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“写真ってただ撮ってたら独り言だけど、観る人がいて、初めてコミュニケーションが成り立つものだと思ってる。だから、写真が俺にとって最後のコミュニケーション能力かな“

01. 飯塚光彩 / フォトグラファー

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学生時代にカメラを始め、今や国内外で活躍するフォトグラファーの光彩くん。
「好き」を仕事にするからこそ生まれる葛藤や、自分との向き合い方についてお話しいただきました。

■飯塚光彩 (いいづか きあら)
フォトグラファー、クリエイティブディレクター、株式会社Respective Production 創業者の一人。NY Fashion Week 2019で唯一の日本人として撮影をする。主なクライアントはadidas、Maybeline Japan、農林水産省、Audi など。現在は三重県伊勢市に移住し、東京と2拠点で活躍する。

Instagram: @kiaraiizuka
Twitter: @kiaraiizuka
Portfolio: https://kiaraiizuka.com

_今の仕事を始めたきっかけは?
写真を始めたきっかけは、好きな子の気を引きたいっていう不純なものだったんだけど、仕事にしようって思ったのは、自分の好きなことで誰かの役に立てるのがすごく嬉しかったからだね。

カメラ始めてからしばらくした頃、自己満で載せてたインスタに「撮ってくれないか」って知らない人から連絡が来て、5000円で200枚くらい撮る仕事をしたんだよね(笑) 今から考えると超破格なんだけど、それでも「マジありがとー!!」って言われると、これいいなぁって。その時働いてたアパレルの給料の何分の1かも分からないその5000円が嬉しくて。これで生きていきたいって思ったのは、そういうちっちゃいことの積み重ねかな。

それに、俺は嫌いなことが超出来ないタイプなんだよね。何をしたいかは分かんなかったけど、「スーツ着たくない。会社に勤めたくない」っていう、したくないことだけはすごく明確にあって。当時は若かったから、生きていくにはお金がどれくらい必要とかも思わなかったし。

_仕事をやり続ける原動力は?
飽き性なだけだと思う。1個のことをずっとやるのが苦手で。写真ってそれでいうとすごく面白くて、最初は自己満の趣味が「人のためになりたい気持ち」「人から認められたい気持ち」が出てきて、その規模感が変わっていくというか。プレステのゲームを差し替える感じかな。ゲームが変わるから出来ることも変わるけど、使ってる本体自体は同じって感じ。

_ 働く中で、あるいは生きてる中で大切にしているキーワードを教えてください
コミュニケーションが結構大事だと思ってる。流石に20年以上、クライアントも俺も日本語を喋ってんじゃん?それで会話に疑問が生まれるっていうことは絶対どっちも1個は理解してないのね、何かを(笑)
だからまず、どうして俺が疑問に思ったかを紐解いて、この人がどういうことを考えて発言したのかを読み解いて、その人が言った通りに出来なくても、「それってこうゆうことですか?」って、自分が出来ることを提示して、会話から解決方法を見つけ出すことを大事にしてる。


_憧れや尊敬している人、あるいはロールモデルにしている人はいますか?
この人の生き方いいなって思う人はいっぱいいるけど、個人名で憧れを持つ人はいないかな。っていうのも、憧れが1番危ない感情だと思っていて。写真を撮る中で1人に憧れてしまうと、ただその人になってしまうだけだと思う。

仕事の話をする時は師匠の話をもちろん聞くけど、そうじゃない時は、師匠より下だと思ったことはないし、そこはすごく対等に接してくれる人だったから、すげぇいい教育してもらったと思ってる。


_失敗から学んだことが成功に結びついたことは?
2年前くらいに、俺は全部捨てて諦めたくて4ヶ月アメリカに行ったことがある(笑)
その少し前に自分の中で過去1に大きい仕事が来て、大失敗したのよ。今でも一言一句覚えてるんだけど、プロデューサーに「これじゃあ相手からお金は貰えないからもうやらなくていいよ」って言われて。今だからそう言ってくれたことにすごく感謝してるんだけど、あの時は心が粉々に粉砕した(笑) こんなに大好きなことで人に迷惑をかけて、やらなかったほうがよかったって言われるのは、存在意義そのものを否定された感覚になって。

そういう考えになってしまうと、自分の手に何が残ってるかって分かんなくなるんだよね。家族とか友達とか、美味しい食べ物とか。そうゆう幸せを端に置いて「写真はもうできない」って考えしか出てこなくて、アメリカに出かけた。

人って多分打ちひしがれた時に故郷に帰りたくなるんだよね(笑)
俺の場合、人格形成がアメリカだったからそこが「安全な場所」っていう帰省本能があるんだろうね。朝日とともに起きて土木のバイトして暗くなったら仕事できなくなるから16時とか17時に切り上げて、車に乗って音楽聴きながら地平線に沈む夕陽見るみたいなことしてた。

で、しばらくそういう生活をして、4ヶ月目に向こうの兄弟って思ってる奴に「お前もう帰れよ」って言われて。「こいつにそんなことを言わせるようじゃダメだ」って思って、日本に帰ってきた。
当時は死にたかったし、カメラに触るのもしばらく怖くて本当にトラウマになる経験だったんだけど、あの時があったから今があると思ってる。

_自信を無くしたときはどうやって自分を軌道に乗せ直しますか?
学ぶことによって解消するしかないと思う。俺は常に自分に自信がないから最初の頃は狂気的にYouTube見てた。それでも、カメラ始めた時はできないことがすごく多いと思ってたのに、運が良くて誰もが知ってるような企業に海外連れて行ってもらったり、セレブリティを撮れたりして。でもやっぱり、本物を前にした時に自分の技術が小手先な気がしてさ。それがすごく嫌で、不安になったんだよね。「俺これ何年か続けていけるのかな」って。それで、自分の生きてる年数くらいカメラやってる人のところに弟子入りした。


_発想やクリエイティビティの源泉は?
そうゆう時に弟子入りしたから、今のクリエイティブな発想の起点はベースとして師匠がいる。喋り方でさえ師匠に似てきてるもん。常に自分の発想のベースになってくれているなぁと思っていて、もう少ししたら、師匠のベースと俺が元々持っていた自分のベースが混じり合って…そうなった時が一端のカメラマンになったって言える時なんだと思う。

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_自分自身の背筋を正した出来事は?
_自分自身をいい状態に保つためにしていることは?
_あなたにとって仕事とは?
_これからの日本や世界に必要だと思うことは?
_これからの夢、あるいは目標は?

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