昭和から平成へ 青春プレイリスト(邦楽編)

前半 J-POP

いま、Twitterで「青春プレイリスト」が流行っています。わたしの10代は洋楽とクラシック、インスト中心の音楽生活でした。J-POPは多くは聴いていませんが、子どもの頃から自分の触れてきた音楽を大まかに並べてみました。いわば音楽の履歴書のような感じです。

J-POPと一括りにするにはかなり偏りがあります。前半はまっとうで懐かしいJ-POP。中盤から少しずつ色が濃くなって、後半はわたしのルーツというかオタク全開です。こうして自分の聴きなじんできたものを並べると、アンテナに引っかかる音はさほど変わってないことに気付きました。面白いものです。

① aiko「カブトムシ」
これは言わずと知れた名曲。大胆な転調と切ない歌詞のコンビネーションにすごい才能だと驚いた。

② スピッツ「ロビンソン」
通信カラオケのデータ制作のアルバイトで初めてエディットした曲。音数は少ないがギターの倍音が半端ない。どの音も省略できない完成度の高い曲。

③ MISIA「Everything」
当時ドラマで流れていて、よくピアノで弾いた。サビへの盛り上げ方が極上。MISIAの歌唱力あっての曲。

④ MISIA「つつみ込むように…」
マライアのような「ホイッスルボイス」が気になって聴いてみたら、サウンド構成にハマる。

⑤ 椎名林檎「ここでキスして」
「絶対に好きだと思う」とライブに誘われて初めて聞いた。パンクロック系はほとんど聴いていなかったので新鮮。ディストーションギターのように金属的なヴォーカル。

⑥ 椎名林檎「本能」
ライブではナース姿に拡声器を持って現れた林檎さんを見て「この人おもしろいかも!」と一気に興味を持った。

⑦ 椎名林檎「丸の内サディスティック」
カラオケに行くとこになり、「歌舞伎町の女王」や「本能」を歌うとみんなドン引きする。なので無難なのを選ぼうとこれを覚えることに。よく聴くとコード進行がカッコ良くてハマる。色んな人がカヴァーしていると知り、YouTube巡りするうち藤井風さんと出会った。


⑧ スターダストレビュー「夢伝説」
LAサウンド、TOTOやデビット・フォスターなどAORサウンドを勉強していた頃にふと聴いてハマった。アレンジとミキシングの空気感がさわやかな名曲。

⑨ スターダストレビュー「Stay My Blue~君が恋しくて~」
イントロのベースラインが印象的。曲の展開やメロディーの盛り上げ方が素晴らしい。緻密なアレンジ構成がとても美しい。これもAORバラードのお手本のような曲。

⑩ 安全地帯「じれったい」
歌唱力、ソングライティングにおいて玉置浩二さんほどの方はなかなかいない。唯一無二の才能。サビのメロディーのリズム感にぴったりな言葉「じれったい」を持ってきた松井五郎さん恐るべし。藤井風「何なんw」のサビのリズム感と同じものを感じる。

⑪ 安全地帯「Too late Too late」
レイ・チャールズも歌っている名曲。こんな英詞のバラードもしっとりと歌い上げる歌唱力に圧倒される。

⑫ 崎谷健次郎「もう一度夜を止めて」
サビ部分がTVCMで流れてきて美しさの虜に。イントロの浮遊感のあるコード進行と転調するメロディー、泣きのストリングスアレンジが素晴らしい。

崎谷氏は米軍キャンプでピアノを弾く父親の影響で、幼少時よりジャズに親しんで育つ。バックグラウンドが少し藤井風さんと似ている。音大の作曲科で学びキーボーディストとして活躍。後にプロデューサー、作編曲家として数々のアルバムを発表している。
ライブでは東京事変に加入する前の亀田誠治氏がベース、元筋肉少女帯のキーボーディストの三柴理氏がバックミュージシャンを務めていた豪華なステージだった。

⑬ 崎谷健次郎「毒のように甘く」
映画「蜘蛛女のキス」から着想を得て書いた曲らしい。サンプリング音のループ(JBだろうか)にジャジーなベースライン、お洒落なブラスアレンジは古さを感じさせない。

⑭ 崎谷健次郎「科学的恋愛」
打ち込みサウンド全盛期のサウンド。ギターのループで始まるイントロやハウスミュージック黎明期によく使われたリズムマシンローランドTR808の音色を使っている。ヨナ抜き音階とセブンスコードを使用。

⑮ 鈴木雅之「ガラス越しに消えた夏」
言わずと知られた名曲。日本のR&B界を代表するシンガーの切ないバラード。

⑯ DOUBLE「BED」
日本人でR&Bをこんなにも濁りの無い声で歌える女性がいたことに驚いた。関ジャムにもたびたび登場するR&Bの草分け的存在、松尾潔氏がプロデュース。

⑰ DOUBLE「For me」
筒美京平氏プロデュース・作曲。歌い出しの優しいメロディーとコード進行、歌詞と自然にマッチするメロディーラインに筒美さんを感じる珠玉の一曲。

⑱ ピチカート・ファイヴ「東京は夜の七時」
細野晴臣氏が絡んだ“渋谷系”として流行っていたこと、野宮真貴さんがファッションアイコンとして注目されていたこともあり聴いていた。

⑲ Mondo Grosso「Laughter in the rain」
ニール・セダカのカヴァー。ジャジーなラウンジ系にハマっていた頃。バンドでコピーするかもと言われ勉強のために聴いた。Kyoto Jazz Massiveなども聴いていた。

