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「重要なのはリーディング"力"!」ー中途半端な英語習得に終わらないために「読む力」が欠かせない📔📚📕

上記タイトルは、TOEFL(Test of English as Foreign Language =外国語としての英語のテスト)対策を行う「トフルゼミナール」の加藤芳明氏が語った言葉である(2022年10月1日付朝日新聞に掲載) 

TOEFLでは「リーディング力=読む力は重要である」と私も思う。語彙数を増やすことはもちろんだが、知識を増やすためにも絶対必要な能力である。

しかも、TOEFLでは早く読めないといけない。TOEFLのテストは一定時間内で文章を読み、答える。聞いて正しい答えを探すために読む。

というような形式なので一定のスピードで読めないと読み終わらないうちに次に進んでしまうことになる。

その後、大学に進んだらreading assignment (読まなければならない資料)が膨大に課される。ネイティブスピーカーでない学生にはそれが大きなハンディになる。

読む速さが彼らと大きく違う。読んでいかなければ次の授業に影響が出る。だから、読む力をつけることは非常に重要である。読むことは全ての能力の基本だと思う。

中途半端な英語力で終わらないために、「読む力」を徹底的に養う必要がある。

だが「読む力」をつけるには、地道な努力が必要である。早道はない。ここからは私の経験談である:

私の3人の娘はボルネオで生まれ育った。私が働いていた関係で3人とも生まれて1ヶ月後に保育園に預けられ、英語、マレー語、中国語が飛び交う環境で育った。この時期はバイリンガルだったのかトライリンガルだったのか、今となっては判別不能。

本格的に英語教育を受け出したのは、長女が4歳になった頃クアラルンプールに引っ越し、イギリス式教育に基づく幼稚園に入学してからである。

ここはいわゆる英国式の「お勉強」をさせる幼稚園でちょっと抵抗があったけど、英語教育は母語として英語を話さないうちの子にはとても良かった。リーディング用の英語教材が実によくできていた。

“Ladder Book”(Ladderは、ハシゴの意味。つまりハシゴを登るみたいに徐々に読む力を伸ばしていくように教材が作られている)と言って、まずは単語一つだけの本から始まる。”A for Apple”のように。”A”は「ア、ア、ア」と発音させるようになっていた。

次は、その覚えた単語だけを使って2語文になり、動詞、形容詞、副詞が導入されセンテンスになる。”Run,run,run”から”Run fast, run””I run, you run, he runs, she runs”という風に。

制限された単語数で話が作られており、次のレベルではさらに単語数が増えるようになっていた。

余談であるが、昔、英会話の先生が「英国で働くメイドさんの語彙数は500語位だ」と言っていた。つまり500語を駆使すれば十分会話ができるということだ。

長女が家に持ち帰ってくる本を必ず一緒に読んだ。下の娘2人にも読ませるようにその教材をコピーさせてもらった。学齢になると長女はアメリカ式教育を行うインターナショナルスクールに入学した。

ここでも同じようなリーディングプログラムがあった。ここでは”Box Book”と言って、市販の絵本を語彙数や内容の難易度でレベル分けして箱に入れられていた。

Box1から24〜5ぐらいはあったのではないだろうか。先生が授業をしている間に、生徒は1人ずつ自分のレベルのBoxから好きな本を選んでボランティアのお母さんと一緒に本を読む。

すらすら読めて内容が理解できてるとお母さんが判断すれば、次のBoxに上がれる仕組みだ。私もこのボランティアは楽しんでやった。娘に会えるから。

この“Box Book”も毎日家に持ち帰って来るので、必ず一緒に読んだ。私は娘たちの読んだ本の記録を取ってある。

ほぼ毎日読んでいたので、3人とも年間数百冊は読んでいる。最近、その記録したノートが数冊出てきた。すごい数であった。

娘達を褒めてあげたいのはもちろんだが、私もよく一緒に付き合ったものだと感心している。ほんの一例:

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日本に帰ってきて3人がアメリカンスクールに入学した時、三女はまだ5歳の幼稚園生だった。

すでに本がすらすら読めたので、クラスのネイティブスピーカーのお母さんに驚きを持って尋ねられたものだ。「リーディング」を重視していた学校の教育システムのおかげである

子供に無理じいせずに、楽しんで本を読む習慣をつけるのが良い方法だと思う。

娘の学校の先生が言っていたことが思い出される。「人生のほとんどは習慣で成り立っている。良い習慣を身につけることは良い人生を送るための重要なカギである」と。

日本の書店にも”Ladder Book”形式の読み物があると思う。いきなり原書は無理でも自分の力にあったものから読み始めたらいいと思う。

今まさに読む力の重要性を実感している。この力はその後の人生を生きる支えになっていると思う。



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