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読書まとめミニ『プチ速読』

『たったの10分!「プチ速読」で読書スピードが2倍になる』池江 俊博


概要

図書館の新刊案内で見つけて、タイトル借りしてみました。タイトルの「プチ速読」という言葉の、速読に対するハードルの下げ方が絶妙です。本をバーっとめくってハイ読めました、というガチ速読ではなく、今よりちょっと速く読めればいいな、くらいのニュアンスですね。

私なりに重要だと思ったポイントは、文章を視界に流し込むための筋トレと、成功体験で自信をつけることです。速く読むためのテクニックの解説はほとんどなく、身体や脳のポテンシャルを引き出すことに重点を置いていると感じました。

以下、3点でまとめました。


① 読書スピードと識字数を把握する

1分間で何行読めたか、トレーニング前に計測して現状を把握します。そして、トレーニング後、同じ文章を同じ時間で何行読めたかを再度計測します。計測することで、タイトルでも「読書スピードが2倍になる」とあるように、トレーニングの効果を定量化でき、効果を実感しやすくなります。

プチ速読で大切なことは、トレーニングによって速く読めるようになった、という成功体験だそうです。同じ文章を再度読んだら当然速くなるのでは、といった疑問に対する著者の返答は「その通りです」とのこと。ちょっとズルい方法を使ってでも成功体験を提供し、脳に自信を与えることで、脳のポテンシャルをさらに高めることができます。

「識字数」とは、その人が一度に認識できるだいたいの文字の範囲を指します。識字数のまとまりごとに「目の停留」が起きるため、視線の動きを他の人に確認してもらったりスマホで撮影したりすることで、識字数をある程度把握することができます。トレーニングで視野が広がると識字数も多くなり、読書スピード向上につながります。


② 目の筋肉をストレッチ・トレーニング

眼球を動かす筋肉をほぐしたり鍛えたりすることで、読書スピードが上がります。長時間座ったままでいると肩や腰の筋肉が凝るように、目の筋肉も適度に動かさないと、血行が悪くなり働きが低下します。

簡単にできて、私が効果を実感できたストレッチをひとつ紹介します。顔は正面に向けたまま、上下左右・斜めの計8方向に視線をいっぱいに移動させます。それから、時計回り・反時計回りに視線を一周させます。

ストレッチによって、目の筋肉が伸ばされている感覚を得られると思います。パソコンやスマホの画面を見ているとき、目の筋肉はあまり動いていません。長時間座ったままのときの肩や腰と同じですね。仕事や読書の合間に目のストレッチを取り入れてみようと思いました。

視線移動をすばやく行うと、目の筋肉を鍛えるトレーニングになります。電車の座席に座っているときに、左右の窓枠の間を高速で視線移動させるトレーニングが紹介されていました。周りから怪しまれない?と思いましたが、みんなスマホ画面に視線が集中してるので問題ないですね。また、上下左右だけでなく、斜め方向に動かす筋肉があり、ここをしっかり使えていない人は目が疲れやすいそうです。
※トレーニングはコンタクトレンズをつけていない状態で行いましょう。


③ 脳を高速環境に慣れさせる

「脳は環境適応の天才」なので、高速環境を与えればそれに適応していきます。通常の言語処理は左脳の役割ですが、高速処理が必要な場合は右脳も働くとのこと。この領域シフトを意識的に行うことは難しいので、トレーニングが必要になってきます。

本書の音声ダウンロード特典を利用して、脳を高速環境に慣れさせるトレーニングができます。例えば、読み切るかどうかを別にして、メトロノームの音に合わせてページをめくることで、視線移動のスピードを上げるトレーニングができます。また、2倍速・4倍速の読み上げを聞きながら文章を読むことで、強制的に音読スピードを上げるトレーニングもあります。

速読の敵は、心の中で音読することです。音読の声よりも速く文章を読むことはできません。音読を完全にやめるのは難しいですが、倍速読み上げを使って音読のスピードを早めるトレーニングをすることで、プチ速読を実現できます。

余談ですが、20代の約半数で、映画やテレビの「倍速視聴」が習慣化しているという調査があります。彼らは脳のポテンシャルを最大限に活かす方法を実践している…のかもしれません。



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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。