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鉱物備忘録

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今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
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2019年12月の記事一覧

No.7 アレキサンドライト

No.7 アレキサンドライト



光の差によるカラーチェンジがはっきりしていて、LED灯では深みのある青緑、白熱灯ではエネルギーのある赤紫を示す。カットが細かくないので輝きは少々薄いが、その分色味が際立つのでカラーチェンジの様子がより分かりやすく観察できる。
あまりにもはっきりとした色の変化が楽しめるので、意気揚々と母にこのルースを見せてあげたのだが、これを見た母は一言。
「これ、ガラスか何かなんじゃない?」
軽くからかわれて

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No.6 クンツァイト

No.6 クンツァイト



透明感抜群のクンツァイトである。
多色性もあり、見る角度によってピンクの濃さが変わる。
クンツァイトは劈開が強く、少しの衝撃ですぐに欠けたり割れたりする。この原石もどこかで割って出したものなのだろう、採掘の時にできたと思われる断面には真っ直ぐ直線に割れた跡があり、この断面からキラキラとした朝日のような輝きを楽しめる。ルースにせずとも原石のままで充分満足感のあるクンツァイトだ。
話は変わるがクン

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No.5 クオーツ

No.5 クオーツ



クオーツ。和名は石英と呼ばれる鉱物だ。
しかもこのクオーツはただのクオーツではない。この一石の中にアメジストな部分とスモーキークオーツな部分があり、この一石で透明なクオーツだけでなくアメジストやスモーキークオーツも楽しめる、一度に三度おいしいクオーツなのだ。しかも結晶の根元には赤っぽいクオーツもくっついてる(何クオーツなのかは不明)。
クオーツという鉱物は割と初心者向けの鉱物で、安い物なら10

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No.4 スファレライト

No.4 スファレライト



これも前回のレッドベリルと同じイベントで買ったものなのだが、こちらはレッドベリルの場合とは逆で少し後悔のある品である。
2018年の東京ミネラルショーではレッドベリルを狙う以前にスファレライトをターゲットにしていた。ダイアモンド並みの屈折率にスフェーン以上の分散率を誇るスファレライト。ぜひ欲しい!できればルースで欲しい!と、そんな思いで探していた。
レッドベリル発見から数分後、私はようやくスフ

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No.3 レッドベリル

No.3 レッドベリル



クラック多めで小豆ほどの大きさしかないが、いちごのような赤みが美しいレッドベリルだ。光を当てるとクラックによってキラキラ輝く。根元に行くにつれて赤みが増していくためグラデーションも楽しめる。
このレッドベリル、なんと2018年の東京ミネラルショーにて2000円という破格な値段で売られていたものなのだ。
レッドベリルはエメラルドより希少でレアなベリルの一種で、宝石ともなれば超高値で取引される、一

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