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#忘れられない恋物語
【詩】春風が運んできた恋
背伸びして入った高校
希望で胸を膨らませていたけれど
授業が始まっていきなり躓いた
「こんばんは」
入ってきた家庭教師は
反則級の好みのタイプ
でもそれっきり何も喋らなくて
無口な人と思った
彼はだんだん話し始めて
笑顔も出てきた
気が散って勉強どころじゃない
彼が帰る頃には兄妹みたいに
ふざけあっていた
彼が帰って行くのを
ベランダに出て見送った
生暖かい春風に吹かれながら
彼が見えなくな
【詩】私だけが知っているキミのこと
いつもは無口なキミが
私だけにはいろいろ話してくれること
私の誇りだった
私にくれた花の名前も
宝石の名前も知らないキミ
手紙の最後に
「愛してる」と書けずに
「AISHITERU」と書いた時の
緊張した横顔
想像すると少しおかしい
だけど私にはわかる
キミの瞳の動きや輝きが
言葉の代わりに
キミの気持ちを語ること
それを知っているのは
私だけだったってことも
キミは今も無口なままなのか