⑳ Mondo Grosso「FAMILY」
同上

㉑EGO-WRAPPIN’「くちばしにチェリー」
同上。藤井風さんのライブバンドメンバー真船勝博氏がサポートメンバーだったバンド。ジャジーな昭和歌謡風でかっこいい。


㉒吉澤嘉代子「地獄タクシー」
 ピコ太郎古坂大魔王氏がすごい才能だと推していた。聴いてみたら独特な詞の世界に魅了される。

中盤 テクノポップ

㉓TOWA TEI「TECHNOVA」
 YMO、坂本龍一氏からの流れ。サンプリングのループビートとベベウ・ジルベルトのベルベットのようなヴォーカルが心地よい。

㉔TOWA TEI「HAPPY」
同上。ヴォーカルはベベウ・ジルベルト

㉕TOWA TEI「PRIVATE EYES」
ホール&オーツのカヴァー。ヴォーカルはベベウ・ジルベルト

㉖GEISHA GIRLS 「Kick&Loud」
テイトーワダウンタウンのコラボ。トラック自体はとても尖っていてカッコイイ。歌詞が関西弁でとてもユーモラス。

㉗YELLOWMAGIC ORCHESTRA「君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-」
 たくさんあるYMOサウンドの中でも格段にPOPで親しみやすいナンバー。メロディーはヨナ抜き音階。心が浮き立つような透明感のある明るく楽しいアレンジ。

㉘YELLOWMAGIC ORCHESTRA「音楽」
 イントロからどんどん転調を続けるが、その浮遊感と相反するようなPOPなメロディーが何とも楽しい。間奏でも転調が続く。どうやって原調に戻るかを追うのにハマった。

㉙坂本龍一「A DAY IN THE PARK」
 イントロのコード進行は「丸サ」と同じく「Just the Two of Us進行」。サビのヴォーカルのオクターヴユニゾン、トップノートで鳴るストリングスの刻みはオシャレ系アシッドジャズでよく使われていた。

㉚坂本龍一「Regret」
 これもオシャレ系のアシッドな感じ。エレピのコードとピアノのバッキングはだいたいセブンスコード。エモーショナルで気だるい雰囲気が漂う。

㉛矢野顕子「クマ」
 とても難しい変拍子。ヨナ抜き音階で尺八も入っている。矢野顕子氏が20歳そこそこの時にアメリカで録音されているのには驚き。

㉜矢野顕子「ひとつだけ」
 ライブでは必ず演奏される。歌詞が容赦なく胸にグサグサ刺さる名曲。アッコちゃんはピアノ一台弾き語りライブの最前列で聴いたことがある。本当にピアノと遊ぶように楽しそうに演奏されていた。握手をしてもらった時、ベテランのはずだが手がヒンヤリしていたのを覚えている。場数を踏んだプロもステージでは緊張感を持って挑んでいるのがわかって感動した。

㉝はっぴいえんど「風をあつめて」
YMOのメンバーでもあり、日本のレジェンド細野晴臣氏がベースを担当していたバンドの代表曲。「“風”をあつめて」なんて素敵なタイトル!

後半 昭和歌謡

㉞ゴダイゴ「モンキー・マジック」 実家にレコードがあり両親がよく聴いていた。ドラマ「西遊記」のテーマだったらしい。今聞いても洋楽にひけを取らないグルーヴと演奏技術には驚きしかない。

㉟久保田早紀「異邦人」
これも実家にレコードがあったシリーズ。イントロといい、オリエンタルなアレンジといい他に類を見ない印象的なサウンド。

㊱ジュディ・オング「魅せられて」
 筒美京平氏の作曲。これもイントロが印象的。サビのメロディーの駈け上がるようなフレーズと、その上昇感に沿うようなハープのアルペジオの使い方はさすが筒美氏だと感じる。

㊲石川さゆり「ウイスキーが、お好きでしょ」
 声の美しさと歌唱力ではダントツで好きなシンガー。こんなジャジーなナンバーもしっとりと歌いこなせる。こぶしや揺らしの発声スキルを身につけている演歌歌手ならでは。

㊳石川さゆり「天城越え」
 通信カラオケのデータ作成のアルバイトをしていたときにアナリーゼした曲。作曲の勉強になるジャンルは演歌だと言われた。たしかに楽器はドラム、ベース、キーボード、エレキギターだけではなくストリングスからブラス、和楽器まで種類も豊富。音域や音量のレンジも広く、ミュージシャンの演奏テクニックと力量が問われる。


㊴石川さゆり「津軽海峡・冬景色」
幼児の頃、正月に着物を着せられると必ず歌っていたらしい。今でもフルコーラス歌える(笑)。藤井風さんもカヴァーしていたので入れた。ベースがカッコイイ。

㊵八代亜紀「舟歌」
これもなぜかピアノで弾ける数少ない演歌のひとつ。ヴォーカルとベースがとてもグルーヴィでカッコイイ。間奏はテンポが揺れるのでかなり難しい。日曜日に「のど自慢」を観ていて知らず知らずに覚えた曲。

全てが「青春時代」に聴いていた音楽ではありませんが「プレイリスト邦楽編」ということで自分の音楽ルーツを振り返ってみました。とても楽しい時間でした。企画立案してくださったフォロワーさんありがとうございます。感謝を込めて。

この記事に出会われた方で「これ、自分とかぶってる!」という曲があった方、いらっしゃいますでしょうか。曲に関する思い入れやエピソードなども一緒に、ご一報いただけるとうれしいです。

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