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ニュージーランドでワーキングホリデーしたい人へ、到着10日目の人から。

ニュージーランドでワーキングホリデーを始めて1週間経ちました。年齢は29。当然仕事(教員)を辞めてきています。せっかく人生に1度しかない貴重な経験をしているので、自分の今後の記録のためにも、これからワーキングホリデーを考えている人のためにも、少し面倒ですが頑張って色々書き残しておこうと思います。


きっかけ

妻のアイデアです。妻が何年も前から海外に住みたいと考えてました。今までずっと「冗談言うな笑」とあしらってましたが、まぁ、いろいろな葛藤がありつつも、自分の行きたい気持ちを認めて勇気を出しました。(この辺が気になるところでしょうが、本当に長くなるのでこのくらいで。いつか書くかも?需要ある?)

英語力

センター試験(今は共通テストに代わってますが)で150点ちょい取れるくらいです。あれから10年、ほぼ英語力は変わっていないと思います。特に会話なんてしようもないので、スピーキングとヒアリング能力は酷いもんだと思います。実際、NZに来てからスピーキングとヒアリング能力の無さに苦労しました。ていうかしています。

費用

僕たちはエージェントを通しました。「3ヶ月間のホームステイ費用、語学学校の学費、エージェント費用(実質無料でしたが)」をまとめて払って200万くらいです。そして口座にまぁ大体同じくらい残ってます。当然ですが口座にお金はあればあるだけいいです。ぶっちゃけ、口座にお金が残っていない生活を想像できません。僕たちはハーフステイという形式でホームステイしているので、朝食や昼食は自分で用意しています(食材は言えばくれるのでしょうが、さすがに何から何までというのは気が引ける)。それに、お菓子やジュースなどの嗜好品は自分たちで好きなように買いたいものです。ハーフではないホームステイの人たちにも、昼食は自分で用意している人はいます。

語学学校

自分が通っている学校の例でしかありませんが、結構充実しています。校内は英語オンリーのルールをみんなで楽しく守っています。授業も相談も全て英語。もし何か母国語で相談したければ敷地外に出てしゃべります。最初に簡単なテストがあり、レベル別に分かれます。授業は午前3時間(うち30分は休憩)、午後3時間(同様に、うち30分は休憩)です。まぁ高校や大学に比べれば圧倒的に楽です。そして楽しいです。平気で遅刻してきたり、勝手にトイレに行ったり、分からなければちゃんとすぐに質問したり、文化の違いを感じます。しかも、母国語によって発音にかなり差があったり、文法が似ている言語を持つ人はスラスラ喋れてたりします。学校の持つ全レベルのテキストにアクセス可能で、しかも英語に聴き慣れてしゃべり慣れられます。そして何より、友達ができやすいところが大きいと思います。毎休憩時間や昼休みにいろんな人と話すタイミングができるので、通い始めて1週間ですが10人以上の知り合いができました。年齢層はかなり幅広いですが、そもそも年齢を気にする雰囲気はまったくありません。ちなみに日本人も多くいます。同じ県出身だとなんか知らんけど嬉しくなって盛り上がります。

ノリとジェスチャーで行けるやろ精神の人へ

これ多いんじゃないでしょうか。「英語にはちょっと自信はないけど、外国人は明るくて優しいから、拙い英語でもノリとジェスチャーでなんとかニュアンスは伝わって、なんか楽しく嬉しい気分になれるんじゃない!?」みたいな。分かります。。が、ぶっちゃけ厳しいです。想像してみてください。あなたが店員で、外国人(NZに多い白人だけでなく中東系、中国系、黒人系も想像してみよう)が、日本語を少しも分からず、なんかハイテンションで楽しそうに話しかけてくるけど、細かいルールをいまいち理解しておらず、説明してもほとんど伝わらないところを…。だいぶしんどいと思います。向こうもそんな感じです。勉強してないんかい…みたいな。露骨に避けたりしないけど、だいぶめんどい、みたいな感じになります。特に日本人の発音はカタカナ英語感がすごくてかなり伝わりにくいですから。。。
しかも、NZは、相手が話している時は黙って笑わずに聴くのがマナーです。にこやかにはしますが、ヘラヘラした笑いはほとんどありません。言うなればあれです。新人お笑い芸人がハイテンションで頑張ってるけど全然面白くなくてシラけてる雰囲気です。あれそのものです(笑)。あれに耐えられるならOKですが、もしそうなら海外に行くのではなくNSCに行ったほうが才能は光る気がします。特にホームステイでの晩ごはん。英語ができなければ、食べ終わるまでナイフとフォークが皿にぶつかる音を楽しむか、google翻訳を使ったテンポの悪い会話を頑張るか、ホストファミリー同士の会話を聞きながら何を言ってるか分からず曖昧な笑みを浮かべて終わるか、です。ちなみに僕らはこの3つ全部です笑。ホント、勉強してきたほうが良いに決まってます笑。ホストファミリーにも寄るかもしれませんけどね。わりと「ホストファミリー同士の会話が全く分からず、ポツン感がすごい」というのは語学学校の中での超あるある話なので、気にすることはないかもしれません。個人的には恥ずかしさとかそんなことどうでも良いから勢いで来て人生を楽しめ、と思います。(あ、だけどお金だけはシッカリないとムリ)
まぁ、語学学校の中でならジェスチャーとかはイケなくはないかもですが、愛想笑いやヘラヘラ笑いがないのは万国共通なので、ワリと悲しい、というか寂しい思いをするかもしれません。

