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地方都市/レガシー企業の問題地図(番外編)

新刊『新時代を生き抜く越境思考』の、地方都市/レガシー企業の問題地図。その一部分の解像度を上げた、番外編の地図を書いてみました。
(今後、主に地方都市や中小企業向けの講演などでも使っていこうと思います)

地域のおとなしい人たちは、モヤモヤと思っているだけで誰も言わないでしょうけれども、僕はハッキリ、きっぱり、ズバっと言います。

その地図がこちら。ジャジャーン。

皆さんの地域は、皆さんがお勤めの組織はいかがでしょうか?

僕自身、静岡県西部を中心の活動をはじめてはや3年。この地域においても、この図式の構図を痛切に感じています。

東京本社のとある大企業は、中核人材の育成に3年間で1人当たり60万円の投資をすると発表しました。年に換算すると1人当たり20万円です。

一方、私のいる静岡県西部では、そこそこ名の通った中堅企業でも「年間で1人1万円出してくれれば良いほう」なる話も見聞きします。

つまり、人材育成に全く投資しない企業も相当数あるということです。

東京の大企業と地方の中小企業を比較するのは現実的でないかもしれないですが、20万円 対 0円ですよ、20万円 対 0円。
どう考えても、能力格差、ビジネスモデル変革力格差、ひいては(会社・従業員双方の)稼ぐ力の格差は広がる一方でしょう。

僕の知っている、地域の企業の意欲ある若手・中堅社員(複数名)はこの状況を大いに嘆いています

それでも何とか地域で頑張りたいと思っている人、ココロ折れて東京などの大都市に転出する人フルリモートワークで地域に居ながらにして他都市の優良企業に転職する人……

本人が幸せなら良いでしょう。でもね……

地域企業の経営者の皆さん、地域行政の皆さん、これでイイのでしょうか?

『人的資本経営』

このキーワード、日本でもにわかに注目を浴びてきました。
細かな説明は省略しますが、企業組織は人材をコストではなく資本ととらえ、育成と成長に投資しなさい。そのような考え方です。大企業や上場企業を中心に、人材育成やリスキリングに投資をする動きはさらに加速するでしょう。

これすなわち、東京など大都市の大企業と地方の企業や中小企業との、人材育成格差・ビジネスモデル変革力格差がますます広がることを意味します。

「人的資本経営?所詮、東京の大企業や上場企業のハナシでしょう(ウチには関係ないね)」

そう流されがちですが、僕はそうは思いません。

僕は地方の企業や中小企業こそ、人的資本経営への舵きりが急務であると感じています。

とはいえ、とりわけ中小企業は人材の育成に投資する時間もお金もない

では、どうやったら中小企業に人材育成に投資させられるか?

その仕組みを創るべく、僕自身、行政や思いある企業経営者、その他の関係各所とディスカッションしはじめています。

地域の企業経営者や行政や金融機関(ほか)の皆さんは、この地図および『新時代を生き抜く越境思考』の問題地図を見て、「どこから変えるか?」「地域の企業の人材育成への投資の後押しをどう実現していくか?」をディスカッションいただきたいと、僕は本気で願っています。

それでもなお変わる見込みがなければ僕はこの地図の1と2、すなわち「大都市に転出」「フルリモートワークできる他都市の優良企業に転職」を本気で扇動します

だって、若手や中堅の人たちがかわいそうじゃないですか。

あ、以下の2冊是非読んでください。
この記事に掲載した地図は無料公開しますので、せめて本は買ってくださいね(人材育成の投資の一歩)

▼書籍『新時代を生き抜く越境思考』

▼書籍『バリューサイクル・マネジメント』

▼企業向け、DX推進/変革推進者向け越境学習プログラム『組織変革Lab』
~沢渡あまねがプロデュース&講義。直に組織変革を指南します

▼個人向け、変革推進コミュニティ『沢渡あまねマネジメントクラブ』
~音声(沢渡の声)とテキストで変革のエッセンスをお伝えします