'95 till Infinity 148
⇒ '95 till Infinity 目次は こちら 。
【 第8章 - ③: Story of His Life 005 】
田舎町なんてどこも似たような作りをしてるよ。人によってはそんな田舎町なんてどれも一緒だっていうかもしれない。
けど、そんな名もないような田舎町でも何十、何百と通り過ぎていくとさ、そのうちに同じ街なんか1つもないってことがわかってくるんだ。
そこには住民1人1人の生活があってさ、それがどんなに退屈で変わり映えのしない生活であっても、それはその人にとってかけがいのない世界なんだ。
刑務所を出てから俺は俺たちが住むこの世界って一体なんなんだろうってずっと不思議に思ってたよ。
けどさ、そうやっていくつもの町を走り抜けて俺はわかったような気がしたんだ。この世界は人間1人1人の人生が合わさってできてるんだなって。
人間なんてさ、金があってもなくても同じ人間なんだ。
有名だろうが、人から好かれていようが、嫌われていようが、みんな同じ人間なんだ。その人間がさ、点描画の点みたいなもんでさ、その点が大きかろうが小さかろうが色が違おうが所詮は1つの点なんだよね。
そんなたわいもない発見をしながら俺は車を走らせたよ。
休みの度に本当にいくつもの町を走り抜けた。
最初の頃は日帰りだったんだけどさ、そのうちに車に毛布を載せて走り疲れたところで車を止めて寝るようになった。
仕事をして、休みの日は当てもなく車を走らせて。そんな生活を2年もしたのかな。あの日、俺は海沿いに停めた車の中で起きて、携帯ガスコンロで沸かした水で作ったコーヒーを砂浜で飲んでたんだ。
⇒ "早く続きが読みたい!"って方は、先出有料マガジンで。
*先出有料マガジンについては こちら 。
noteも含めた"アウトプット"に生きる本や音楽、DVD等に使います。海外移住時に銀行とケンカして使える日本の口座がないんで、次回帰国時に口座開設 or 使ってない口座を復活するまで貯めに貯めてAmazonで買わせてもらいます。