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蛍光灯がきれたので、電器店に買いに行った。青木淳悟の小説で、もうだめだ、と夫がつぶやくの…
やっと本を読めるかんじになってきた。このかんじが戻ってきてうれしい。散歩中に、ものすごく…
栗の木の下で雨宿りした。天気雨だった。突然降り出した雨に、丘にいた人たちは蜘蛛の子を散ら…
つばめがやって来た。伸びた麦の穂の先をかすめるように素早く飛んでいく、鋭角の翼。あんなに…
オンラインゲームに没頭していた時があって、その頃は全然本を読まなかった。ただでさえリアル…
雲が全然なかった。空は、水色に白銀色のオーガンジーをまとったような色で、春の空だと思った…
雲間から射す光を見て、「あそこから天使が降りてくるんだよね」と彼女は言った。わたしは一瞬絶句した。そして内心冷ややかに思った。天使だって、何言ってんの。いるとしても、いると信じているとしても、それを口に出すのは違う、と。 中学校の帰り道だった。四人の間に沈黙が降りたから、他の二人もわたしと似たようなことを思っていたのかもしれない。小学校高学年の頃から、周りの人の暗黙の要望に敏感になっていたわたしは、同級生たちに過剰に同調していた。お互いに通じ合う話題以外を話すことは極力避け
幾何学模様のような芝桜。調べたら、キャンディストライプという品種らしく、そう聞くとこんな…
彩雲はいつも祝福だ。きらめく色が、波打つように雲の上に広がって、小さくなって、消えて、ま…
大気中に水分が満ちている。肌に触れる空気がしっとりとやわらかい。昨日が穀雨だった。やさし…
今日は空がとてもきれいだった。ずっと見ていたかったけれど、視線を上げるとくらくらしてきて…
雨があがった。山の稜線と暗い雲の間に、澄んだ明るい空が見え始めた。雲に覆われて見えていな…
まるで空を飛ぶ鳥のような葉っぱ。花か、葉か、定かではない薄紅色と、葉のすぐ下の紫色、葉の鮮やかなグリーンとに打たれる。こんな色が存在するとは。言葉にならない。細い枝に芽吹いていた。どの葉もいっせいに羽ばたき飛んでいた。あたらしく始まるいのちの、清冽な息吹。