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上海博物館と、人民公園のはなし

上海博物館という、上海の真ん中あたりにある、中国の歴史が詳しく展示された博物館へ行った。感想は、すっごく良かった。入場無料で、最低2時間、半日かかるボリュームで、青銅器・陶器、家具や印鑑、貨幣に民族等が展示されていた。 中国が最も誇る宝たちが展示されていて、正直一番見応えがあり、満足度も高かった観光地だ。

一番楽しかったのは青銅器と陶器(同率1位)。私は柄を見るの大好きなので、舐めるように見た。どれも繊細で細かくて美しかった!
世紀前を含めたいつの時代も、作品の迫力が凄かった。教科書では全く伝わらない。吸い込まれるし、魅了される。ずっと見てられた。
意味なんて分からなくても、見応えがあるし、解説見なくても、良いものは見たら分かる。世界中で良いブランドや作品が愛されるのは、解説が不要で、肌感・感情的に良いと思うものがあるからだと思った。

一番つまらなかったのは(笑)、印鑑のコーナー。小さいし、何て書いてあるか分からない。貨幣の展示も、布銭や刀銭を見れたのは感動したが、それ以上の細かい時代の変遷は、特に何も感じなかった。どの展示にも通づるのは、柄が細かいこと。高い技術だし面白かった。映像がわかりやすかったので、言語はわからなくても見るのがオススメ!作品の製造工程がわかります。

人民公園は、代々木公園にちょっと遊具足した感じだけど、活気がすごい。麻雀・トランプ・将棋したり、コマ回したり、あちこちでおっちゃんが遊んでて、カップルは芝生で寝てるし子どもは走り回ってるし。
あと、傘に女性のプロフィールを貼って、出会いの場になっていた。どう考えても扱いが不動産で、これがキッカケで本当に恋愛するのか疑問だった。「身長:○ 年齢:○…」って、普通そんなので決めないと思うけどなあ。
調べたら、親が子の婚活をしている場らしい。だから、おばちゃんが沢山構えていたのか。

個人的には、親に結婚相手決められるのも、不動産扱いされるのも、真っ平御免だ。価値観や思考が違いすぎて、驚く。
そして何が凄いって、傘の数が千くらいはあったように思う。かなりの人数が、親に婚活されていることになる。その婚活のやり方が、全然少数派には見えなかったのもまた、驚いた。

お見合いで親が決めていた頃の昔の日本も、形式は違えど、こうやって条件を照らし合わせてお家柄気にして決めていたということは、こんな感じだったんだろうか。イスラム圏の結婚も、自由恋愛じゃないから、殺伐としているのだろうか。恋愛は、人生の醍醐味の一つだと思ってた。異性とのコミュニケーションは学びが深く、人生を豊かにするものだと思ってた。
でも、恋愛も結婚も、世界を見渡せば、私と全然異なる価値観の人も多いんだろうなあ。

あと、日本の公園は、こんなに活気ないと思う。新宿御苑とか代々木公園とか、凄く整備されてる割には、人気がない。
日本人って、ブランディングに凄く敏感で、ちょっとでもイマイチ要素があるとすぐ人気無くなるし、潰れる。世間の商品に対する目は、日本はすごく厳しいと思う。

人民公園は、天安門事件があった場所だから、歴史も深くいい立地ではある。しかし、天安門事件は中国政府が無かったことにしているし、公園自体は、あくまでも普通の公園と感じたから、日本だったら、きっとうまくいかないと思う。中国は日本ほど潔癖じゃない印象。良くも悪くも、ガサツ。

そのガサツさが、大衆の自由な姿勢を作り、街中で各々好きなように過ごすのびのびとした空間ができる。人目を気にしすぎず、道の真ん中でカンフーやったり夜中に踊っていたりする。もちろん全て上手ではない。ラジオ体操のようなもの。私は中国にいて、そのガサツさに慣れ、人間これくらいで良いな、日本は細かいこと気にしすぎだなとも感じた。土地が広くて余っており、人も多い中国だからこそ、挑戦しやすいし失敗しても日本より残酷じゃない。すごく私は個人的には好き。

もちろん潔癖な日本人が作るからこそ、日本ブランドは成り立っていて、その繊細さが衛生面等も担保していると思う。だから、それが実現できる日本もすごい。

当然だけど、国や地方が違えば、ウケるものも違うし思考も違うからビジネスのやり方も全然違うんだろうなあ。大多数である、”大衆”を見ることができたのは収穫だった。仕事を始めてから初めての海外。見え方が全然違った。

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