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短篇小説

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とても短いストーリーなので、あっという間に 読めるかと思います♪
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#短編小説

「持たない男」

「持たない男」

暑い夏の午後、私と彼は喫茶店の中に居た。
古い建物の周りに蔦の絡まるこの純喫茶は、エアコンが程よく効いている。

私は週末になると、この純喫茶へ電話をかけて、彼を電話口へ呼び出してもらう。
「今から行くね」
「うん、待ってるよ」

何故、お店に電話をかけるのか。
それは彼が携帯を持たないからだ。
今年で平成も最後だというのに。

彼は、徹底して物を持たない男なのだ。

以前は営業職という職業柄、携

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