短歌初心者が秋の短歌を詠んでみた

短歌の練習をしている経緯はこちらより
夏の短歌

今年、秋、居ました? なんか3回くらいしか秋服着てませんけど。言わずもがな、引きこもってるからですが……。どうも、穴ぐらに引きこもる年中冬眠おねえさん、名倉有夢《あむ》と申します。いつの間にか師走のスタートラインに立たされていて驚きを禁じ得ません。みんな、クラウチングスタートの構え、できてる? 名倉は完全に棒立ちでおろおろしています。師すら走る日々の到来ですが、果たして私は今月を、ひいては今年を走り切れるのでしょうか。
さて短歌初心者のわたくし、夏から秋にかけて、相変わらず向上心の欠片もない人間だもんで特に短歌の勉強なんかはしていないのですが、なんとなく以前より上達が見られるような気がしております。気のせいかな?
ネット短歌をちらほら拝読し、ひとつコツを得たからでしょうか。ズバリ、「論理的な短歌はつまらない」です。上の句を読んでいてもう続きが予想できてしまう短歌からは、あまり驚きを感じませんよね? 短歌とは、31文字でいかにはっとさせられるかの勝負。究極、上の句と下の句に連関なんて要らないのかもしれません。……そこまではっちゃけられませんでしたけど、特に言葉選びの面においてより直感的になるよう、少し意識して詠んでみましたよ。うーん、しかし、まだ固定観念から脱却できていない感じがします。
言うまでもないことですが、短歌は別に季節に紐づけなくてもよいものですので、今回はあんまり秋関係なくね? という内容の首も含めました。そもそも季節を冠しているのは、何かテーマがあったほうが詠みやすいかなと思ったからに過ぎません。殻を破るためにも、日常生活にアンテナを張って色んな題材で詠んでみたいです。
たくさんお薬を飲んでいるので普段はお酒を飲まないんですけど、この秋誕生日を迎えたのもあり何度か口をつけました。あまり飲まないと本当に弱くなるもので、穴ぐらに帰るまで吐き気を紛らわすために考え事をしよう……と思ったときに詠んだ短歌が大半です、実は。おきもちおくすりを飲まず、アルコールを摂取したときにしか生まれない詩情があるようなのですが、クリエイティビティとメンタルヘルスのどちらを優先するべきなのかはなかなか難しいところですね。
さあ、長くなりましたが、よろしければご笑覧くださいませ。

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部屋を暖めても死にたい夕方に落ち物パズル悴む指で

祈りつつ帰る 扉の向こうにはどうか虫などおりませぬように

段ボール縛らず迎える月曜日この失望も縛って捨てたい

うわーーーねむーーーーいまだ遥か天竺は遠く列車は温く

お読みいただきありがとうございました。ご感想やご指導ご鞭撻をお待ちしております。
これは私の癖なのですが、文脈を折り込んだ文言とそうでない文言を混ぜて喋ってしまうため、どれに元ネタがあってどれにないのかわからない、と友人に言われたことがあります。これらの短歌もそうかもしれないなと自分で読み返して思いました。さして実力もないのに、本歌取りやサンプリング、オマージュ、パロディの類が昔から好きなのです。なんだか、簡単に奥行きが生まれるような気がするでしょう? 情報を圧縮したい、短い韻文ならなおのこと。ですが、上手くできていなければただのパクリ。元が伝わらなければ無意味な文字列。なかなか危険な橋を渡っていますね。気をつけたいところです。
では、冬の終わりにまた。

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