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休職日記#13 適応障害の30歳が、1歳の甥っ子と外で遊んだら生きる希望が湧いてきた

今日はなんと、5時間も外に居た。昨日はソファでゴロゴロしていたから、打って変わって活動的な日だった。
とはいえ、午前から活動することはまだまだハードルが高い。無理だ。毎日決まった時間に治療薬を飲む必要があるため、ひとまず9時に起きるのだが、そこからは起きていられない。たいてい、ソファか布団で昼過ぎまで寝る。
今日も午前いっぱいはたっぷりと寝て、午後から姉と甥っ子と外出した。たっぷり寝たからか、昨夜ゆっくりお風呂に浸かったからか、今日はほどほどにコンディションが良くて「いける!」という日だったのだ。
電車に乗り、街を散策し、公園で遊ぶ。なんと健康的だろうか。しかも7500歩も歩いた。300歩も歩かない日があるから、すごい記録だ。おかげで足はパンパンで、全身くたくたである。だけど、充実感とほどよい疲労感で気持ちがいい。アドレナリンが出たためか、夜な夜なnoteを書いている。

日中、こんなに外にいたのはいつぶりだろうか。日光をたくさん浴び、歩き、体を動かして遊び、時々空を見上げて深呼吸。「気持ちいいなぁ」と思った。

休職する前から、気を抜くと家に引きこもる習性があった。それがコロナ禍で拍車がかかり、さらに休職してからは完全に引きこもりになった。玄関から先には出ない。引きこもりのプロである。

それでも、なんとか外に出てみる日もあった。さすがにやばいよなぁ…という危機感から、「えいや!」と気合いを入れて。
行くとしたら近所の公園かスーパーか病院が限界だった(最近になってようやく友人と会えるようにはなったが)。
そんな人間が、電車に乗って長時間の外出ができたのは奇跡だと思う。

うつ病や適応障害の治療には、寝ることの他に「遊ぶ」ことも大事だという。体の休息と精神の休息、どちらも大事ということらしい。
「楽しい!」と思える時間を増やすことで、悩んでいる時間が自然と減るのも効果があるそうだ(だからといって、体や心がしんどい時は、無理に遊ばないことが大切)。
だが、この「遊ぶ」が私にはなかなか難しかった。自分にとって楽しいことがなんなのか、わからなくなっていたし、休職しているのに遊ぶっていうのもなんだかなぁ…という罪悪感のような感覚があったのだ。

けれど、これも治療の一つ!社会復帰の一つ!と割り切ってしまえば、その気持ちも和らいだ。思い切り楽しいことをしよう!とやっと思えるようになってきたのだ。
その一つが、「ちょっと遠出をして、開放感のある場所で1歳の甥っ子と遊ぶ」ことだった。

結果、ものすっっごく楽しかった。

1歳の甥っ子が、新しい景色に目を輝かせ、まだまだ小さい体で、めいっぱいわくわくを表現している姿を見ると、こちらもわくわくしてくる。
空を見上げたら面白い形の雲があって、地面にはいろんな形の石ころがあって、落ち葉もいろんな色をしている。人の影が動くのもおもしろいし、しゃがむと小さい蟻が行列をなしている。
そんな、日常にある小さな感動が、甥っ子にとってはどれも素晴らしい発見で。一生懸命、見つけたものを指差して「あ!」と教えてくれる姿が愛おしかった。

辛いことはたくさんある。今も、まだまだ苦しい途上にある。
だけど、視点を変えれば楽しいことやわくわくが溢れている。そんなことを教わった気がした。

ただ遊びに行っただけ。
それだけの経験が、私にとっては大きな成功体験になって、少しずつ外界へ出ていく勇気につながり、「生きていけそうだ」という実感につながっていくのだった。


イラストbyあっこ
こちらに向かって手を振りながら走ってくる甥っ子。
たまらなくかわいい姿を描きました。

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