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折り紙、塗り絵、童謡…社会の第一線を担ってきたお年寄りに子供の遊びをやらせたいでしょうか?【自己満足、幼稚、介護施設】

こんにちわ、アルゴです。

私は約20年間介護業界で働き、その間、複数の施設で現場介護職、管理職、施設ケアマネ、相談員などを担ってきました。

この20年間、変わってきたこと、変わらないこと…いろいろありますが、あまり変わらないなぁと思うこととして、高齢者のレクリエーションがあります。

だいたいどこの施設も、折り紙、塗り絵、風船バレー、子供の遊びばかりをやらせようとするんですよね…😓

手作業として目的があって行っているのならまだしも、ご利用者ができないので最終的に職員が作ったものを施設内に飾ったりしてたりします。

とくにクリスマスの時期に折り紙で作った輪っかを見ると、

(´・ω・`)なんだか幼稚園とか保育園みたい…

と思ってしまいますね。

ご高齢者は云うまでもなく人生の先輩であり、年代にもよりますが戦前・戦中の苦労を知り、戦後の高度成長を支えてきた方ばかりです。

そのお年寄りをバカにしているような気がして、私はずっと気がひけていました。


私が管理職になってからは、そういった幼稚な遊び、飾りを排除していきました。

中でも素晴らしい施設だと思ったのは、トップ層がそういった高齢者を馬鹿にしているような飾りを飾るなと指導していたことです。

もちろん、ご利用者自らそういったものを望んでいる方もいらっしゃいますので、それはそれで良いのです。

しかしその場合であっても、上述したような子供っぽい飾りを共用部に飾るのはいかがなものかと思いますね。
ご自分の個室(個室がなければプライベートスペース)に飾っていただくのが良いかと思います。

おそらく皆さんだって、好きでもない俳優や歌手、お笑い芸人の写真がでかでかとご自宅の廊下に飾ってあったら不快に感じませんか?
そういったものは自分の部屋に飾ってくれ!と思うことでしょう。

つまり共用部に子供っぽい飾りを飾るのは、職員側の自己満足なのです。

大人として自分が楽しいと思えるものを提供するとすごく喜ばれます

半年くらい前までは今の事業の営業でケアマネ事業所や地域包括を巡っていました。

私の住んでいる地域はそうした事業所が介護入居施設に併設されていたりするんですが、やっぱり子供っぽい飾りだったりはどこもしていましたね(笑

飾りじゃなくても、童謡など、本当に子供が歌うような歌を成熟した大人向けに大音量で流していたり。

自分が利用者だったらそういった施設には行きたくないですね。


そもそも職員の方たちは皆、大人です。
その大人として、塗り絵や折り紙などを続けていて本当に楽しいのでしょうか?

大人として利用者に勧めることはあっても、それを家に帰ってもやっているという人はいないのではないでしょうか?


私は介護施設で管理職や相談員などレクをコントロールできる立場になってから、そういった子供っぽい遊びを極力排除し、ご利用者に何がやりたいかニーズを調べてから余暇活動を計画していました。

具体的には
●ホールに集まってもらって、昭和の映画館の雰囲気を作って映画鑑賞会
●麻雀、将棋、囲碁などのボードレク(環境を整えご利用者どうしが対戦できる環境づくり)
●レストランへの外食
●海や山など自然にふれることのできる散歩、ドライブ
●iPadを利用したゲーム

などです。

↑の全てが強制ではなく、自由参加ですね。やりたくないものはやる必要がないのです。

ニーズを聞き取って計画したものもありますが、ようは大人として、自分がやって楽しめるものを提供すれば良いと思います。

自分が楽しいと思えるものでなければ、人に楽しさが伝わりません…楽しませることはできません。

たとえ自分がその場のレクに関わらなくても、「楽しんでもらいたい、喜んでもらいたい」という気持ちが本当にあるのなら、そういった環境づくりにあらわれてくるのです。


今、私が個人事業として行っている介護保険外サービスでは、基本的にこちらから決まったサービスを提供することはありません。

ほぼ100%、お客様ご本人が望んだとおりのサービスを提供しています。
(過去記事参照)
(ほぼ100%というのは、ご家族・ケアマネのニーズという場合もあり)


個の時代、娯楽も多様化している

もちろん私が行っている介護保険外サービスは、マンツーマン、個別のサービスだからこそできるということもあります。

しかし…
●多様化した時代
●80〜90代の高齢者でもスマホを持つ時代

どの年代も楽しむ娯楽のレベルが変わってきているという事実があります。

私自身こどもの頃は、ファミコン、プレイステーションなど家庭用ゲーム機を楽しんでいました。

この遊びは子供たちの間で今後数十年続いていくなと感じていたのですが、今の子どもたちは家庭用ゲーム機はほとんど遊ばないらしいです。
(スイッチとかも持ち出して外で遊んでいますね)

高校生とか大学生になっても、スマホのソシャゲをやったりしています。私は逆にまったくそういったものをやりません。

娯楽というのは、年代、時代によって様変わりしていくのです。


にもかからわず、
介護業界は私が就職した20年前からほとんど変わらず、子供っぽい娯楽を勧めています。

介護記録をIT化せずに手書きでやっている信じられないところもあったり…、介護業界は変化についていくのが苦手ですね。


レクに関して、
今後は全体で集まって風船バレーとか、そういったものは完全に時代遅れです。

多様化した時代は、個別にやりたい事を聞き取って対応していくのが必要です。


サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。