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【詩】先に何もない道で出会う全ての物

道の先には何も無い。
単行本7巻完結ぐらいじゃないと読む気が起きない人間と普通の人間の狭間で、歩く。

白いブドウが消音しながら鳴いている。
世界に気を遣ってるのかな。
ワタクシ白いブドウなんかが鳴いていたら他の大事な声を邪魔するって思ってるのかな。
可愛い。
とても可愛いよ。
僕より可愛い。
道の先には何も無かったが、道の途中には極太の漢方薬があり、噴水にまぶして健康が散らばる姿を見る。

じっと見る。

じっと。

じっと。

卒塔婆を箒代わりに跨いで空を飛ぶ。
卒塔婆から落ちていく達筆な文字が念となり、未来に行く場所に降り注ぐ。
僕はきっと、次に池袋に行く時、その時の念に苦しめられるだろう。
苦し紛れに空を飛んだ代償だ。

自傷行為をしている母・子・孫を見た。
孫が一番何も知らずに、楽しそうに自傷行為をやっていて、それを見て母は欲情しながら歌をうたいだした。

ラ ラララ リ ラララ

ラ ラララ リ ラララ リ

その歌は、全ての生命に聴き覚えがある歌で、それはきっと、赤ん坊となり生まれて初めて眠った時の夢の中で流れていた歌だろう。

全ての生命が。

同じ歌を聴いている。

私達は、先に何もない道を歩く。
ただ、その途中には、あらゆる物が笑って立っている。
それとも、泣いて立っている姿しか、見えない人もいるかもしれない。
どっちにしろ、道の先で落っこちる時にそいつらが最後に初めて手を振ってくれる。
そのあらゆる物は、人間では無い。
全て。

全てが。

自分が消えていく時に、手を振ってくれる。

その時の自分の表情は、どんな物だろう。

笑顔か、恐怖か、悲しみか、憎しみか。

どんな表情だとしても、変わらない物がある。

それは、自分が、全てから、抜け落ちてしまった事だ。

みんな生きているなんて嘘っぱちだ。

死んでしまった人達の中で、僕達は生きている。



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