雨宮そら

日常のなかで気づいたことや感じたことを つらつらと書いております📝

雨宮そら

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マガジン

  • 連載小説『ぬくもりの朝、やさしい夜』

    ずっと温めつづけている物語です。しばし扉を閉めておりました。でもまた動き出しそうなので書いてみます。どこに辿り着くのか見守ってくださると嬉しいです。

  • 創作「Letter」

    創作と日常の間らへん

  • 小説『青の音』

    「あの世の空はこの世の空よりも美しいと思いますか?」 とある少女、百音に投げかけられたその一言が主人公、律の心を大きく揺さぶる。 ふたりが抱えていたのは氷となった辛い「生死の記憶」だった。 氷が溶け出したとき、彼らの目に映ったのは…。 高校生のふたりが彼らなりの「自分の生きる意味」を見つける物語。

最近の記事

  • 固定された記事

noteを読んでくださった方へ〜自己紹介〜

はじめまして! 「雨宮そら」と申します😊 プロフィールにも書いてある通り、 今まで主にインスタとアメーバブログの方でブログの執筆をしていました。 そしてこの度、noteでもブログを投稿することになりました! 過去の80投稿を一気に投稿しましたので わたしのnoteをご覧になってくださった方に 困惑させてしまっては申し訳がない…と思い、 今回はnoteで雨宮を知ってくださったみなさまに 簡単に自己紹介をさせていただければと思います! 名前は「雨宮そら」という名前で活動して

    • こんばんは。雨宮そらです。 連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」を投稿中です。創作大賞締め切りまでに多分書ききれないとは思いますが、一応参加だけしてみました!💦 その他参加作品として小説『青の音』とエッセイ『Letter』を投稿しております。 ぜひごゆるりといらしてくださいませ🌻

      • 連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」10

        投稿10 さくらーきたない お屋敷に着いたらまず手を洗う。 洗面所がいつも綺麗ですごいなと思う。 うちの家はいつだってなんか汚い。 お屋敷のハンドソープの匂いが大好き。 おひさまの下にひかれたお布団の匂いがする。 手を洗ったらお教室の子と そうじゃない子に別れる。 今お教室に行っている子たちはみんなピアノ教室だけ。他のお教室はお裁縫とか手芸とかだから子どもは基本ピアノだけ。ピアノは凛さんに教えてもらってる。お教室には通っていない子もいる。 わたしは通っていない子の1人。

        • 連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」9

          投稿9 卓也 朝5時、床に身体が落ちた。 その衝撃で思わず「うわ!」と声が出て その声で起きた。 ここは研究室。 更衣室のベンチで寝ていた。 珍しいことではない。 昨日も深夜遅くまで 1人で顕微鏡にひっついてた。 「そろそろ帰るか」と思い白衣を脱いだ途端、 一気に眠気に襲われて そのままベンチで寝てしまう。 眠りに入る数秒前に「今日は家に帰ろよ…」と 自分に言ってみるけど 「まあいいか」と思って結局寝る。 この「まあいいか」が 僕の人生の全てを言い表している。 そんな

        • 固定された記事

        noteを読んでくださった方へ〜自己紹介〜

        • こんばんは。雨宮そらです。 連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」を投稿中です。創作大賞締め切りまでに多分書ききれないとは思いますが、一応参加だけしてみました!💦 その他参加作品として小説『青の音』とエッセイ『Letter』を投稿しております。 ぜひごゆるりといらしてくださいませ🌻

        • 連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」10

        • 連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」9

        マガジン

        • 連載小説『ぬくもりの朝、やさしい夜』
          10本
        • 創作「Letter」
          8本
        • 小説『青の音』
          19本

        記事

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」8

          投稿8 ーさくちゃんあすちゃんペアー 「さくらちゃんこんにちは〜」 「あすみちゃんこんにちは〜」 お屋敷にやって来る子どもたちには そうやって名前を呼んであげるように 凛さんから言われている。 幸い子どもたちが少ないから 覚えるのにはそんなに時間がかからなかったし 何年もいる子がほとんどだから 名前どころか性格までも なんとなくだが把握できている。 今日1番に来たのは 「さくちゃんあすちゃんペア」 ちなみにこの呼び方は私が勝手に決めている。 2人は必ず一緒に来るし、お

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」8

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」7

          投稿7 さくらーあすみ 重い。ランドセルが、重い。 宿題ってなんでやらなきゃいけないんだろう。 でもやらないと怒られる。 怒られたくないからやる。 勉強ってそんな感じなのかなって思うけど、 多分そうじゃない人もいると思う。 あすみ、とか。 あすみって何でもできるよなあ。 あすみってなんで何でもできるんだろう。 なんで授業のときたくさん発表するんだろう。 なんでテストで絶対100点取るんだろう。 なんで先生に質問行くんだろう。 なんでクラスみんなに優しいんだろう。 なん

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」7

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」6

          投稿6 私には「朝仕事」というものがある。 しかしこれは誰かに任されているわけでも、 指示されたわけでもない。 私がここに来てから自分で決めたことだ。 まず支度を済ませる。顔を洗い、歯を磨き、長くて膨大な髪の毛を一括りに縛る。化粧は基本しない。適当な動きやすい服に着替えれば、やっと身体ごと起きた感じがする。 そしたら次は全ての部屋の窓を開けて空気を入れ替える。生温かさの中に冬の寒さが名残惜しく残っているような風が部屋に流れ込む。空気の入れ替えの間に机の上の本やプリントな

