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思い出したことをつらつらと…

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亡くなった両親や昔懐かしい風景をふと思い出す時…
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フリースベスト

フリースベスト

たまに実家に行くとおかちゃん(母)はとても喜んでくれた。
そして買い物に連れてってほしいと言う。
いつも自由に買い物も行けず、着るものや食べるものを選ぶことは おかちゃんにとって楽しみであった。

田舎には安いファッションセンターがあり、よくそこへ行った。
おかちゃんはすごく迷う人だ。
「あ〜 案が切れんわ、オマエが選ってくれ」
と言う。
案が切れないというのはたぶん方言なのかな、迷って決められ

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お正月が苦手だった

お正月が苦手だった

母と遊びたかった

「あぁ… また正月が来るのぅ…」
母はうんざりしたようによく言っていた。
父は長男だった為、お盆、お正月、お祭り、法要等々何かの行事の時は親戚が大勢訪れてきた。
母は大勢の人が寄ってくるのが好きではなかったようだ。
私も叔父や叔母、従兄弟たちでも誰かが家に来るとすごく緊張したものだ。

年末になると母はおせち料理を作り出す。
棒鱈、里芋、黒豆、昆布巻き…
棒鱈はカチカチのもの

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おかちゃんの誕生日

おかちゃんの誕生日

母のことをおかちゃんと呼んでいた。
友達は「おかあさん」「おかあちゃん」たまに「ママ」と呼んでるのに、うちは何故か「おかちゃん」、だから人に言うのが恥ずかしくて人前で呼べなかったし、
「あんこちゃんはお母さんの事 なんて呼んでるん?」と聞かれてもなかなか答えられなかった。

おかちゃんと私は同じ誕生月なので、いつも自分の誕生日が来ると幼い頃を思い出す。
今回は思い出と今の思いを書いてみたい。

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彼岸花の咲く頃   昔と今

彼岸花の咲く頃 昔と今

「彼岸花は家に持って入ったらアカン!」
亡き母の言葉はいつまで経っても忘れられない。
真っ赤な花は家の中に入れると火事になると言う。
知らなくて彼岸花の束を喜んで抱えて帰ったら、ものすごく叱られた。
後で火事になったらどうしょう…💧としばらく子供ながらに怯えていた。
幸いにして火事にはならなかったのであるが。

私の子供時代は田んぼは何処の誰の田んぼであっても気にせずに入り格好の遊び場となってい

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