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まったくの素人が彫塑(ちょうそ)で藤井風フィギュアに挑戦する<第14回>
毛量が多い!
写真で見ると、とても毛量が多い藤井風さん。この髪形を再現するために大量の毛束を作り続ける日々です。思いのほか、この作業に手間取っています。
なぜ手間取るかと言うと、毛束をほぐすのに時間がかかるのです。
「かぜの髪質、ギッシギシ!!」
「髪の毛がサラサラじゃないラプンツェルみたいだな~」
「うーん、これでもトリートメント剤を塗ってるんだけどね」
毛束、子どもたちにはすこぶる不評です(笑)
風フィギュアの身長より髪のほうが長い ラプンツェルと言うより、平安時代のお姫様のよう
絹糸の原糸は赤ん坊の髪の毛ほどの細さです。少しうねりもあり、まっすぐではありません。染料で染めて下洗いをしたあと、人間用のシャンプーとリンスをしています。
乾いた後にも染み込むタイプのトリートメントをすり込んでいますが、すぐに絡まってしまいます。無理やりほぐそうとすると、切れてしまったり余計にもつれてしまう。小分け作業がなかなかはかどりません。良い方法がないか、義母に質問してみました。
「毛束がほぐれにくくて。小分けするのに時間が掛かるんですが、手早く分ける方法ってあるんですか?」
「そんなのないよ!とにかく焦らずていねいに。優しくほぐしていくしかないわ」
「そうなんですね。てっきりわたしの要領が悪いのかと」
「焦って雑に触るとグシャグシャになるもんよ。これは誰でも時間のかかる作業だから、落ち着いてゆっくりやれば」
「はい」
「単調作業ばかりだと飽きてくるよね。風さんはウエーブヘアだから、直毛の毛束ができたら、コテでクルクルにくせ付けもしないといけないし。合間に風さんの手を作りながら、お顔にメイクでもしてみたら」
藤井風の”第二の顔”とも言える手に取りかかる
ということで、手と指にも布を貼る作業に取り掛かりました。
布の上に手の甲が下になるように置き、中指から貼っていきます。
中指の内側に継ぎ目がくるように布を裁断します。
中指の次は、薬指、小指、人差し指の順に布を貼っていきます。木工用接着剤を水で薄めたものを塗り、はんだごてを当てて密着させます。あくまで一枚の皮膚に見えるよう、布の継ぎ目を表に出さないで貼るのが難しい。
横から見たことろ。親指側と小指側、外側に当たる部分には継ぎ目がこないよう、布のバイアスを意識して貼り進めます。
上から見たところ。手の甲からは布の継ぎ目は見えません。手首から上は衣装で見えなくなるので、多少の継ぎ目が出ても大丈夫なはず。
練習用の頭部にメイクをしてみる
「しかし、ちょっと薄化粧しただけでもかわいらしいね。こうやって改めて見ると、風さんてきれいな顔してるわ」
正確にはメイクしたわけではありませんし、顔のパーツの輪郭を描いただけなのですが、ずいぶん表情が優しく見えます。
「ほんとうに美形ですよね。今まで白目剥いてましたけど、眉毛と目と唇を着色しただけで整った印象になりますね」
薄化粧のとき(ほぼ輪郭のみ)
どちらも同じ石膏型から作ったものですが、少しずつ表情が異なるのが面白いです。
義母が手を入れ、ややバッチリメイクを施された風さんフィギュア
練習用の頭部2体に少しだけメイクしてみました。左側の頭部には毛束をかぶせて撮影。シャドーやチークを入れ、口元や瞳に輝きを入れると表情がいきいきしてくるそうです。義母が水墨画に使っていた顔料を借してくれましたが、風さんのメイク、どんどん濃くなりそうでちょっぴり怖いです(笑)
これから定期的に”藤井風フィギュア”が完成するまでの記録を綴ります。これまでの記録はこちら。
藤井風さんのこと、いろいろ書いてます。
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