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介護職の退職・転職は悪いことなのか?①【優秀な人から辞めていく】

こんにちはアルゴです。

気づけば前回の投稿から9日も経っていました。事業の内容とか、書きたいことは山程ありますので、順次書いていければと思います。事業に関してはAmazon Kindle電子書籍で新刊を発売すべく執筆している最中です。


本日は介護職の退職・転職についてお話したいと思います。

このテーマに関連することは過去にいくつも記事にしたのですが、どれだけ書いてもまだまだ書かなければいけないな…と思うことが多いです。


退職する奴は悪だという考え方について


マンガ『社畜のトリセツ』〜自分ファーストの生き方を目指す闘い〜
より
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私は今年の春に勤めていた老人ホームを退職してフリーになりました。

社会人になった頃は経理マンだったのですが、介護業界に転職、異動、施設替えなどで様々な職務を経験してきました。

だから『異動も『退職』も何度も経験しています。


『退職』というのはどうもネガティブなイメージがつきまといますね。

退職する理由は個人によって様々です。私も幾度となく上司や部下、同僚が辞める場面に直面しました。

所属する法人のホーム長が辞めてしまうことですら3回ありました。いずれも年齢による引退ではなく、理事長との確執であったり、疲労が原因だったりします。

中には私より少し上の40代のホーム長が、就任後にたった1年で辞めてしまうということもありました。

職員が辞める理由としては、定年、親の介護、体調不良、人間関係、転職、新しいチャレンジ…などなど、いろいろあります。

この中でみんなからお祝いされるのは定年くらいでしょうか。起業するなど新しいチャレンジをする場合でも、気持ちよく送り出されることはありません。

アイドルグループのメンバーが新しいことにチャレンジするのを、『卒業』といって感動的に祝われる事が多いのですが、同じチャレンジでも退職はネガティブになってしまうから残念です


退職は悪いことではありません。

なぜ、ここまで退職にネガティブなイメージがつきまとうのでしょうか?
それは、日本の文化的背景にあると考えます。

昭和、平成の時代は『終身雇用』といって、勤めた会社は定年するまで所属し、職務を全うするという考え方が一般的でした。

それはそれで非常に素晴らしいことだと思います。働いている中でつらいこともたくさんあるでしょうけども、同じ組織にずっと勤めるということは、カンタンなことでは決してありませんから。そういう人を私は心から尊敬します。


ですが時代は変わりました。

終身雇用という考え方は崩壊し、トヨタなどの大企業でも、「終身雇用することは難しい」と経営陣が語っています。

なので、仮に働く人が「一生、この会社で働くぞ!」と思っていても、リストラされることだって当たり前のようにあるのです。


自分から辞める、首を切られる・・・いろいろな理由があるとは思いますが、いずれにしても、退職して他の会社に行くというのは、この時代、別におかしなことでもなんでもないのです。


※ 世界的に働き方、生き方が変わっていく・・・という視点でオススメの本がありまして、リンダ・グラットンさんの『ライフシフト』という本です。

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この著者の本には他にも、『ワークシフト』という本もあります。実際、私自身もこうした考え方の影響をかなり受けています。

この著者の本の中では、今後さらに人々の働き方、生き方が変わっていくだろうと予測されています。



介護職の場合、辞めるのは職員が悪いのか?施設側が悪いのか?


マンガ『社畜のトリセツ』〜自分ファーストの生き方を目指す闘い〜
より
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介護職の場合は・・・?と見出しに書きましたが、まぁ一般企業でも同じかもしれません。


「辞める辞める」といいながらも、けっきょく職場に居続ける人っていますよね?

私はこれを『辞める辞める詐欺』と言っていまして、1年くらい前にnoteで記事にしております。良かったら御覧ください。

そうやって愚痴や不満ばかりいって、周りの人(同僚・上司・部下)を不愉快にしている人は、けっきょく辞めないことが多いです。

さらにそういう人は全員とは言いませんが、ご利用者への接遇も悪いケースが多かったりします。

なので現場リーダーの立場からいえば、そうした人たちはとっとと辞めてほしかったです(笑

現場リーダーよりさらに上のホーム長や主任クラスの人からすれば、「介護施設はどこも人手不足だから、どんな人でも職員を確保しておきたい」という気持ちになるかもしれませんが、現場職員からすると非常に迷惑な存在でした。