海外生活で新しい自分を…

見つけようとする人も多いかと。僕らは他人を通して、初めて自分がどんな人間かを理解することができます。なぜなら人間性というのは相対的なものだからです。絶対的な優しさや開放性というものは存在しないので、他人と比較して初めて自分の位置や程度を確認することができます。海外という新天地に行くと、自分を映す鏡(他人)を一新、総とっかえすることになります。知らない価値観を持つ人々に囲まれることによって、自分という人間性が持つあらゆる順位が更新されます。例えば僕ら日本人は、比較的時間を守り、公共の空間を大切にします。なので語学学校の中ではマジメに授業を受け、ゴミを残したりしません。この辺りでは上位になるでしょう。だけどあなたの意見は?と言われた時に自分の意見をスパッと自信を持って言うのに慣れていませんし(僕らは大抵中庸や複雑さを大切にしたがる)、授業中に「誰か週末のエピソードは?」と尋ねられたときに率先して楽しいエピソードを話したりはあまりできません。これが吉と出るか凶と出るかは人によるでしょう。

何より知っておいたほうが良いのは、どんなに鏡の種類を変えても、見えるのはあくまで自分です。結局、自分という人間性にとことん付き合うことになるのです。違いはよく見えるようになるか、新しい角度で見えるかだけなのです。気になっていたホクロが見えなくなるか、見えなかったシワに気づくか、10円ハゲを見なくて済むようになるか、背中に可愛い羽が生えていたことに気づくことになるかは、あなた次第だと思います。だけど間違いなく自分という人間に対する解像度は上がります。国内で居場所を変えるよりかは違う次元で遥かに上がります。

個人的にこれは大切なことだと思います。リンゴとバナナを食べてバナナの方が好きだと考えるより、リンゴとバナナとナシとキウイを食べた上でバナナが好きだと言いたくはないですか。僕はそうです。みんなが「やめとけひどい味がするぞ」と言うドリアンを食べたら、「うめえ!」となる可能性だってあります。あれ?なんかいい話してるっぽいけど、話ズレてない?
まぁ、これを読んでる人へ。行きたいんでしょ?行けばいいやん。行けばわかるさ。それでええやん? アントニオ猪木もそう言ってたよ。笑

ネルソンってどんなところ?

ドチャクソ良い田舎町です。以上。笑。
僕は日本で家を買うことを考えていたとき、山と海に囲まれた、人里離れた、駅から徒歩20分圏内のところに住みたかったので(クソ贅沢笑)夏休み中県内をウロウロしていました。結局そんなところが見つかるはずもなく半分絶望していました。が、空港を出たらそんな街がありました。いきなり見つかりました。僕のエデンはニュージーランドにあったようです。あ、駅はないですけど。
当然田舎なのでモノに溢れてはいません。少なくともApple storeはありません。リアルなラインで言うと、マックが市街地に1軒ありますがクリスピークリームドーナツはありません。ですが住宅地では人々はすれ違うたびに微笑み、近くの山ではHow are you?的な小会話を交換します。ドライバーは微笑んで道を譲り、皆が街を愛しています。差別もありません。確かに仕事は少ないです。老人は多いです(リタイア後に住みたい街ナンバーワンらしい)。ワーホリで来ているから良い街なのかもしれない。金持ちと、仕事がある人しか住んでいないから良い街なのかもしれない。だけどお金と仕事があって、モノに人生の幸せを見出さない人であれば、ほとんど100%の人がこの街に住もうと思うのではないでしょうか。そのくらい良い街です。
なんていうか、地球上の日本以外に、こんなに良い街があったことに安心しています笑。人類に希望が持てるというか笑。いや、これは知見が狭すぎるのは分かっていますし、この平和が金銭面での余裕から来ていることと、文脈を共有しない者同士が距離を近づけることにメリットが構造的にあまりないことも理解しています。それを含めて、今のところ良い街だと感じています。

