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幾何学模様のような芝桜。調べたら、キャンディストライプという品種らしく、そう聞くとこんな模様の飴があった気がして、また調べたら、仙台駄菓子の飴だった。子どもの頃は、仙台駄菓子という風には呼んだことはなくて、たまにお仏壇に供えられているきれいな和菓子という認識だった。色の筋が何本も入った白地の丸い飴には、飴細工の透き通るような繊維が見えて、どれほど繊細で複雑な味がするのかと期待したけれど、ただ甘いだけだった。あの飴の繊維を、霜柱のようだと思ったのを覚えている。

電線にとまったおそらくヒヨドリが、ひと声鳴くと、小麦畑の向こう側からひと声返ってきた。また電線からひと声、向こうからひと声。二人で会話しているのだろうと思った。ひと声で何がしかが伝わる、単純なようで奥深い会話。小麦の穂の上を風が渡っていくのが見えた。葉に落ちる光がきらきらと揺れ動いていた。



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