こどもの頃
母と外食に行くと
わたしよりも先に母の頼んだ食事が運ばれてくると
「先、お母さんのちょっと食べる?」と
わたしの方に母のオーダー品とお箸がまわってきた
「うんっ」なんて言って
無邪気に母より先に母の食事を
自分のが運ばれてくるまで食べていたわたし
鍵っ子だったわたしは
お母さんなんて、いつも仕事で居ないし
もっと愛情くれよ
と心の底で思ってひねくれぎみに育ったけれど
そんな所々に
母の愛情はちゃんとあふれていたのだ
40歳も過ぎて
自分も親となり
娘にも同じことをしている自分がいる
「先に食べていいよ」
と
箸を渡して
母はいそがし