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無職日記#8 一歩進んで、二歩も三歩も下がったときはYouTubeで現実逃避。

低気圧を脱したと思ったら次は扁桃腺炎になった。
もともと、疲れが溜まると喉にくる体質だが、今年の8月辺りから月に一度は扁桃腺が腫れている。こんなに高頻度で喉が痛くなるのは、人生で初めてだ。今回の不調は、完全に先週の疲れから来ているのはたしかだ。 6ヶ月の休職期間でかなり体力が落ちたとともに、免疫力も落ちているのだろう。

つばを飲むのも水を飲むのも痛い。
薬を飲んでひたすら寝る。静寂だといろいろと考えてしまって不安が増すので、YouTubeでゲーム実況の動画をひたすら流し続ける。
ゲーム実況の動画は、なにも考えずにボーッと見ることができるのでお気に入りだ。今日もずっと、人狼ゲームの生配信のアーカイブ動画を流していた。見ながらうとうと、起きてまたちょっと見ながらうとうと。

私がゲーム実況を見るようになったのは、4年前。父が余命宣告され家族全員が不安に苛まれていた時期だった。
なんとなく開いたYouTubeの画面で、なぜかおすすめ動画に出てきたゲーム実況を見て、久しぶりに大笑いしたことがきっかけでハマった。何も考えず爆笑できたのは久しぶりで、一時的にでも不安から解消してくれる動画の存在に救われた。

それからというもの、たくさんのゲーム実況動画を見るようになった。大阪で一人暮らしを始めた頃も、シンとした空間や家族と離れた寂しさを埋めるように、仕事のストレスを発散するように、にぎやかでバカ笑いできるゲーム実況動画を毎晩見ていた。ほかにも、ASMRや雑学系、お笑い、いろんなYouTuberの動画を見るようになった。
いつしか習慣になり、何千時間も動画を見ることに時間を費やしてきた。
数多の動画を見てきたが、一周してゲーム実況動画に戻ってきた。やはり自分が一番落ち着いて見られるのはゲーム実況動画で、厳選した実況者をチャンネル登録し、毎日チェックするようになった。気づけば、YouTube依存症になっていた。

休職期間に入ってから、ますます視聴時間はうなぎのぼり。何もする気力がなく、不安を消すように動画を流しながら寝ていた。映画やドラマを観る気力はなかったから、ひたすら動画を見る日々。ぐるぐると止め処なく回り続けるマイナス思考を遮断するには、うってつけのツールだった。簡単に現実逃避ができた。

いつからか、「不安を感じたらゲーム実況動画」という方程式ができあがってしまっていた。数年をかけて刻み込まれたルーティーンは無意識レベルとなり、気づけばスマホやタブレットに手が伸びYouTubeを開いている。今日も例に漏れず、何時間も動画を流し続けていた。
気づけば外は真っ暗で、絶望感に襲われる。この絶望感は一体、どこからくるのだろうか。

一歩進んで、二歩も三歩も下がる。
回復が遠のいていく感覚に、社会復帰がまた1日遠のいた感覚に不安に駆られ、またYouTubeを開くのだった。

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