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本を読むこと。空を見ること。草花とおしゃべり。見えているものの向こう側。

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    ゆらぎの森のお話『ゆらぎの森通信』。stand.fmにて不定期連載中。

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お久しぶりでございます。 stand.fmにて『ゆらぎの森通信』アップしております。 3分ほどの短いお話、お耳を貸してくださるとうれしいです。 『ゆらぎの森通信』第6号 *森の住人が持つ特別な羽根ペンで書かれていること https://stand.fm/episodes/64095f83fa14c385bb963fca

  • お久しぶりでございます。 stand.fmにて『ゆらぎの森通信』アップしております。 3分ほどの短いお話、お耳を貸してくださるとうれしいです。 『ゆらぎの森通信』第6号 *森の住人が持つ特別な羽根ペンで書かれていること https://stand.fm/episodes/64095f83fa14c385bb963fca

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    おっぴさん

     わたしはばあちゃんがさんにんいます。いっしょにすんでるばあちゃんと、かあさんのじっかのいえのちっちゃいばあちゃんとおっぴばあちゃんです。  じっかのいえのひとたちは、みんなおなじかおです。くろくて、しかくいです。おっぴさんのかおはまるいです。いろはしろいです。おっぴさんだけちがうかおです。  あと、おっぴさんはせなかをまげてたちます。てをこしにおいてあるきます。あたまにてぬぐいをまいています。わたしは、おっぴさんのあたまにてがとどくとおもうから、なでてみたいです。  

    おっぴさん

    『ゆらぎの森通信』第5号 *ゆらぎの森に初雪が積もりました。雪しぶきで遊ぶプンニムさんは、雪の中にあるものを見つけて⋯⋯ https://stand.fm/episodes/61aef113c1167f00075b101b

    『ゆらぎの森通信』第5号 *ゆらぎの森に初雪が積もりました。雪しぶきで遊ぶプンニムさんは、雪の中にあるものを見つけて⋯⋯ https://stand.fm/episodes/61aef113c1167f00075b101b

    冬支度

    暑いくらいに晴れた日は、コートを洗うのに絶好の日。 ウールのショートコートを裏返して折り畳んで、洗たくネットに入れて、洗濯機の手洗いコースにお任せする。そのままだと脱水が足りないので、普通コースの脱水を軽くかける。終わったら、裏返したままハンガーにかけて、ベランダに干す。このコートはしわにならないことがわかっているので、ぽんぽんと手でたたくこともしない。あとはお日さまと風にゆだねる。 午後三時、コートはふっくらと乾いている。陽の光を抱き含めた生地は、ふっくりとやわらかくあ

    冬支度

    しろのあと

    なだらかな丘を踏みしめてゆっくりのぼる。いい天気。 ああ、この場所はとってもいいな、好きだな。っていうのは、どこで感じてどこで思っていることなんだろう。 頭じゃない、胸でもない、おなかでもない。足の裏のほうから感じているような気もするけれど、それだけじゃない気もする。なんというか、自分のからだぜんぶで感じているようで、まったくからだじゃないところから思っているような。 からだの外にあるこころから、からだのなかにあるこころへと、伝わってくるみたい。すみずみにまでりんりんと

    しろのあと

    鳴る

    秋の空は、静かに鳴っていると思う。 聞こえないけれど、聞こえないままに、澄んだなにかが鳴っている。 草むらから、乾いた匂い。日なたの匂い。 風はずっと踊りつづけて、空気がどんどんいれかわる。 足もとに湯たんぽを置いて、すくすくと眠った。 聞こえないなにかは、わたしのなかにも鳴っていると思う。

    おはようのうた

     祖母に手をひかれて、通りを渡る。センターラインも横断歩道も描かれていない車通り。斜め向こうの床屋さんの駐車場から、年長組の男の子たちの声が響いている。おかあさんたちの話し声、笑い声。「おはようござんす」と祖母があいさつすると、「おはようございます」と大人たちが答え、わたしはちょこんと頭を下げる。つないだ右手にぎゅっと力を込める。びゅん、と目の前を走っていく男の子。もうひとり、びゅん。「こら、あぶないから走らないの!」と、誰かの大きな声。こっちからもあっちからも人の声がする。

    おはようのうた

    九月なノ日

    かようび。クサギの実がなっているのを見つけた。手を伸ばしても届かない高いところにあって、触れることはできない。でもいまは、この目で見ることができたことがうれしい。事典でしか見たことがなかった。遠くの山に行かなければ、出会えないのだと思っていた。それが家の目の前にあるという現実がやってくるとは。 これは葛の花。葉叢に隠れていくつも咲いていた。知ってはいても実際に会ったことのなかった花。花があれば葉を覚えられる。そして、花がなくてもそれと見分けがつくように、いつかはなる。 葛

    九月なノ日

    8月八日

    午後、公園に行く。蝉しぐれ。ツクツクボウシの鳴き声が、鳥の鳴き声に聞こえる。ツクツク、「ボウシ」と音程があがってさがるところ。何年か前から、鳥たちが鳴き交わす声にしか思えなくなった。わたしの耳とあたまの、わたしだけの聞こえかた。 蓮の花が咲いていた。午後でも見れるなんて、思いもしなかった。池に渡された橋を行くとき、蓮の森のなかだと思った。葉っぱは大きくて、花はわたしのあたまを越えて咲いている。ここは別世界。ちがう世界。ひとが生きているつもりの世界とは、ぜんぜん違う理でできて

    8月八日

    ハチ月1日

    朝四時三十分、ヒグラシを聞く。遠くから聞こえる。いくつも重なってささめいている。音は不思議。ことばを超えてやってくる。 noteを書こうとすると、胸がぐううと押されたようにくるしくなった。くるしいのをこらえて書き始めても、二行も書けずに画面を閉じる。そんな繰り返しでした。 前回から実験していることは、おおきくふたつ。 スマートフォンで打つこと。 打つときに、あたまのなかで、ゆっくり読みあげること。 パソコンのキーボードを打つとき、あたまと手と目が連動して、すいすいと

    ハチ月1日

    七月2じゅうハチ日

    四時半に目がさめて、窓をあけた。 きれいだった。雲は、空の高いところへと、のぼるように伸びていた。 四時を過ぎると、セミは鳴きます。ここに越してきて、はじめて知ったこと。 八時、ゴミを出しに行く。蛍光管と電池の日。陽射しが暑いので、ゆっくり歩く。暑くなくても、歩くのは遅い。暑いのはにがてだから、ますます遅い。 ゴミのステーションは神社のとなり。集会所の奥の、鉄の格子のとびらをあけると、ビニール袋がひとつと、ながいながい蛍光管が三本くらいしばって置いてある。ながい蛍光管

    七月2じゅうハチ日

    雨の日のぷかぷかぷう

     ぼくの長靴はあおいろ。傘はきみどりいろ。レインコートはきいろ。保育園のときはあおいろだったけど、小学校はきいろなんだって。ぼくはあおいろがいいと思う。ねえちゃんはちゃいろのレインブーツを履いて、まわりにフリルのついたピンクの傘。二人でいってきますって言って、玄関を開けたら、みきちゃんが踊ってた。とうめいの傘をくるくる回しながら、みきちゃんも片足でクルッってした。ねえちゃんは走ってみきちゃんのいる納屋の前まで行くと、ピンクの傘を広げた。傘でみきちゃんが見えなくなったから、ぼく

    雨の日のぷかぷかぷう

    ハミングの世界

    ツバメのひなの鳴く声がしました。霧雨は静かでやさしい。くもりの日のように音がよく聞こえる。

    ハミングの世界