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「生きる」の前に「いのち」って何?

「PLAN75」という映画を観てきました。
今日は、この映画を通して感じたことを書いてみたいと思います。

「PLAN75」
2022年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品、
カメラドール特別表彰を受けたことで話題になりました。

少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。
当事者である高齢者はこの制度をどう受けとめるのか?若い世代は?<プラン75>という架空の制度を媒介に、人は何を選択し、どう生きていくのかを問いかける。

映画館は平日にも関わらず、満席とはいきませんが3分の2くらい席が埋まっていました。
高齢書も多かったですが、20、30代と思われる方も2割くらいいました。
社会的関心の高さを感じました。


「生死」を論じる前に、「いのち」って何?


映画は、とても丁寧な作りを感じさせました。
まるでドキュメンタリーの様なリアルさ
すでにこれが現実では、と錯覚するほどでした。

映画は、本当にたくさんの問題を提起しています。

超高齢化、私もたびたび触れている「個の時代」に
・高齢者のの問題
・高齢者の生活の術をどうするのか?
・労働力不足での海外(映画ではフィリピン)からの出稼ぎ者の問題
経済が立ち行かなくなったら、「切り捨て」もやむを得ないのか?

私は映画を観ながら、こう感じていました。
「生死」を論じる前に、「いのち」って何だろう?

人って根源的に「生きたい」ものではないのかな、と感じたのです。

心臓は筋肉の塊といわれ、全身に一定の間隔で血液を送り出し続けます。
90年、100年までも。
この生命力を、私たちは生来持ち合わせている、という事実。

意識が
「生きていても仕方ない」
「自分の人生は無意味だ」
と思ったとしても
肉体は、生きたいものではないのか。


私はどこから来たの?


娘が3歳頃、こう言ったことがありました。
「私はどこから来たの?」
「ママのお腹の中だよ」
私は答えました。
すると、こう言いました。
「その前はどこにいたの?」

「!!」

「ママにもわからない。それは永遠の謎だね。」
私は答えました(笑)

これこそが神秘ですよね。

友人に助産師をしている人がいます。
満月の頃は出産が多いそうです。

私たちの命は大きな神秘の中の、一つの偶然でしかない
たまたまもらった命を、どんな風にしよう(生きよう)?
この順番なのでは?

宗教観の違う国の人々が、この映画を観てどのように感じたのか?

日本は(私も含めて)「宗教観」が無さすぎるのでは?
「神」という未知の存在がある、と少しは思う方が良いのかもしれません。

自分が「万物の王」のような感覚になっていないか?
あたかも、全て自分がコントロールできるもののように感じる。
それは、一つの「おごり」ではないかと思うのです。

「おごり」は、既にこんな問題を引き起こしています。
核廃棄物の処理方法も決めずに作った原発
利便さを追求した末の、自らの命を脅かしかねない環境悪化

経済性や効率というもので、人の命さえも図る。
充分にあり得ます。

もっと謙虚になるべきではないでしょうか?
謙虚さを忘れ、「何でもできる」となり、今度は自らを見失う、、
それが今の社会では、と感じたのでした。

せっかくもらった命
この命で何ができるんだろう?
この命を生かすには、どうしたら良いんだろう?

襟を正して、考えていきたいと思います。

<追記>

※以下は上記本筋と異なるので別記します。

海外の方の映画レビューを検索したところ、以下記載がありました。
「寝たきりで意思表明ができない人の選択はどうなっていたのだろう。
この映画では割愛されていた部分だが、個人的には最も気になったところである。」

この「意思表明ができない人の選択」について
プラン75と混同されがちだと感じました。
私は、両者は全く異なる問題、混同するのはとても危険だと思いました。
考えの軸は「本人の尊厳」ではないでしょうか?

また、海外からの出稼ぎの件。
この問題はすでに20~30年も前から言われていたことです。
そして今や日本は「安い国」になってしまいました。
海外から「働きに行きたい国」では無くなりつつあるのでは?
移民申請問題ともリンクします。
日本の政府、社会システムが遅きに失し、
全てが「いまさら」になる
ため息をついた次第でした。。

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