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2019年7月の記事一覧
PPSLGR読書会 #PPSLGR
エメラルド色のビルの間に挟まれているウェスタン風の2階建て木造建築、Bar『MEXICO』。ここは暴力、胡乱、軽率人死を愛するnote創作者、通称パルプスリンガーどもの溜まり場。30分ごとに死体がドアや窓から放り出される物騒な場所だが、今の雰囲気はなんか違う。
今夜はここで読書会が開催され、貸し切り状態にある。
店内ではに居る男女スーツ、ドレス、軍服、着物、、ローマ風ローブなど、思い思い
MEXICOは決して無法地帯ではない
ゴオオオオ……室外機が咆哮する路地を見たおれはこれ以上進むべきか一瞬躊躇した。ひんやりとした快適表通りと違い、壁沿いに室外機がびっしり並んで熱気を絶え間なく吐き出す幅7フィートの狭い道はまさに焦熱地獄。おれは腹を決めて、一歩あゆみだした。左右からの熱風がおれをイカジャーキー生産ライン上のイカみたいに炙る。汗は吹き出しては乾く。
更に狭い路地裏に曲がり、少し進むと、急に空間が開放的になった。ビ
ダピオ・カーン TEA END
「こないね」
黒糖タピオカミルク専門点「枕牡丹」、15時。ティータイムにちょうどいい時間だが客人は一人もいない。一時間まえにUber EATSからの注文を消化してからずっとこの状態だ。一ヶ月前に行列がブロックを一周できた盛況はウソのようだ。
「あちぃー……」
東京の夏、悪辣な太陽、湿度、温暖化、ヒートアイランド現象、昼過ぎても39℃の気温の中で出歩く者はあまりない。店の天井から伸ばした日
タピオ・カーン TAPIOCA KNIGHT
「店長はん、売上が上々やな」
「ハイ、リンさんのおかげで」
渋谷、ティーショップ「リットルフィニックス」、二階のオフィス。店長の児内(こない)とソファにもたれた男がローテーブルを挟んで対面している。男の名前は林玄聖(リン シュエン スン)、母体会社から派遣されたお目付け役……つまり台湾マフィア『凰門』の幹部だということだ。はたけた黒い唐装(中華風のシャツ)の中に覗かせる関羽と関勝の刺青、オイ