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『それでも旅に出るカフェ』も面白かったので紹介したい!

以前noteで紹介した近藤史恵さんの『ときどき旅に出るカフェ』。今年発売された続編『それでも旅に出るカフェ』を先日読了したのですが、こちらも前作と同様、好奇心が高まる内容ですごく良かったので紹介します!

(前作の感想はこちらから)

物語の舞台は、旅好きの店主・まどかが世界各国で食した料理を再現して提供するお店「カフェ・ルーズ」。前作ではふとしたきっかけでカフェ・ルーズの常連となった瑛子が、円の作る様々な国の料理を堪能しつつ、身近で巻き起こるちょっとした謎にも向き合っていく様子が描かれました。

今作も世界各国の料理にまつわるネタが充実しており、行ってみたい国や食べてみたい料理がまたまた増えました。

オランダではフライドポテトにマヨネーズをつけるという話は『おいしい旅 初めて編』の短編にもありましたが、今作ではそれに加えてサムライソースなるマヨネーズと唐辛子のソースが出てきてすっごく食べてみたくなりました!

あと台湾スイーツが好きなので、湯圓タンユェンのキンモクセイシロップがけも読んでいて気になりました。いい匂いのするキンモクセイ、一体どんな味がするのだろう?

また今作は時事ネタも多く、物語の冒頭から感染症の流行で窮地に立たされるカフェ・ルーズの様子が描かれていました。カフェ・ルーズの今後には私も心配になりましたが、円はキッチンカーやオンラインショップと新たなコンテンツを取り入れて世界中の「おいしい」を届けることを選択し、ピンチをチャンスに変える姿勢はなんだか彼女らしいなと思いました。

他にも世界各国の食を通して日本における社会の課題について考えさせられるエピソードもいくつかあり、学びとなる要素が今作は濃かったです。パンデミックや戦争と不安に溢れる世界だけど、そのような中で楽しく旅ができること、美味しい物が食べられることがどれほど尊いことなのかを忘れないで好きなことを楽しみたいと強く感じた今回のお話でした。

瑛子や円にまた会えたのは嬉しい一方で、1作目では想像もつかなかった事態が描かれた続編。いつか3作目が出るようであれば、自由に旅ができるようになった話など楽しい話題も少しずつ増えているといいですね。

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