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【図解】パウ・パトロールの主題歌に見る、トラブル解決と雇用

長女が最近ハマっている「パウ・パトロール」の主題歌から、トラブル解決と雇用について考えてみました。パウパトー、パウパトーの繰り返しが耳に残り、なぜか口ずさみたくなる歌なんですよね。


他愛もない歌詞なんですが、1番と2番では、トラブルに対する動きが明らかに異なることに気づきました。

1番:全員集合 → トラブル発見 → パウっと解決
2番:トラブル発見 → 任務だ集合 → パウっと解決

異なるのは、集合のタイミングと人数です。1番では、トラブル発見の前に、全員が集合しています。一方の2番では、トラブル発見の後に、(おそらく)任務に必要なメンバーだけが集合しています。


1番は、まず人材を集めて、それから仕事をアサインする、日本的・終身雇用型のトラブル解決と捉えられます。とりあえず全員集まって定期的なミーティングを行い、解決すべきトラブルを探していくスタイルですね。

2番は、まず仕事があって、それに対して必要な人材を集める、欧米的・ジョブ型雇用のトラブル解決と言ってもいいでしょう。トラブルが明確になってから、解決のために必要な人材がアサインされるスタイルです。


1番と2番、どちらが優れているということではなく、それぞれにメリットがあります


1番(集合→発見)のメリットは、想定外の事態に対応するリソースが確保できている点です。パウ・パトロールの各メンバーは、力仕事や航空活動など、それぞれ得意分野が異なります。得意分野が異なるメンバーを集めておくことで、何が起きるかわからない状況に対しても、柔軟・確実に任務を遂行することができます。もちろん、確保したリソースが使われず、コスト面のムダが発生してしまうリスクもあります。

集合→発見型は、失敗が許されない、ミッション・クリティカルな任務に適していると考えられます。パウ・パトロールの任務には人命救助が多いと思われるので、このスタイルは適切と言えますね。崖の上で宙づりとか沼にハマって動けないとか、トラウマ級のピンチに陥っている人が多いんですが、救助要請者はわりと危機感のない表情をしています。パウ・パトロールに甘えすぎじゃない?


2番(発見→集合)のメリットは、必要最小限のリソースだけで迅速に行動できる点です。全員を集めて待機させたり、活動地域に適していないリソースを確保したりするムダが発生しません。例えば、長女の推しキャラであるエベレストは、雪上・山岳での活動に適した装備を持っています。そのため、トラブルが街中や森で発生している場合は、彼女は招集されないようです(いわゆる準レギュラー)。ただし、ムダを抑えられる反面、想定外の事態への対応への柔軟性は低くなります。あと、長女が「エベレスト出てこなかったねー」とちょっと悲しい顔をする。

発見→集合型は、街中での比較的小規模なトラブルの解決に向いています。想定外の事態が起きにくい、いわば局地戦向きの戦術と言えますね。ミッション・クリティカルな任務・大規模な戦略には向いていません。同じ子ども向けアニメで、きかんしゃトーマスは、発見→集合型を採用していると思います。モノや人を運ぶ任務があって、それらを適切な車両にアサインするスタイルですね。パウ・パトロールよりも、トーマスたちは車両運用コストが高額だからなのでは、と予想しています。


ちなみに劇中では、パウ・パトロールのメンバーはトラブル発見を担当していないことが多いようです。トラブルに遭っている人自身が、スマホでパウ・パトロールを呼ぶ展開がお決まり。そもそもトラブル解決が得意なメンバーは十分揃っているので、新メンバーを増やすなら、トラブル発見の専門家を採用するべきだと考えられます。そういった分業を考えてみると、トラブル発見と解決をひとりでこなすアンパンマンは有能すぎますね。福利厚生(顔交換)が手厚いのがなによりの救い。

上記を踏まえて、実際のパウ・パトロールのトラブル解決プロセスは、下記のような流れになっていると考えました。主題歌の1番・2番とも、実情を正しく表現しきれていないと言えます。

実情:トラブル発見(連絡を受ける) → 全員集合(必要に応じてメンバー追加) → パウっと解決


日本でも終身雇用型からジョブ型へのシフトが叫ばれていますが、ジョブ型を盲信する風潮には疑問を抱きます。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、どちらが適しているかを個別に判断する必要があると考えます。エベレストは女の子枠として人気あるっぽいし、終身雇用(正レギュラー)でもよくないですかね?


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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。