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【介護リーダー】中間管理職のままでいるのは損でしかなかった【SS担当、相談員】

3年前にKindleで介護リーダーに関する著書を出しました。

多くの方が見てくださって感謝しています。


私は3年前に介護施設を退職し独立するまで、最初から最後まで現場介護職を貫きました。

実際、相談員や施設ケアマネ業務もしていましたが、全て兼務であり、一度も現場を離れて他の専任になったことはありませんでした。

そして現場介護職をしている中で、長く介護主任・副主任、ユニットリーダーなどの現場管理職も兼ねてきました。

現場管理職は、『中間管理職』です。
上司と部下と板挟みになる役割です。

今日はそんな中間管理職に関して・・・・
介護業界で長年中間管理職を勤めてきた私の考えを書きます。

上司から怒られ、部下から恨まれる損な役回り、それが中間管理職

実際、介護業界で役職をもらうのは、一般業界に比べてそんな難しいことではないと感じます。

万年人手不足のこの業界では、現場スタッフだけでなく『中間管理職』が不在という事もあります。

さらには、退職によって、『管理者』『事務長』『施設長』というポストが欠けてしまう事だってあります。介護保険によって運営される施設においては法律上、不在にしてはいけないので、人事異動で2階級昇進とかもよくある話です。

現在、私が個人事業の合間に働いているパート先の介護事業所では、入社から半年後に訪問介護の管理者にされてしまった20代前半の女の子もいました。
まぁ、それは稀なケースかもしれませんが、ユニットリーダー、副主任などの中間管理職であれば入社から2〜3年くらいで就けてしまうケースも少なくありません。


介護業界においての中間管理職は簡単になれる反面、本当に損な役回りだったと感じます。


著書『介護リーダーの【裏】教科書』においては、キレイゴトではなく、リーダーのつらさというものを書きました。

また、苦しくなったら無理せず辞める選択をとっても良いとも書きました。若干、ネガティブすぎたかなと感じるくらいですが、今もその考えは変わっていません。


介護業界に限らず中間管理職というのは、上司と部下との板挟みになる役職です。

私自身はこの業界で長く経験する中で、介護の中間管理職は以下の点が損な役回りだなと感じています。

① 上司と部下との板挟み
② 早番・遅番・夜勤などのシフトをこなす現場スタッフの一員でもありながら、それプラス他の業務が山のようにあり、それを処理する時間も確保されていない(残業で行うことになる)
③ 改悪されていく介護保険制度のせいで、その枠を超えた改善ができない

そして最後・・・・・・

④ 上記のような重責の割に、給料や賞与、役職手当が全く見合っていない

④は全ての施設に当てはまるわけではありませんが、多くの施設がそうではないでしょうか。
だから実際、役職を持った人が
「😨割に合わない、やってられるか!」
・・・と辞めていくのです。


実際に上記①〜③の全てを満たしたものが、毎月のシフト作成でした。
シフト作成は私にとって、地獄の時間でしかありませんでした。

特に大変だったのが、ユニット型施設でユニットリーダーをしていた頃に作っていた、協力ユニットのシフト表です。

LINEスタンプ『介護福祉士の憂鬱』より

ユニット型施設は介護保険上、一日の早番・遅番など規定の人員が決められていたり、夜勤も協力ユニットで1人は作らなきゃいけません。

多い分にはまぁ良いですが大抵は逆でした。私のユニットじたいは私の在任中、部下が辞めることはほぼ無かったのですが、他のユニットの人員が毎月のように辞めてしまい、異動で私のユニットの人員が減らされたり、応援に出されたりして結局人手がなくなっていたのです。

介護施設のシフト表を作ったことがある人は皆経験しているでしょうけど、人手がいないと、リーダー自身が休日出勤をしたり、自己犠牲になるシフト表を作りがちです。

本当はそれ、一番やっちゃいけないことなのです。・・・ですが、人がいないんだから、どうしようもない・・・という気持ちもわかります。

著書でも書いたのですが、事前に応援できる体制を他ユニットや施設単位で構築しておくことです。私はそれに救われました。

繰り返しますが、自分さえ頑張ればいい・・・という考え方は、いずれ自分をつぶすことになります。

相談員やショートステイ担当もほぼ中間管理職

実際、役職についておらず部下を持っていなくても、相談員やショートステイの調整をする職員もほぼ中間管理職といえます。

私は現場リーダーと施設ケアマネ、それらを兼務していたこともあったので、本当によくわかります。


たいていの特養でいえば、ショートステイの入退所はショートステイ専門で相談員が設置されて専門的に業務を行うと思います。(本入居の相談員が兼ねているところもあります)

ショートステイって、手のかかるご利用者を入居させると、現場職員から冷たい目で見られるんですよね。本入居のご利用者はずっと入居しているので諦めがつくのですが、ショートステイは短期だからこそ、

「😨うわー、明日から月末まで、◯◯さんずっとショートだよ…最悪」

・・・・こういった現場職員の声、何千回聴いたことでしょうか(笑

しかしそういった困難ケースの場合、ご家族にしてみれば他の施設を断られ、救いの手をもとめてやっとショートステイに入居させてもらえたと喜んでいます。

現場とご家族・・・いうまでもなくご利用者ご本人もですが、こういう問題を調整して入所日数などの段取りをしていくのがショートステイの相談員です。


私は自分自身も現場スタッフ、夜勤もやりながら調整していたので説得力もあるのですが、実際専任のショートステイ担当の場合、自分自身は困難ケースのご利用者のケアを何もしないわけです。

そうすると、現場職員からは

「😅入れるだけ入れるのは楽だよなぁ。実際、ケアするのは現場なんだから!」
・・・・と、相談員との間に乖離がうまれる要因にもなります。

まさに板挟みですね。


自分なりの信念を持ち、上司や部下の顔色を伺わないのが大切

中間管理職にしても、こうした相談援助職にしても、何が正しいかを判断していくことが大切です。

私は自分自身の信念はしっかり持ちながらも、『何事も中道を通っていくのが良い』と思い、時には意見を貫き通し、時には妥協し・・・今までやってきました。

客観的にみてそれが『不正解』と言われようと、私自身はその都度行ってきた判断が、『正解』と信じてやってきており、今もそれは間違っていません。

それを今も、個人事業としての経営に活かせています。


逆に信念がないと、判断がゆるいだり、あとで
「😨ああ、、、、あの時ああしていればよかった。なんてことをしたんだろう」
・・・と後悔の念に苛まれることもありえます。

一番駄目なのは、上司や部下の顔色を伺い、ビクビクしてしまうことです。

何かの意思決定をする時に、上司や部下の意見に耳を傾けることは大切です。
しかしそれは、相手のスタッフが怒ったら怖いから・・・とかそういう理由で決めてはいけません。

『意見を聴く』
・・・のと、
『顔色を伺う』
・・・のは全く違うことです。


正直、私自身も長く介護業界で働く上で、人の顔色を伺うことはしてしまっていました。
ですが、管理職についてからは、一度もそういったことをしませんでした。


常に人の顔色を伺ってしまい、自分自身が正常な意思決定ができない場合、正直、管理職には向いていないともいえます。

人には向き不向きがありますから、それは悪いことではありません。記事の冒頭にお話したように、人手不足の中では、向き不向きにかかわらず無理やり中間管理職にされてしまうことも少なくないからです。


しかし一番大切なのは、
働くあなた自身のカラダです。


業務量のわりに手当も少なく割に合わず、その上、何をやっても叩かれる損な役回りが中間管理職です。

誰かがやらなければならない役割ではありますが、施設や他人よりも、自分自身の健康を第一に考えることが必要です。


サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。