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」6

          ただ進むこと

          数日前、レポートを書き上げた。 すぐに入院してしまったから ほんの数回しか出たことがない授業 その学期末レポートが 私の大学時代最後のレポートになった ようやく、卒業できるみたい そのレポートのテーマは 「今後の人生プラン」だった 最後にふさわしいテーマだと思った でも今の自分にはとても難しかった 「今後の人生」 それはなんだか別の世界で 繰り広げられているようで 別の人の人生でも 描いてしまおうかとすら思った わたしは大学4年間で どのくらいレポートを書いたのだろ

          ただ進むこと

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」5

          投稿5 佳奈ー朝 朝5時、アラームが鳴る数秒前に起きられた。 4月に入ってから急に暖かくなったように思う。 小花柄の羽毛布団がベッドから落ちていた。 立ち上がり、布団を元に戻してついでに少し整える。 カーテンを開ける。2階のこの部屋から見える景色は小さな庭園だ。 凛さんはこのお屋敷をいつも美しく保っている。 でも大きなお屋敷は凛さんだけでは手に負えないため、 庭師さんやお手伝いさんの力も借りている。 昨日は庭師さんが来ていた。 今朝、窓から見える庭園はすっきりと整えられ

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」5

          そのひとことの瞬間

          言葉ってすごいな そう思わされることは 今まで幾度となくあった 「忘れられないひとこと」は 生きていく時間を重ねるたびに わたしの中に書き記されていく それは思い出すだけで 思わず感極まりそうになる そんな優しい言葉で埋め尽くされ... というわけではないのが 言葉の怖いところだと思う 何気ないひとこと 相手にとってはそうだったかもしれない けれどわたしにとっては もう一生治らない傷あとに なってしまった言葉もある 言葉は人を救うこともできれば その逆になることもある

          そのひとことの瞬間

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」4

          投稿4 卓也ー電気信号 春の冷たい雨が降る夜、 夕飯の片付けも終わりそろそろ帰ろうかと思っていた時だった。 「卓也、救急車をお願い。それとタオルと毛布を。」 普段あんなにやわらかな陽だまりのような人が、 まるで別人のように血相を変えてそう言った。 「凛さん?どうされたんですか?子供たちはもうみんな帰って…」 「外!森で倒れてる!彼女よ!またいたの!声をかけたら倒れてしまったの!」 凛さんの声は明らかに震えていた。 僕の頭の中は一瞬にして疑問符が大量に湧き出たが、

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」4

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」3

          投稿3 診察室を出るともう窓の外は暗くなっていた。その日の時間の流れは本当に早かった。わたしはなぜか吸い込まれるように真っ暗な闇の映る大きな窓に向かった。鏡のように自分の姿がはっきり映った。それは確かに自分だったけれど、どこか違う人にも感じた。「なぜ山に行ったの?」そう心の中で尋ねてみた。もちろん何の声も聞こえなかった。瞳をじっと見つめた。黒い窓に映るわたしは、下瞼に涙を溜め込んでいた。そして止まるほどゆっくり瞬きをした。一粒の大きな涙がわたしの頬を流れいくのを見た。「泣い

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」3

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」2

          投稿2 佳奈ー病院2ー はっとした。空の青はまだわたしをじっと見つめていた。あの声は誰だったんだろう。手先が無意識にぴくりと動いた。そっと指を手のひらに集めてみる。するとまるで関節が凍ってしまったかのように、あまりにもぎこちなく動いた。指を曲げるだけで精一杯だった。 足を動かしてみることにした。でもおかしい。動かない。足ってどうやって動かすんだっけ。そんな疑問を生まれて初めて持った。すると機会音がぴっぴっとかすかに鳴り始めた。 機会音は少しずつその間隔を狭めていき激し

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」2

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」1

          投稿1 佳奈 目を開けると空、雲 途方もない青 このままずっと見ていたい 温かい背中 覆い被さる綿 たんぽぽの綿毛に包まれてるみたい その瞬間 わたしがわたしであることを きっと生まれて初めて 忘れられた 佳奈ーてのひらー それは今朝のようにも感じるし、 昨日のようにも感じる。 不思議なことに数日前にも 数ヶ月、数年前にすら感じる。 葉に落ちる水の音を聞いていた ひとつ、ふたつ、みっつ だんだん増える水の音 さわっと首に冷たい風が触れる わたしはただそれを感じてい

          連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」1

          創作「Letter」-end

          おかえりなさい ただいま 元気? うん。だいじょうぶ。 待ってたんだよ。ずっと。 ごめんね どこに行ってたの? 探しものをしてた どうしてひとりにしたの? あなたを守りたかったから どうして守るの? あなたが大事だから わたしも守る あなたがいるだけで私は守られてる 探しもの、また行っちゃうの? うん。行かなきゃいけなくなったらね。 またひとりなの? ごめんね。 ほら、見てごらん 私たちはまたこの森に帰ってこれる 離れ離れでもこうしてまた ここで会うことがで

          創作「Letter」-end

          こころがうごくとき

          昨日の夕方 締め切っていた病室のカーテンを ほんの少しだけ開けてみた 理由はよくわからない カーテンを開けたその瞬間 夕日の光が一気に部屋に入り こもれびの影が 白い壁にゆらゆらと映った しばらくの間 ただ眺めていた 窓の外のたくさんの緑と 差し込む夕日 微かな風の音で揺れる こもれびの影 「きれい」と思った 本当に久しぶりに こころが動いた 「感情がわからなくなる状態」 お医者さんから 入院するときそう告げられた 感情(empathy)の頭に 否定の意味がつく 無感

          こころがうごくとき