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安心してください。成長してます。

 今日も今日とて柔術は楽しい。今日は見えにくい成長について。かつての自分に伝えたい内容です。成長を感じられなくて悩んでいる方の励みになればうれしいです。


柔術は強さを相対的にしか測れない

 対人競技は強さを相対的にしか測れません。特に組技格闘技は顕著にそれが現れます。例えば陸上のような対人でない競技は実力が分かりやすいです。球技の野球では、相手がいくら強くてもピッチャーがいい球を投げたり、バッターがいいスイングをすることは可能です。組まない打撃格闘技はキレイなフォームやスピードやパワーは出すことが可能です。(相手が強いとプレッシャーやフェイントで動けないということもありますが物理的には自分の動きをすることはできます。)
 ところが柔術の場合、相手が強いと自分の動きを出すことすらできなかったりします。技のエントリーすらできません。実力差があると文字通り何もできなくなるのです。「柔術の強さ=相手をコントロールする技術」なので、相手が強すぎる場合は強さが分かりません。
 なので、成長しても道場にいる人が強すぎると成長を感じられないことが多々あります。そんな時でも自分の成長を実感するための考え方を書いていきます。

スパーで成長を感じるのは難しい

 格上の人にやられる。これは当たり前のことです。1年猛勉強してもペラペラになったり、洋画を字幕なしで理解したりするのは難しいです。それでも英語ならテストや簡単な会話などで自分の成長を感じられますが、柔術ではそれが分かりづらいです。

 まずはスパー以外の部分で自分の成長を感じましょう

・スパーの本数が増えてスタミナがついた
・ソロムーブや打ち込みで動きが良くなった

 初心者の頃は、体力的な部分やムービングで成長を感じやすいです。とりあえずスパーの本数やソロムーブや打ち込みで成長を感じましょう。

 しかし問題はスパーです。いつまでたってもやられていたらつまらないし成長を感じられません。自分より弱い相手が入ってくるのを待つというのも手ですが、今回は格上相手でも成長を実感するための考え方を書いていきます。

ディフェンスの中で成長する

まずはディフェンス

 格上相手にはまずディフェンスから意識するのが大事です。それがお互いにとっていい練習になります。フィニッシュに近い状況は、自分のできる選択肢も少ないですが、実は相手の選択肢も少ないです。展開が限定されるため実力差があっても攻防が成立します。

 格上からポイントを取ったり一本を取るのは難しいです。ならばまずはやられないよう頑張りましょう。1回のスパーで一本やパスされる時間が伸びたり本数が減ったらそれは成長です。

<やっつけるのは難しい。簡単にやられないよう頑張る>
・やっつける→超難しい
・やられない→難しい
・簡単にやられない→なんとか・・

安心してください。同じやられ方をしないなら成長してます。

 「同じやられ方をしなくなった、色んなやられ方をするようになった」は立派な成長です。安心してください。格上の相手とのスパーで目指すのは「簡単にやられないこと」=「いろんな方法でやられること」です。

 「相手の引き出しをたくさん出させる」「格上の相手にとって、いろいろ試せるいい練習相手になる」といったマインドでスパーをすると相手にとっても自分にとってもいい練習になります。なのでスパーではいろんなディフェンスを試してみましょう。そしたら格上の相手はそれに対する新たなアタックを見せてくれます。

 ディフェンスが大事だからといって、カメでずっと固まったり、クローズドでクリンチして動かなかったり、トップでひたすらグリップカットしてるだけではあまりよい練習になりません。相手のリアクションを引き出せません。自分なりに考えて動いてディフェンスしてみましょう。(カメやクローズドを崩すのも練習になりますがそれしかやらないのは成長につながりません)。

まとめ

・柔術は成長を感じるのが難しい
・まずはスパー以外のフィジカルやムービングで成長を感じる
・スパーではディフェンスを重視する
・スパーでは「同じやられ方をしない」ことを意識する

 極論を言えば、格上の相手にはどうせ勝てません。勝てない格上の相手に無理に勝ちにいくスパーをしても収穫はありません。無理にパワーで勝ちに行けば相手もパワーで制圧するモードに入ります。
 
勝つ気持ちは大事ですが、現時点ではどうあがいても勝てない相手というのはいます。それに無理に勝とうとするのは負けず嫌いというよりも実力差が見えていないだけだと思います。そもそもスパーに勝ち負けはないです

 手を抜けとか力を抜けとかいう話ではなく、大事なのは「相手のいろんなリアクションを引き出す」ということです。その結果、スパーでいろんな方法でやられたら、それは成長です。いろんなやられ方をしていることはテクニックの上達にもつながります。

 「いつもやられていてずっと成長できてんのかなあ」と感じている方が、この記事を読んで前向きな気持ちになれたら嬉しいです。

2024/1/25 アンディ











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