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【書籍紹介】 私が食べた本/村田沙耶香

こんにちは、天音です。

今回紹介するのは、村田沙耶香さんの書評本『私が食べた本』

私は書評本が好きでよく読むのですが、ここまで本を読みながら本が読みたくなる本は久しぶりでした。

紹介されている本は、山田詠美や川上弘美などの現代日本文学の作品で、女性作家のものが若干多かったです。
『にんじん』や『注文の多い料理店』など古典的な名作、『書く人はここで躓く』など小説ではない本の紹介もあり、幅広い本が紹介されていたと思います。

上のリンクで見れる通り表紙が冷蔵庫になっていますよね。
中に本がぎっしり詰まっています。

『私が食べた本』というタイトルにもあるように、まさに食べるような読書体験が書き綴られていました。

舐めるように文章を読んで、咀嚼して、その全てが今の自分の体を作っていると、村田さんの文章を通して実感するんです。

書評本のいいところは、自分ではない人の本の味わい方を、自分のことのように実感できるところだと思います。

どの部位を、どのように味わっていただくのか。

自分が臭みだと思っていたところが味わい方でアクセントになるのがわかった時には新境地発見って感じですし、まだ食べた読んだことのないものの記述には、味を想像して思わず涎が溜まります。

わたしも食べてみたい!って。
間違えました。読んでみたい!って。

それくらい村田さんの本への理解度……シンクロ率のようなものが高くて、読んだことのない本への案内の仕方が素晴らしかったです。

40冊近い本が紹介されていて、後半は村田さんの自著への想いやまつわるエピソードが収録されています。それを含めて、読み終わった後は村田さんって意外とチャーミングな方だなという印象を受けました。
『信仰』と『コンビニ人間』しかまだ読んだことがないので、意外という表現を使うのは失礼かもしれませんが……。

この本を読んだ後に今までの自分の読書を振り返ってみると、もしかしたら自分はまだ食べれるところを捨てていたり、美味しいところを食わず嫌いしていたかもしれないと思えてきます。

村田さんの凄まじい感受性に、こちらも感化されているのかもしれません。

心や経験の深いところまで沈んでいく読書体験を覗き見ることのできる本だと思います。

ちなみにわたしが読んでみたいなと思ったのは『ポケットの中のレワニワ』、『トモスイ』『嘘ばっか』です。
どの本も本っ当に読みたくなったので、あえてあげるのであればですよ!

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