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思考

窓が鳴いている
朝だね。と私は言う
こんな瞬間をなぜ尊いと
思うのだろうか
きっと何かの洗脳なのだ
私はストーリーの主人公で
朝陽が照らす私の凹凸は
白く眩しい光でできている
鼻で笑う。主人公はニヒルな女
に成り代わる
私はいつだって何かを模している
まるのままの自分じゃ
お話にならないと分かっているから
憧れと洗脳とでは深度が違うし
角度も違うけれど
少なからず洗脳されている
何かに模した自分に陶酔している

窓が泣いている
 。と私は言う
瞬間がただ滴っていく
枕をのけて掛け布団をめくって
机の上をさらっても
どこにも私は居なかった
そうか。光がなければ存在すら
失くなる それを価値と履き違えない様
私は文字をおこす
心を写生し私を形造るのだ

そうだ、私は
雨粒と共に産み落とされたのだった