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なまえのない道。


家の近所にある、800メートルの農道がすきで。

両サイドに田んぼがあって、真ん中あたりにはベンチがある。遠くにあるまちの風景を眺めながら、のんびり過ごすのにちょうどいい場所。


桜の季節、田植えの季節、稲穂が垂れる頃、稲刈りをしたあと、そして、霧の季節。いろんな季節が訪れるたびに、車を停めて写真を撮る。

今日も朝からすごい霧で、ちょっと立ち寄ることに。


1年を通してすきな場所ではあるのだけれど、道の向こうにパン屋さんができてから、この道のことがもっともっと好きになった。

「目的地」にたどり着くまでの道のりって、なんだかすごくワクワクするじゃないですか。

その道のりがどれだけ険しかったとしても、日本でひとりの職人になる人やエベレストを登る人がいるように、その道がどれだけきれいに舗装されていなくても、足が向かっていくんですよね。


こんな風に、大げさに例として挙げておいてなんですが、命をかけるほど重たいものじゃなかったとしても “いつも” が “とくべつ” になるための「目的」があったらいいなと思っていて。

もちろん「目的」ばかりに縛られてしまうとしんどいけれど、すこしだけ切り替えができるスイッチのようなもの。


––––「アート」はその入り口になり得るのかもしれない。

だとするならば、芸術祭と一緒に自分のなかの感性も育てていけたらいいなと思うんです。「かめおか霧の芸術祭」は一市民としてたのしみたい企画です。

問いを立て、道なき道を進む「アート」の観点と、その道を整える「デザイン」の観点からわたしなりにできることを考えていこう。


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