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まさかこんな人生になるなんて【前編】人生底だった30代

子供の頃イメージしていた「自分の大人の姿」
あなたはどんなイメージでしたか?
今と違いますか?
私は全然違います(-_-;)

小学4年生のこと。
校舎の裏にクラスで「タイムカプセル」を埋めることになりました。
「タイムカプセル」、昔流行りませんでしたか(笑)?

先生が言いました。
「30年後の自分に手紙を書きましょう。」
10歳だった私が、何を書いたかは憶えていません。
でも、40歳の自分をこう想像したことははっきり憶えています。
「人生終わってる(=安泰)」
大人になればみんな「幸せになって」「落ち着いている」ものだと思っていました。
子供の頃って、
大人の人生がこんなに色々だなんて
ちっともわかっていなかったんですね。


髪を振り乱さんばかりの30代後半


実際の私は「幸せ」でも「落ち着いている」でもありませんでした

私は25歳で結婚し、35歳で当時4歳だった娘を連れ離婚しました。
30代後半は毎日時間に追われ、髪を振り回さんばかりだったのです。

今から20年も前のことです。
建築士の私は、建築業界という男社会で、かつベンチャー企業に勤めていました。
社内で、子供がいながら働く女性は私ただ一人でした。

保育園のお迎えは夕方6時半まで。
会社を5時半過ぎに出なくてはいけません。
私以外は全員残業をしている会社でした。
ブラックという言葉も、ワークライフバランスという言葉もまだ無かった時代です。
ましてや、「時短勤務」というものがのちに世の中に登場するなんて。
想像すら出来ませんでした。

夕方5時半は、みんなが最も仕事にノッている時間でした。
帰り支度をしていると「もう帰るの?」という視線を感じました。
逃げるように会社を出て、ギリギリに保育園に滑り込みました。
残っているのは娘ただ一人。
保育士さんが全ての帰り支度を終えて今か今かと待っていました。
5分でも遅れようものなら、苦情を言われました。
「もっと早く帰れませんか?」

会社は、当時としては相当協力的だったと思います。
コアタイムなしの完全フレックスタイム制は、当時はかなり珍しかったと思います。

周りの社員はほとんどが私より若く、独身が多かったです。
入社時に採用担当からこういわれたのを憶えています。
「これから続く女性社員のために、道を作ってください。」

同僚たちはみんな優しかったです。
夕方急に入った仕事を代わってくれたり。
休みに(会社からは許可を得ていたので)連れて行った娘の相手をしてくれたり。


現実は厳しかった


とはいえ、現実は厳しかった。。。
会社の会議や、建築中の現場管理やプロジェクトの打合せ、、
昼間の時間帯はほぼ埋まってしまいます。
そして、エンドユーザー相手の設計だったので、お客さんとの打合せは休日。
図面を描くのは夜でした。
(今も建築業界はあまり変わっていないかもしれません。)

夕方打合せが入ることが分かると、あわてて電話を掛けます。
用意してある5~6人のリストの上から順に、近所の友達、次にヘルパーさん。
そうしてようやく娘の「今日のお迎え」を頼むことが出来ました。

席に戻ると同僚の男性が笑いながら言いました。
「家なき子みたいだね。」

休みの日のお客さんとの打ち合わせ。
お客さんも家族連れが多く、娘はお客さんの子供とキャーキャー楽しそうに遊んでいました。
「楽しそうでいいわね」
そう言ってくれる人が大半でした。
しかし、中にはものすごい形相でにらむ同僚もいました。

ある時は、朝身支度をしているときに娘が熱っぽい様子。
けれど、お客さんの打合せをキャンセルするわけには行きません。
ぐずぐずする娘を何とか会社へ連れていきました。
案の定、帰りには熱が上がりぐったりしていました。
もう相当な重さになった娘を、会社のあった渋谷からおんぶして帰りました。
今思い返しても、私は鬼のようでした。
しかし、それ以外に選択肢は無かったのです。

締め切りに追われる日々。
やってもやっても追いつかない仕事。
娘を寝かしつけた後、真夜中に起きて図面を描く日々。
そのまま寝てしまって朝を迎えた時の絶望感。

能力のある人は、たくさんの仕事をどんどんこなしていました。
私は能力がないうえに時間もなく、カバーできるところが無かったのでした。

毎日へとへとでした。
「今日一日だけ頑張ろう。」
それだけを考えてやり過ごしていました。


理想と現実のギャップ


「子育てしながら仕事をしているのは、素敵な女性」
今のようなイメージは、当時はありませんでした。
むしろこんな見方をされていました。
「離婚したから働かないといけない、可愛そうな女性」
私自身も少なからず、自らそのイメージを背負っていたと思います。

公園に行くと同年代の家族連れに目が行きました。
お父さん、お母さんと子供が二人。
帰りの電車で、娘が遊び疲れて寝てしまった時。
抱っこして歩くには重すぎるので、駅のベンチで起きるまで待ちました。
迎えに来てくれる人はもういないんだなと思いました。

私自身が一番、理想と現実のギャップに傷ついていました。
そして、40代へ。

次回へ続く

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