そうした職員がいることで、周りの職員に過大なストレスがかかり、良い職員が先にやめてしまうという事だってあるのですから。非常に悲しいことです。

とりあえず求人に応募してきた人を、人手不足を理由に簡単に採用する…落とす勇気のない管理者は問題ですね。


優秀な人ほど見切りをつけて辞めていく

名称未設定のアートワーク 2

施設の労働環境が良くなければ、いくら優秀な人だって辞めてしまいます。

●職員の休憩専用室が構造的に存在していなかったり…
●そもそも法定の休憩時間も約束されていなかったり…
●サービス残業が当たり前になっていたり…

地域からみれば、社会福祉を行う温かい施設でも、働く人にとってはブラックな職場であったりします。

上述した辞める辞める詐欺を連発するような人は、結局こんな状況ですらずっと居残ったりします。

しかし職員である自分自身のことを一番に考え、ここにいたら駄目になると冷静に考えれば、辞めていくのは当然のことです。

それは施設長だろうが、リーダー職であろうが、一般正社員であろうが、パート職員であろうが関係がありません。

どんな状況でも、どんな場合でも、働く人の気持ちや身体よりも、組織の方が大切なんてことは絶対にありえません。

だから本当に「やばいな…」「きついな…」「つらいな…」と感じたならば、どんな状況であろうと辞めてしまう方が良いのです。

法的には、退職する2週間前に告げれば、辞める権利は誰にでもあります。


まっとうな判断ができる人は、『辞める辞める詐欺』なんかする前に、さっさと施設を見限って辞めていきます。

月50時間残業して(大半がサービス)、休日ボランティア出勤していてもなかなか辞められなかった私は、悪い意味で組織に尽くす社畜だったのでした。

(だからその反面教師として、フィクションではありますが、それを題材にマンガを描いたりしましたが…)


いずれにしても優秀な介護士だろうがそうでなかろうが、辞めてしまうということはその組織に何らかの不満があったということ。

つまり従業員が何か悪いことをやらかした…ということがない限り、99%はそういう職場作りをした施設側の体制に問題があるということです。

私自身もリーダーとして常にそう思っていました。不満がなければ部下が辞めるわけないと…。

(結婚とか、そういう特殊な事情は除きます)


私自身が退職した2つの施設の話

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最後に私自身が辞めた職場の中でも、上司の対応が真逆だと思った2つの施設の退職の話をします。

まず、数年前に転職をした時の話。

私が新しいチャレンジをしたいということでその施設の退職を希望しました。

そんな私を全力で引き止めてくれた元上司がいました。

私の元上司は、十数年にも渡って私を育て続けてくれた人でした。私自身も尊敬している体育会系の上司です。

<参照記事>

元上司の立場からしたら、せっかくゼロから育てて管理職までの仕上げた人材を退職させるなんてこと、きっと望んでなかったに違いありません。

私も長年管理職やってたので、期待していた部下が辞めてしまうショックは、その職員の勤続年数が長いほど、大きいものです。

その元上司は、必死に辞めようとする私を引き止めましたが、私の退職が決定した後はあきらめて、快く送り出してくれたのです。忙しい時間をぬって、退職祝いパーティーにもかけつけてくれました。

その施設は元上司だけではなく、ホーム長も、私が辞めた後もLINEで「元気?」と連絡をくれたり、とても優しい人です。退職に前向きでしたね。今でもコミュニケーションを取り続けています。

そういうこともあってか、その施設は昭和からある古い設備の施設だったのですが、出戻り職員(一度辞めた職員がカムバック)も非常に多かったのです。


いっぽうで…


今年の春に退職した施設はあまりにブラックすぎました。

私の退職が決まった後は、上司である介護主任もホーム長も、私の挨拶にも無視したり、口をきいてもくれませんでした。

サービス残業や休日出勤が当たり前になる労働環境だけでなく、トップ層の態度も本当にブラックだったということです。

私以前にどんどん辞めていく職員の悪口をホーム長が言っていたのですが、

「今度はその対象が私になったのだ…」と実感したのでした。

なので辞めて後悔は全くしていません。


繰り返しになりますが、大切なことなのでもう一度言います。

どんな職員でも、いつだって、辞める権利を持っています。

つらいと思ったら逃げて良いのです。自分自身の心や身体、夢や希望、新しい目標などを第一に考えてください。

自分自身を大切にできない人が、目の前のお客様を大切にできません。



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サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。