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山の保全からはじまる農村の新しい姿をつくるには-秋田県男鹿市-

こんにちは!男鹿市地域おこし協力隊の島津です!
今回は、私も参加している「男鹿森の人プロジェクト」について紹介します!

男鹿森の人プロジェクトは、「男鹿の里山と生きる会」を母体として、男鹿市(五里合地区)に2022年5月に設立された団体です。
男鹿市の琴川集落で喫茶店「珈音」を営む佐藤毅さんを中心に、男鹿市や周辺市町村在住者など25人のメンバーで構成されています。
プロジェクトでは、琴川の自然環境を守っていくための活動を行っています。
具体的には、山の保全活動として、林野庁の交付金を利用して、林道に生えた笹薮の刈り払い作業や倒木の除去作業等を行い、山を健康な状態に保っています。
また、山の近くで耕作放棄地となってしまった土地を利用して、米や小麦、藍などを栽培しています。

このほか、佐藤さんは琴川で13年前から「ホタルカフェ」というイベントを行ってきました。
「ホタルカフェ」とは、男鹿市内をはじめとした、カフェや飲食店等が珈音とコラボして飲食物や飲み物を提供し、その後、ホタルが見える時間になったら移動し、鑑賞会を行うイベントです。

ホタルは適した環境条件下でのみ生息できるため、ホタルがいることはその土地の自然環境のすばらしさを証明しています。
琴川集落の自然環境を守っていくために、耕作放棄地の再生・利用を行うことで山の水源や農地を健康に保ち、ホタルの生息地を増やすことができると考えています。
こうして、「男鹿森の人プロジェクト」の活動が定期的に行われています。

今回は、プロジェクトに参加している大学院生、原 琉翔さんにインタビューしました!

-「男鹿森の人プロジェクト」に参加した理由を教えてください。

自分の研究領域が農村振興分野であるので、佐藤さんのお話を聞いたときに、自分も山の保全などの活動を通して琴川集落の自然環境を守っていきたいと思ったのがきっかけです。

-活動していて、うれしかったことややりがいは何ですか。

主に参加させていただいている活動が山の刈り払い作業なのですが、活動初期は笹藪だらけだった山も活動を重ねるにつれて、山道ができ、遠くまで視界が良好になりました。
これほど達成感を得られる活動はなかなかないので、活動を重ねるにつれて次の活動が楽しみでした。
また、小さい頃、祖母に食べさせてもらっていた山菜などがよくよくみたら自生していたことがありました。
山に入ることで意外な点に気づくことがたくさんあったので、参加して良かったと思います。

-プロジェクトへの思いを教えてください。

自分は、琴川集落とは特別関係があったわけではありませんが、佐藤さんのお話を聞き、プロジェクトに参加する方々と関わる中で、自分もできる限り力になりたいと思うようになりました。
特に佐藤さんの琴川への思いについては、農村振興について研究する身としてはかなり勉強させていただくことが多く、今後もプロジェクトを通して、自然環境に対する姿勢や自然に対する知識など勉強させていただきたいと思っています。
また、微力ながら自分も研究の面から少しでも力になれたらと考えています。

-これから男鹿がどうなっていくことを願っていますか。

大学に入学して男鹿とよく関わるようになってから、男鹿は山もあって、海も近く、自然を堪能できる土地であることに気づきました。
寒風山や入道崎など自然の魅力を感じられるスポットがたくさんあり、男鹿の自然は心を健康にしてくれると感じました。
また、琴川においてもホタルが生息する環境があるなど、こうした男鹿の自然環境は、男鹿市に住んでいる方々だけでなく、それを見に来る近隣の市町村や県内外からの観光客にも多くの良い影響を与えてくれていると思います。
こうした男鹿の自然を守っていくため、本プロジェクトのように、いろんな人が活動に関わる機会が作られ、何年たっても男鹿の美しい自然環境を守っていければいいのではないかと思います。

今回は、「男鹿森の人プロジェクト」について紹介しました!
今後のプロジェクトについて、山の保全活動が月に1回程度となっているので、もう少し増やしていきたいと思います。
また、シイタケ栽培や炭焼き等の山の資源を活かす活動も次第に増やして、活動の幅を広げていけたらと考えています。

人口減少や少子高齢化が特に進行する農村部では地域外の住民が地域と多様に関わるケースが見られるようになってきています。
本プロジェクトもそうですが、地域外の人たちと関わっていくことで、農村振興につなげることができると考えています。
こうした流れを作っていくためにも、まず地域の現状を地域外の人に知ってもらうこと、活動や思いを知ってもらい賛同者を得ていくことが地域と関わる人との強いつながりを作っていくのではないかと考えます。
また、琴川集落のホタルのようにそこの地域でしか得られない、体験できない地域資源をどのようにしてアピールしていくかが将来的に男鹿の自然環境を保全していくことにもつながると考えています。

男鹿の観光情報サイト「男鹿なび」では、男鹿市の自然や見どころを紹介しています。
ぜひご覧になっていただき、男鹿に足を運んでみてください!

【著:男鹿市地域おこし協力隊 島津栄一】

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