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「埼京線型管理職」から「砕氷船型マネージャー」へ

最近、JTC(※)凄いぜ!って思うことが良くあります。

※Japanese Traditional Companiesの略。日本の伝統的大企業を示す言葉

もちろん、JTCまだまだアカン!しっかりしなさい!って思うこともしょっちゅうであり、たびたび吠えています(何を隠そう私も複数のJTCに勤め、育ってきた人間の一人です。その意味でも変わって欲しいと切望)。

そんなJTC組織において、新しいことに果敢にチャレンジし、組織風土を変えるマネージャーやリーダーに最近頻繁に出会い、心が震えています。

たとえば……

・経営陣との対話を重ね、副業の権利を勝ち取り、自らファーストペンギン(最初のチャレンジャー)となった情報システム部門長
・メール&口頭文化が根強かった企業風土。チャット文化に変え、目覚ましい業務効率向上、余白創出、マインドシフトを実現した人事部門の担当者(この春からマネージャーに役割変更)

いや、本当に素晴らしい。

そう思うと同時に、僕の頭に2つの言葉がよぎりました。
それが、今回の記事のタイトルにある「埼京線型管理職」と「砕氷船型マネージャー」です。

埼京線型管理職とは、日本の伝統的な企業に多い管理職やリーダー。
文字通り、首都圏を走る殺人的混雑で名高い埼京線をイメージできる方はイメージしていただくと分かりやすいでしょう。

統制型管理主義。皆が同じ行動をしなければならない。あの混雑に耐えられない人は、輪に加わる資格がない。仕事はつらくて、苦しくて当然。皆が苦しんでいるのだから、あなたも同じように苦しみなさい。あなただけ他人と違う行動をとるのは許されません。
そんな管理職のイメージ。
乗客も乗らされ感満載。皆暗い顔をして、殺伐とした環境に耐えている。

砕氷船型マネージャーとは、これまでの固定観念や社内ルール、古い慣習を疑い、時に異をとなえ、自ら主体的に思考と行動をし、未来に向かって新しい道を作っていくマネージャーでありリーダー。
乗客は皆笑顔で旅を楽しんでいる

そして今の時代、どことなく(いや、あからさまに)停滞感漂う日本社会において求められているのは、砕氷船型マネージャーなのではないでしょうか。

もちろん、埼京線型の管理を僕は否定していません。
統制管理型の組織運営が求められる業務領域は間違いなく存在します。

一方で、イノベーションや変革(DXもその一種)が求められる時代、いままでにない発想やトライ&ラーンが求められる時代、埼京線型管理一辺倒の組織運営は、能力や意欲のある人を悪気なく無力化してしまう。
法制度も含め、旧来の組織カルチャーや組織運営のやり方は、未来の成長を阻害する文化的負債やバグを多く包含していると言っても良い。

砕氷船型マネージャーにエンパワーし、過去の呪縛から解き放たれていかなくては、日本の組織の生産性も創造性もイノベーション力も、ビジネスモデル創出力も上がらない。僕は日々そう確信しています。

JTCには、新興企業にはない歴史、信頼、ノウハウ、資金力、人的リソースなどがたくさんある。中小企業にはないブランド力がある。それは一朝一夕で創られるものではありません。
ただし、どんなに素晴らしいブランド力のある組織も、保守的な人たちの重力が強すぎると、じわりじわりブランドは食い潰されてしまいます。

ブランドを基盤に新しいチャレンジをする。それが出来れば、JTCは化ける。ものすごい威力を発揮する。僕はそう確信しています。
そして、砕氷船型マネージャーはその突破口を作る人たち、新たなブランドを作る人たちです。

最近、僕はこんなスライドをこしらえました。
(僕の発想をもとにアシスタントの1人、松居さんがデザインしてくれたものです。松居さん、ありがとうございます!)

キーワードは解放

呪縛、固定化された景色から人々を解き放っていかないことには、日本は国力低下の一途をたどる。その強い危機感を持っています。

大企業や官公庁のような大組織ほど、関係人口(社員のみならず、ビジネスパートナー、顧客、採用候補者、その他関わる人たち)が多く、社会に対する影響(インパクト)が大きい
つまり、JTCが進化すれば、多くの人たちが呪縛から解放され社会全体が進化する

その意味でも僕は砕氷船型マネージャーを全力で応援したいし、砕氷船型マネージャーたちが正しく活躍できるカルチャーを創るべく、世論形成していきたいです。

未来志向で思考しよう、行動しよう、自らを解放しよう。

失われた思考機会、思考能力を自分たちの手に取り戻すのだ。

凄いぜJTC!頑張れJTC!

僕はまだ日本を、日本の組織を諦めたくない。

(以下、僕が魂を込めた参考書籍とプログラムです)

▼書籍『うちの職場がムリすぎる』(すばる舎)
キーワードは脱思考停止!失われた思考機会と能力を取り戻すための一冊

▼書籍『バリューサイクル・マネジメント』(技術評論社)
アップデートし続ける組織と人を創るための一冊

▼書籍『新時代を生き抜く越境思考』(技術評論社)
組織内外で連携(越境)して価値を出すための指南書

▼企業間越境学習プログラム『組織変革Lab』
越境体験と思考→行動の習慣をあなたの組織に!

▼沢渡あまねマネジメントクラブ