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“お金とか、どういうふうに人に見られてるのかとか、そういうのがどうでもよくない人は判断が鈍ったりするんじゃないですかね”

17. Shohei Takasaki / コンテンポラリーアーティスト

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コンテンポラリーアーティストのShohei Takasakiさん。

鑑賞者の思考を巡らせるような彼の絵は、膨大なエネルギーを出していて、それはShoheiさん自身とすごくリンクしているよう。

彼のダイナミックな人生と作品を生み出す根源に迫りました。

■Shohei Takasaki (ショウヘイ タカサキ)
コンテンポラリーアーティスト。
2013年から2019年までアメリカのポートランドを拠点にし、2021年からはオーストラリアに在住。これまでに東京、クェート、メルボルンなど数多くの場所で個展を開催。
現在も国内外で活躍している。

Instagram: @shoheitakasaki


_今の仕事を始めたきっかけは?
10代の時はずっとファッションデザイナーになりたかったんだよね。だから高校の時は、ファッションの学校に入るために、放課後残って美術の先生にデッサンとか絵の方法を毎日教えてもらってたの。

その甲斐あって、実技の試験は受かったんだ。でも、その後10人中0.5人ぐらいしか落ちないって言われてる面接で俺、落ちて。

今でも覚えてんだけど、その面接で「高崎くん、遅刻と欠席多いね」て言われたの。
けど俺は、高校の卒業資格のために最低限学校に通ってただけだから、行ってない間は自分でデッサンしたり、服作ったりして、勉強をしてたのね。だからその遅刻と欠席は必要だったんですって言ったらすごい怒られてさ(笑)「ふざけんじゃない」って。「君がこれから、やりたいことをやるために、やりたくないこともいっぱいやらなきゃいけないんだよ」って説教されて。

俺、その意味が全く分かんなくて。
それは全く間違ってると思いますって言ったら「分かりました」って言われて見事に落ちちゃったんだよ。

受かってたらどうなってたんだろうね。でも、その時にしてたデッサンの勉強が今活きてる。
20代の頃はグラフィックデザインとかも結構やって、プロフェッショナルのアーティストとして自分を自覚し始めたのは30歳くらいからかな。その時からクライアントワークは一切やらないって決めて自分が描きたいものだけ描いてる。


_今の仕事を始めるのに不安はありましたか?また、それはいつ乗り越えましたか?
不安は皆無だったね。全くなかった。だって自分が何をやってるのか、分かってなかったから。

アートとかプロフェッショナルのアーティストってなんだって考えるようになったのは本当にここ数年のことなんだよね。
そういうマインドになってきてから、ある程度不安とか恐怖について考えるようになったけど、最初は何にも考えてないから全くない。


_あなたにとって仕事とは?
全く意味のないものに意味をつけること。

アートって言ってしまえばゴミだしね。
環境破壊に加担してる人間の1人だし、特に油絵とか、キャンバスを使う平面のペインティングって、物としての役割はほぼないじゃん?
こんな平たくて薄くて、表面ボヨンボヨンで、彫刻みたいに腰掛けるとか機能性もなくってさ。

だからこそ、そこにどういう価値を人間の脳みそで付けられるかは、超人間的行為だと思うよ。価値をつけないと自力では立っていられないペインティングという物体に思考を巡らせる。それってすごい人間らしいことだと思う。

俺自身もね、何を描きたいか分かるために描いてるから。自分が誰なのか、どういう性格をしていて、何を考えてるのか知りたいから、作ってるんだと思う。そういう思考のきっかけになるものの作成が仕事かな。


_自分自身をいい状態に保つためにしていることや、習慣はありますか?
自分の習慣にはまらないようにしてる。なるべく同じことをやらないようにしてんのね。

例えば、左手とか口で描いてみるとか。
スタジオまで毎日同じ道で来ないとか、交通手段を変えるとか。
スタジオのレイアウトを変えたり、今飾ってるペインティングを全部外して壁をまっさらにしてみる…。

そういう頭のエクササイズになることをして、リフレッシュさせることが定期的な習慣かな。

でもここ数年、スタジオに来たらまず最低でも5枚とか6枚ぐらいは必ずドローイングしてる。
それもペインティングする前の準備運動みたいな感じだね。あと、それをなるべく捨てないっていうのも決めてる。勢いで描くから「何これ?」っていうものもよくあるんだけど、それを嫌だから捨てるんじゃなくて、なるべく取っておく。

それが365日間分のたまって、あとで見返したらまた発見があるかもしれないしね。


_発想やクリエイティビティの源泉は?
俺は結構、テキストからインスピレーションを受ける。例えばだけど、ホモサピエンスの本だと、猿とかをイメージするし、誰かとの会話の中でビジュアライズされるものもある。それをキャンバスっていう同じ文脈の中に載せると、ストーリーがでっち上げられて絵になるんだよね。

同じステージの上に乗せることでそこにあるものを比べられたりするじゃん?無理矢理そこに意味を観る側は考える。
答えはないけどね。そうやって誰にも解けないような問題を作ってるんですよ。


_仕事をやり続ける原動力は?
原動力というより中毒って感じかな。
むちゃくちゃいい作品ができたときに得られる快感がやばいんだよ。
本当に自分でいい作品ができたって思えることは毎回じゃないんだけど、それができた日の夜は「あーー、よかった…」って最高の満足でベッドに入れんの。

その気持ちよさが、スタジオに来て何かを作ることに集中していると、月に1回、ラッキーだったら2、3回は来るって知ってるから、逃れられない。あれは本当に気持ちいい。ショーを開いて、来てくれた人が「いいね」とか言ってくれるよりもぜんっぜんいいっていうか。それはもう、すごいですよ。


_今日までに学ぶのに最も時間がかかったことや教訓を教えてください
何ごともマスターしたことがないから、はっきりとは答えられないけど…子供かな。あれはやばいよ、モンスター(笑)

でもどんなことも、今も学んでる途中だね。だから学校も行きたいと思うしさ。住むところを変えて、新しい連中と、またいろんなことを経験したいとも思ってる。

それはアーティストとして何をしたいのか分かる手助けみたいな材料だと思うんだよね。全部、in progress(進行中)。


_成功と失敗の基準は?
失敗はトライしないことかな。
…俺にとってはね。

息子にご飯を食べさせる時にさ、「アドベンチャーバイトだ」っつって、1回は試してから好きか嫌いか決めろって言ってんの。
納豆を食べる時とか、見た目とか匂いがいいわけじゃないから「ヴーーッ」とか言って顔をしかめるんだけど、ダメって。トライしてから決めろって。

でも、俺はそれがいいと思ってるけど、彼が見た目でジャッジして、食べたくないと思うんだったら一生食べなくても、本当はいいんだよね。だからトライしないことが失敗だっていうのは、全員に当てはまるわけじゃないとは思うけど。
俺の自分の人生に関しては、思いついたり、興味あるものは全部トライしてみないとダメだとは思ってる。

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