように。
…僕は空を見上げたりするべきではないのだろう。視線を向けなければならないのは、おそらく自らの内側なのだ。
…というわけで、村上市トライアスロンに向けて日々の練習に励んでいる。…<進化のどん詰まり>に向けて

何度かお伝えしたように、骨も筋肉も頭脳も、
30代前半がピークでそこから下降線を描きます。
タイムが伸びなくなったら、進化できなくなったら
やる意味が無いのか?
という問いの答えを示してくれています。

人生にゴールなんてない。

「何をするか」より、
「どんな気持ちでどのように生きる」か。
そのほうが重要なのかもしれません。

日々の継続が、人生そのものなのですから。

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