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No.3 レッドベリル

3.レッドベリル

クラック多めで小豆ほどの大きさしかないが、いちごのような赤みが美しいレッドベリルだ。光を当てるとクラックによってキラキラ輝く。根元に行くにつれて赤みが増していくためグラデーションも楽しめる。
このレッドベリル、なんと2018年の東京ミネラルショーにて2000円という破格な値段で売られていたものなのだ。
レッドベリルはエメラルドより希少でレアなベリルの一種で、宝石ともなれば超高値で取引される、一言でいえば「ヤバい」鉱物である。実際世界で最も希少な宝石トップ10に楽々ランクインする鉱物で、小粒の原石だとしても今回のレベルであれば2~4倍はとっても良いレベルだと思う。
さて、ここから先さらに自慢が続くが、私がこのレッドベリルを購入した経緯について話していこう。
始まりは東京ミネラルショーへ行く前日。東京ミネラルショーは金~月曜日の4日間行われていて、私は土曜日、つまり2日目に行こうとしていた。なので初日はすでに始まっていて、初日から行った方々の戦利品をTwitterで「いいなぁ、早くいきたいなぁ」と思いながら眺めていたのだが、その中で「レッドベリルが2000円で売られていた!」といったツイートを偶然発見した。
このツイートに自分は衝撃を受けた。世界レベルでヤバいと言われるあのレッドベリルが2000円で買えるだと?これは買うしかない!
そして夜が明け会場である池袋のサンシャイン60ビルにやってきた私は、辺りを物色しながら歩きつつ、2000円のレッドベリルを探した。
流石に売り切れたかなぁと考えること歩くこと数分。私はついにレッドベリルが2000円で売られている現場に辿り着いた。
歓喜のあまり思わず「あった!」と叫んでしまい軽く恥をかいたが、あの時の嬉しさは今でもいい思い出になっている。売られていたものは白っぽいものが多かったが、その中でも赤く透明感が強いものを選びだして店員さんに「これお願いします」と頼み、迷うことなく購入した。正直「本当に2000円で良かったのか?」と思い店員さんにも聞いたが、確か「ミネラルショー用の特別価格」とのことでサービスなんだといった返答が返ってきた。まあその時興奮してたので細かいことは覚えていないのだが、とにかく店員さんが優しかったことは覚えている。
その後、私は心の中でガッツポーズを決めつつ、東京ミネラルショーを心行くまで楽しんだ。今でもこのレッドベリルは私の自慢である。

【補足】
①東京ミネラルショー
日本最大級の鉱物イベント。毎年12月に池袋サンシャインシティー文化会館ビルにて開催される。通称「池袋ショー」
②ベリル
ベリリウムの原料に使われることもある鉱物で和名は「緑柱石」。
レッドベリルは赤いベリルのことで、深い緑のベリルは「エメラルド」、水色のベリルは「アクアマリン」、緑がかった黄色のベリルは「ヘリオドール」といった感じで、宝石としては別の名前で流通してることが多い。

【参考書籍】

「プロが教える鉱物・宝石のすべてがわかる本」
下林典正・石橋隆 監修
ナツメ社  2014年

「ネイチャーガイド・シリーズ 宝石」
ロナウド・ルイス・ボネヴィッツ 文
伊藤伸子 訳   化学同人  2015年


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