自分にとってワーホリが現実的かどうか分からないでいる人へ

これに関しては、きっとあなたは出発する直前まであらゆる記事を探して読むことになると思います。不安が他人の記事によって解消されることはきっとないです。あったら怖い。アグレッシブすぎる笑。バックパッカーイケるひと笑。
仕事を辞める不安、治安の不安、仕事ができるかどうかの不安、友達ができるかの不安、金銭的な不安、帰国してからの評判の不安、友人からのイメージの不安、結婚と出産の不安。。。尽きません。しかも考えれば考えるほど不安が大きく感じられ、出国自体がものすごい重大なリスクに感じられるようになってきます。
あれですあれ。「あの人に話しかけたいけど話しかけても良いかな?でも嫌だったら…あぁ…やばいめっちゃドキドキしてきた…あと10秒したら行くぞ…行けねえ…うおおお…」で結局タイミング逃す、みたいなあれ。まさにこれ。

ただ一つ言えるのは、あなたはワーホリ(というか海外生活)に興味があり、その興味は行くまで消えてくれないということです。行ってみて、失敗するか成功するかしないと、一生「うーん行ってみたいなぁ…」と思うことになり、Youtubeやインスタのショート動画で海外の様子をみて「ホエー」と思うだけになるのです。

嫌な言い方になってしまいました。でもその通りだと思うのです。それに耐えられるかどうか、です。僕は耐えられませんでした。一生は一回しかないのに、天国にお金は持っていけないのに、世界はこんなに広いのに、命は大事だけどされど命なのに、日本しか知らずに終わることに耐えられませんでした。僕は根っからの教員です。僕が生徒だったら、目の前には海外に住んでみたことがある人に絶対に立ってほしい。。。これはつまるところ優先順位の話です。僕が資格職だからできただけなのかもしれません(当然正規採用に戻るのが難しい可能性もあります)。

理性は感情を弱めます(というか、感情を抑えることができるものが理性だと僕は定義しています)。なので、理性で考えることによってその迷いは解決しません。考えれば考えるほど、馬鹿げたアイデアだと感じられてきます。なぜなら職を辞めて海外に飛ぶことはリスクが多すぎて合理的にならないからです。リスキーな判断を冷静にすることは心理的に不可能です。どこかの時点で感情的に決断する必要があります。それか、僕のように「そんな合理的ではない決断をして海外に飛ぶ経験を得ることが合理的だ」と合理的に判断するかです(これができるタイプの人はだいぶ少数です)。

今僕に言えることは「少なくともNZのネルソンなら死にはしないよ」くらいです。良いじゃないですか。死ななければ。別にワーホリビザが1年の期間有効だからって、1年いなくても良いじゃないですか。しんどくなったら帰ればいいじゃないですか。職を失っても、生活できれば良いじゃないですか。たくさんのモノや銀行口座でもしもの時を待っているお金たちは自分を幸せにしないと感じているのでは。だからこそ迷っているし、この記事を読んでいるのでしょう。もちろんその判断に責任は取れませんし、僕も10年後に後悔しているかもしれません。だけど、僕らは来なければ一生晴れない迷いを持っている者同士なのです。幸か不幸か笑。楽しいですよ。どうですか。僕は来てまだ10日ですが、すでに満足しています。

だけど、絶対、お金だけは必要です。少なくとも3ヶ月遊んで暮らせるお金は貯めとかないとダメです。帰りの飛行機代を10回払えるくらいないとダメです。これだけは守った方がいいです。とりあえず5400文字も書いてるらしいので、今回はここまで。

Boulder Bank Scenic Reserve付近から。生憎の曇りですが、写っている海岸沿いの道のサイクリングは言葉にならない良さがある。

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