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及川 昭
2022年2月25日 16:23
今年ももうすぐ、新社会人が登場する季節を迎える。 仕事柄、長い期間、新社会人に接してきた人間として、強く感じている違和感がある。 それは、企業人としての能力を生得的なものとして捉えている企業や人事担当者がことのほか多いことである。 出身校によって企業人としての優劣が規定されているという前提があるためか、世でいう、 いい学校の卒業生を獲得するということに躍起になっている。 言葉をかえ
2021年11月30日 16:08
いよいよ2021年も残すところ後、一ヶ月となった。大方の企業人にとっての一年の終わりは、年末ではなく3月であり、そして始まりは4月というのが率直なところであるが、それでも、手帳やカレンダーなど大方のものは、1月から12月という単位となっているので、必然的に年の終わりという感慨は、3月末よりもはるかに師走の方が深いものがある。筆者の場合、ここ10数年、年の瀬に手帳を新しくする時、必ず
2021年11月19日 20:40
私は、人を育てる人材育成というのは、単なる学びのための制度や手法論ではなく、環境が非常に重要ではないだろうかと考えている。私にとって仕事は人生の道場みたいなもので、全てとは言わないまでも大事なことは、大方、仕事に教えてもらったと思っている。打たれ強さとかプレッシャーへの耐性、リスクテイクする決断等、全て仕事で学んだものである。例えば、若い頃は、給料は安かったので、食べていくだけで精いっ
2021年11月14日 15:29
昨今、社会人の「学び直し」に関する議論が多い。学び直しは確かに必要であり、とても大事なことである。しかし、いささか腑に落ちないのは、・新しい環境に対応できる人材づくりの手段は「教育」だけなのだろうか?・社会人が学びなおすための制度等「インフラづくり」を構築しないと本当に人は、学べないのだろうか?という点である。例えば、日本の学校教育や社会人教育の大きな特徴は、「均質性重視の
2021年11月6日 16:19
ここ最近、日本企業の競争力の弱体化や衰退がさかんに報道されている。数日前の新聞報道では、昨年、2020年に経営破綻した米国レンタカー大手、ハーツが早くも今年の2021年に裁判所の管理を終え、米国電気自動車大手テスラから、10万台のEV車の購入を発表、そしてハーツ所有の車の2割をEVに変えるとのこと。EV車の普及と旧態依然としたレンタカー会社が、CASE革命をリードする旗手に生まれ変わりつつ
2021年10月29日 20:51
経営上の意思決定は、全てトレードオフ。そこには様々な矛盾がある。例えば、短期的利益と長期的利益のどちらを優先するか。大方の経営者が、口では長期的視点や全体最適等といった発言はするものの、現実の判断や意思決定は短期利益の追求そのものである。勿論、上場企業であれば、株価や投資収益性等を市場から問われるということも否定はしないが、本質的に短期的視点しか持ち得ていないのである。例えば、
2021年10月22日 15:53
衆議院議員の総選挙を控えて「成長」よりも「分配」に言及した議論が圧倒的に多いが、国民も市場も政治に求めているのは、「人口が減っても、この国が成長できるように」ということではないだろうか。そのためには、「これまで先送りしてきた課題」にケリをつけなければならない。今から、10年以上前の英国のエコノミストの日本に対する忠告、「豊かな日本には、選択肢がある。蓄えた富をこのまま享受するだけか、改革
2021年8月25日 15:38
組織が目的通りきちんと機能するかどうか、そこにリーダーの在り方が非常に重要な意味をなすのではないだろうか。このことは、平時にはさして分からないが、組織が異常事態や緊急事態に遭遇した際に如実にあらわれてくる。まさに、既に1年半になろうとする新型コロナウィルスの感染拡大の問題。感染の拡大は広がるばかりで、少し前まで声高に唱えられていたワクチン接種さえ、掛け声倒れで容易に進まない日本。政
2021年8月16日 12:40
8月11日、日経新聞に、世界各国の政府や企業が、働き手のリ・スキリング(学び直し)に動き出したという記事があった。新型コロナウイルス収束後の経済再開をにらみ、「今ある雇用の維持」から「デジタル関連などの成長分野」へ人材をシフトさせるためであると。著名な日本の経営者の方が、「終身雇用の日本では、教育で人材競争力を高めるのが合理的である」と言われているが、そういう意味では、これからの企業間競争