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'95 till Infinity 146

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【 第8章 - ③: Story of His Life 003 】

しばらくしてさ、仕事が見つかったんだ。

俺は何ができるってことのない人間だから、見つかった仕事はスーパーの倉庫の商品管理だったよ。けど、俺はそれで十分だった。毎日決まった時間に店に行って、仕事して、シェルターに帰ってきて寝るだけ。

毎日同じことの繰り返しだよ。

若い頃の俺はさ、そんな毎日同じことを繰り返すってことを馬鹿にしてたんだ。何がおもしろいんだろうねってね。けどさ、結局のところ、そう人のことを馬鹿にしてた俺だって同じことを毎日繰り返してたんだよ。

盗んで、騙して、毎日毎日スプーンの中でぐつぐつとヘロインを調理して打ち込んでぶっ倒れてさ。だから、結局のとこそこに何の違いもないんだよ。

そうやってただなんとなく毎日働いてるとさ、いくら時給なんぼの奴隷みたいな給料でもちょっとずつ金が貯まってくるんだ。

俺なんて元々金をあんまり使う人間じゃないからさ、酒もそんなに飲めないし、元々趣味なんてスケボーだけだったし。

だから、金はちょっとずつ貯まっていった。
元々があまり欲がない人間だからね。

どのくらい働いたころだったかな?俺はシェルターを出てアパートを借りたんだ。古くて狭くて臭い1ベッドルームアパートメントだよ。

刑務所を出た時はバッグ1つ分だった荷物が2つになってた。それに紙袋をさげて、俺はエマとあのアパートを追い立てられた時以来の引っ越し、初めての自分だけの引っ越しをしたんだ。

そのアパートで独り暮らしてさ、毎日決まった時間に仕事に行く。帰ってきて、簡単な食事を自分で作って寝る。

これといった友達もいなくてさ。

別に友達ができなかった訳じゃないんだ。わざわざ自分から友達を作ろうとはしなかったっていうのかな。それまでの何年かはずっと嫌でも人に囲まれていたからさ、俺には自分だけの時間が必要だと思ってたんだと思う。


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